東京都は、「社会的インパクト」と「経済的リターン」の両立を目指すスタートアップなどの企業と自治体・大企業等との共創を促進し、社会課題解決を図るプロジェクト「TOKYO Co-cial IMPACT」を2024年5月より開始した。
2025年3月19日、東京都のスタートアップ支援施設『NEXs Tokyo』にて、本プロジェクトの「スタジオプログラム」に採択された社会起業家の成果報告会が開催される。また、インパクトスタートアップ協会やオープンイノベーションを推進する多様な事業者、実際に本領域で事業化している社会起業家、VCが集い、「社会的インパクト」と「経済的リターン」の両立を目指す企業のエコシステムについて多様な視点で議論する予定だ。
社会課題解決型の起業にフォーカスした支援プログラム
世界や日本に山積するさまざまな社会課題に向き合い、事業を通じて解決を目指すインパクトスタートアップ。近年、世界的にその成長性が注目され、存在感を高めている。しかし社会的インパクトと経済的リターンを両立し、スタートアップとして「持続可能な成長」をすることは容易ではなく、価値を理解し支援するステークホルダーの存在も求められている。
そこで「TOKYO Co-cial IMPACT」は起業支援の一つとして、ナレッジやリソースを提供し、協力機関との出会いの創出を図る「スタジオプログラム」を実施。スタートアップとして社会課題を解決したい方の思いをビジネスとして形にするサポートを提供している。
来る3月19日、プログラムに採択された以下の5名が、約5ヶ月間でブラッシュアップを重ねた事業アイデアなどの成果を発表する。
1. 飯塚秀幸 【社名:ANIMANECT】(サービス名:ANIMANECT)
2. 小室拓巳 【社名:ZOYO(予定)】(サービス名:ポチキフ )
3. 佐々木蓮 【社名:ドットファイブ(予定)】(サービス名 Trip Doctor)
4. 那珂慎二 【社名:signers】(サービス名:未定(候補:補聴グラス、オンデマンド手話通訳、オンライン字幕配信システム))
5. 溝口美宝 【社名:PALLIT(予定)】(サービス名:AdCare)
※登壇者数は変更になる可能性があります。
さらに当日は、「TOKYO Co-cial IMPACT」によるセミナー・ワークショップ等に協力したZebras and Company(ゼブラ・アンド・カンパニー)やインパクトスタートアップ協会、ガイアックスら複数企業・団体から関係者が登壇し、パネルディスカッションが行われる。イベントの最後にはネットワーキングの時間も設けられている。スタートアップや投資家、自治体、支援機関など、多様なセクターから議論を交わす本イベントは、インパクトスタートアップなどを取り巻く環境に加え、インパクトエコノミーの持続可能な成長について考えを深める良い機会にもなるだろう。
▼イベントの詳細・参加申込はこちら
https://tokyo-co-cial-impact.metro.tokyo.lg.jp/event-demoday/
【イベント概要】
開催日時:2025年3月19日(水) 13時00分~18時00分(予定)
会場: NEXs Tokyo(東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル4階)
参加費: 無料
参加者・対象者: 社会課題解決に取り組む企業に関心を持つ方々
起業家、スタートアップとの共創に関心のある大企業、VC、CVC、自治体等
定員: 100名程度 ※申込が定員に達し次第、募集を終了いたします。(オンライン:定員なし)
主催: 東京都
お問い合わせ:TOKYO Co-cial IMPACT 運営事務局
メールアドレス:tokyo_co-cial_impact@tohmatsu.co.jp
電話番号:03-6860-1886
【イベントプログラム】
・パネルディスカッション①
「「社会的インパクト」と「経済的リターン」の両立を目指す企業の生態系」
阿座上陽平(Zebras and Company)、小池克典(インパクトスタートアップ協会)、佐々木喜徳(スタートアップスタジオ協会)、藤本あゆみ(スタートアップエコシステム協会)※モデレーター
・パネルディスカッション②
「介護領域の社会起業家で見る、社会性と経済性の両立する事業の立ち上げ方」
宇井 吉美(aba)、大久保亮(Rehab for JAPAN)、細川寛将(イチロウ)、河合将樹(UNERI)※モデレーター
・スタジオプログラム採択者による成果報告
「社会的インパクト」と「経済的リターン」が両立する企業の創業を目指す採択者(5名程度)が、スタートアップスタジオ型の伴走支援による成果を発表します。
・ネットワーキング
【登壇者プロフィール】
◆パネルディスカッション①
阿座上 陽平◎株式会社Zebras and Company 共同創業者/代表取締役、ユートピアアグリカルチャー プロデューサー、ブラックスターレーベル 理事
