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2025.03.26 11:00

多様性と経済成長の結節点に 成田空港が目指す「エアポートシティ」の仲間探し

成田国際空港は、まさにいま変わろうとしている。既存滑走路の延伸や新滑走路の建設による年間発着回数50万回への増加、更に旅客ターミナル、貨物の刷新。これに伴うエアポートシティ開発の最前線を牽引する現場の2人が「成田の未来」を率直に語った。


——現在のおふたりのお仕事内容について聞かせてください。

河北雄樹(以下、河北):私は経営計画部の戦略企画室でエアポートシティ構想の策定に関わっています。構想の発表に向けて、エアポートシティ実現を一体となって進めていく千葉県、また学識者、民間企業とも連携しながらコンセプトの詰め作業をしています。

エアポートシティの柱は主に2つ。人材を惹きつけるための魅力的な住環境整備と空港を核にした産業集積です。

空港従業員は現在の4万人から将来的に7万人に増加するとされています。ただ、人口減少の時代、それも空港周辺の人口が減少している中で3万人も増やすのは難しい。そこで空港周辺地域を魅力的にして、住みやすい地域にし、新たに人を呼び込んでくる。そういう取り組みが必要なのです。

空港外の関連産業で新たに生まれる雇用やその雇用者たちの家族を含めると新たに10万人規模が空港周辺に暮らす可能性があります。

また、日本は少子高齢化の中で、経済成長を図るためには世界とのつながりをより一層深めていく必要があります。日本を代表する国際空港を持つ地域として、世界の旺盛な経済成長を日本や首都圏、そしてこの周辺地域に取り込んでいくため、空港周辺への産業集積も進めようとしています。

世界に最も近い地域で内陸空港の強みを活かせる日本で唯一の場所であるからこそ、成田空港周辺地域はその役割を果たしていく必要があると考えています。国内外の企業を空港周辺に誘致して、産業集積を進めたい理由はそこにもあるのです。

そして、海外では空港の持つインフラ機能に不動産価値を見出し、不動産開発に注力している空港が出始めているんです。我々も空港周辺の不動産価値を上げて、そこに人やモノを集積させていくことで、新たな航空需要を生み出し、地域へと人やモノの流れが生じる、エコスシテムなエアポートシティを考えています。

経営計画部戦略企画室 河北雄樹
経営計画部戦略企画室 河北雄樹

斉藤明里(以下、斉藤):私は空港計画部のイノベーション推進グループで、成田空港におけるイノベーション推進の取組の統括を担当しています。社内の各担当と連携して課題を明確化し、我々と一緒に成田空港の課題を解決してくれるスタートアップ企業・研究機関を含めあらゆる分野の方々とのネットワーキングや企画にも力を入れています。

これまで弊社は自前主義、すべて社内で仕様を決めて解決を図るのが普通でした。実際、いろいろな企業と会話を重ねていると、空港・航空業界は他企業から見ると入りにくいイメージがあるようです。そのクローズされたイメージを払拭し、オープンなイメージに変えていくことが重要だと考えていて、一緒に新しい成田空港をつくっていくためのパートナーを探しているということを声を大にして言いたいです。

たとえば私たちが解決したいと思っているのは、直近では河北が説明した人材不足対策や、空港運営の高度化・効率化、また旅客の利便性や体験価値向上。空港を利用される方ならイメージしやすいと思いますが、手荷物検査ひとつとっても、世の中の技術の進歩は早いので、効率化できる余地はたくさんあります。

ただ、気をつけなければならないのは、空港は大前提として安全が確保された場所でなければならないということ。イノベーションは日進月歩の世界ですが、私たちの業務の命題である安全性と、テクノロジーの進歩の速さ、さらにはスタートアップ企業の意思決定の速さは必ずしも両立するものではありません。そこは正直、とても悩ましく、しかしスピードにキャッチアップしつつ安全を確保して進めなければならないと考えています。

多様性が発揮できる空間、まちづくり

——エアポートシティづくりは当然「自前主義」では達成できません。どのように「仲間」を探し、増やしていきたいと考えていますか。

斉藤:私たちは空港の中にイノベーションハブを構築していきたいと思っているんですが、スタートアップ企業にもエアポートシティに拠点を置いていただけるといいですよね。

空港って、あるだけでお客様・従業員・ステークホルダーもダイバーシティのある人が自然と集まってくる場所なので、イノベーションに必要な多様性がそもそも整っていると言えるとも考えられます。

空港計画部イノベーション推進グループ 斉藤明里
空港計画部イノベーション推進グループ 斉藤明里

河北:そうなんですよね。空港で働いている人って、さまざまな能力を持つ人が多い。大型免許を持っていたり、語学ができたり、保育士とか看護師の資格を持っている人もいる。エアポートシティの中では、そういう能力をいろんな形で発揮できるようになればと思っています。

斉藤:多様な人材が自然と集まれる場所。こうした空港の特性を、そのまま「仲間探し」に応用できたらとても理想的なことだと思います。

海外の成長を取り込む日本経済の起爆剤に

——エアポートシティ計画のために、周辺自治体とはどのような関係づくりをしているのですか。

河北:関係自治体としては、航空機の飛行ルートの直下に位置している千葉県・茨城県の11市町があります。これらの市町とはエアポートシティに関して各市町の計画や想いを聞いたり、11市町で集まって会議を行ったりして連携しています。ただ、最近では印西市や八千代市、船橋市など11市町に含まれていない町に住んでいる従業員も多い。

また、産業集積の観点から言うと、地域の基幹産業でもあり、千葉県が誇る農林水産業との連携も視野に入れて考えなければなりません。これも11市町には含まれない旭市や銚子市の存在が、とても大きくなってきます。エアポートシティで住環境整備や産業誘致を対象とするのは主に11市町ですが、11市町以外でも分野に合わせて、様々な地域との連携していく必要があります。

斉藤:ビジネス的な観点のみならず、地域的・情緒的な面からも「開かれた空港」を目指していくべきだと考えています。空港周辺に生活する人たちや、日本から海外へ向かう方々、さらには海外から日本に来る方々。こうした多くの方々に開かれた成田空港にならなければならないと思っています。

成田空港は歴史的な経緯もあって、空港の敷地内に入るときに身分証を提示しなければならなかった時代もありました。こうした心理的に敷居の高い空港ではなく、ふらっと公園に来るような感覚で空港に来ていただきたい。

そして何より空港の従業員が誇りに思える空港にしなければなりません。お客さまを第一にという考えは当然のことですが、従業員の成田空港へのエンゲージメントが最高のものになってこそ、自信を持って「仲間になってください」「新しい成田空港をつくりましょう」と言えると思います。

協業できる仲間づくりや、拠点として魅力的なフィールドになるための環境の整備を通じてイノベーティブなソリューションが連続的に生まれてくるようにすることを目指していますが、これらはあくまで手段です。目的はイノベーションの、その先にあります。

成田空港のエアポートシティ構想が、「新たな価値創出の場」となるよう、「空港×イノベーション」のシナジーを最大限に活かしていければと思っています。

成田空港特設LP
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promoted by 成田国際空港/text by Masashi Soiri/ Photographs by Tomohiko Ogiwara