早稲田大学商学部卒。メディア企業、デジタルエージェンシー、スタートアップなど事業の立ち上げや成長に貢献。社会課題の解決と自立的経営の両立を目指す「ゼブラ」の考えに共鳴し、田淵・陶山と共に2021年にZebras and Companyを創業。マーケティング、ブランディング、ストーリーテリングを用いてゼブラ企業の共感者を増やし事業成長に伴走している。また、同2021年から、スタートアップ企業所属時より事業を共に作ってきた長沼真太郎の再チャレンジに際しユートピアアグリカルチャーなどの事業プロデュースを行う。 2023年、解決困難な社会課題を映画の力で対話を促す映画レーベル BLACK STAR LABELを立ち上げる。Zebras and Companyでは2024年12月「ファイナンスをめぐる冒険」を監訳。
小池 克典◎一般社団法人インパクトスタートアップ協会 事務局長
大学卒業後、就職活動をせずバーテンダーとしてキャリアをスタート、その後昼職に変遷しメガベンチャーで14年勤務。いち法人営業からスタートし、営業部門長や営業部門の設立。SLUSH ASIAの立上げをきっかけにスタートアップ領域に。イントレプレナーとして新規事業立上げ、子会社の創業、出資担当を経験。2023年に心臓の大病が発覚し手術・療養・復活を機に独立。現在はPopUp Agency「Squad」を創業し複数のスタートアップPJを支援。主な立場としてインパクトスタートアップ協会の事務局長としてエコシステムの構築に従事。
佐々木善徳◎一般社団法人スタートアップスタジオ協会 共同代表理事、株式会社ガイアックス 執行役・スタートアップ事業部責任者
組み込み系ベンチャーやC向けインターネット関連業務の経験を活かし、フリーランスエンジニアとして独立。 その後、フィールドエンジニアリング会社の役員経て2007年にガイアックスに参画。スタートアップスタジオ責任者として起業家への事業開発支援や投資判断を担当。スタートアップスタジオ協会を立ち上げ、スタートアップ挑戦者の裾野を広げる社会活動に取り組んでいる。
藤本 あゆみ◎一般社団法人スタートアップエコシステム協会 代表理事、A.T. カーニー株式会社 アソシエイテッドスペシャリストアドバイザー
大学卒業後、キャリアデザインセンター、グーグルにて法人営業に従事。2016年にat Will Workを設立。その後、お金のデザインでPR・マーケティングにキャリアチェンジし、Plug and Play JapanでCMOとしてマーケティングとPRを統括。2022年にスタートアップエコシステム協会を設立し、代表理事に就任。2024年11月よりA.T. カーニーのアソシエイトスペシャリストアドバイザーを務める。現在は、東京都スタートアップ戦略フェロー、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使、内閣府規制改革推進会議スタートアップ・DX・GXワーキンググループ専門委員などを務める。
◆パネルディスカッション②
宇井吉美◎株式会社aba 代表取締役CEO
中学時代、祖母がうつ病となった経験から、「介護の負担を減らしたい」とロボット開発者の道を志し、千葉工業大学在学中にabaを設立。実習先の介護施設で「おむつを開けずに中が見たい」という願いに出会い、便や尿のにおいを検知する排泄センサー「ヘルプパッド(Helppad)」を開発・製品化。おむつ交換タイミングの最適化や排泄情報の蓄積/解析/活用によって介護する人・される人双方の負担軽減を目指している。
大久保亮◎株式会社Rehab for JAPAN代表取締役社長 CEO
リハビリ養成校を卒業後、通所介護事務所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護にかかわるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月当社を創業。作業療法士。一般社団法人 日本デイサービス協会 理事。

細川寛将◎イチロウ株式会社 執行役員
2009年大学卒業後作業療法士として回復期病棟にてリハビリテーション業務に従事。大学院を経て2012年に株式会社メディカルエージェンシーを創業(取締役/リハビリメディアPOST副編集長)、2016年より医療法人陽明会にて緩和ケア住宅(ホスピス型)の立ち上げを行い施設長、在宅医療連携部部長を歴任。2020年より株式会社エスエムエスにてセールス統括部 事業所長を経て2023年より現職。作業療法士/保健学修士。
河合 将樹◎株式会社UNERI 代表取締役CEO、一般社団法人IMPACT SHIFT代表理事
イギリス留学、ETIC.で学生起業家向けプログラムの運営を経て、2020年に株式会社UNERIを創業。社会起業家育成や約460件の共創事例、約4億円の資金調達支援などを通して、東海地域スタートアップエコシステムの基盤をつくる。2022年にSIIFのインパクト投資ファンドで投資業務に従事。2024年には業界最大規模イベント「IMPACT SHIFT」を開催した後、一般社団法人IMPACT SHIFTの代表理事に就任。金融庁主催「インパクトコンソーシアム」の地域・実践分科会ディスカッションメンバー。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024選出。
▼イベントの詳細・参加申込はこちら
https://tokyo-co-cial-impact.metro.tokyo.lg.jp/event-demoday/