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2025.02.27 11:00

スポーツ観戦施設はエンターテインメントの場へと進化する。三井デザインテックが手がける「クロスオーバーデザイン」とは

オフィスや住宅、ホテルのデザイン・設計・施工で実績を重ねてきた三井デザインテックは、近年スポーツ観戦施設も手がけている。2024年に竣工した千葉県船橋市のLaLa arena TOKYO-BAYで同社が目指したのは「エンターテインメントとしてのスポーツ観戦」の実現だ。スポーツファンもそうでない人も楽しめる空間づくりに挑んだプロジェクトチームの狙いとは。


2023年秋、アメリカ・ロサンゼルスの都市サクラメント。農業が盛んな地域でもあるこの地で行われたバスケットボールチーム・サクラメント・キングスの試合は高揚感と熱気に包まれていた。選手は入場する際に、壁に取り付けられた「カウベル」という牛飼いが使用するベルにハイタッチし、その音が場内に鳴り響く。観客はカウベルの音が出るスマホアプリを使用して応援する。その土地のシンボルともいえる音を合図にすることで、観客の愛着や地元愛の気持ちも育まれる。その光景を目にした三井デザインテックのプロジェクトチームの面々は、日本とアメリカのスポーツ文化の違いを改めて肌で感じた。

ホテルデザイン事業部長の大川貴史は、日本とアメリカのスポーツ文化の違いを次のように語る。

「アメリカのスポーツ観戦施設は観戦の場から、熱心なスポーツファンに限らず誰もが楽しめるエンターテインメントの場へと進化しています。今やスポーツを観戦するだけなら、TVやインターネットの中継でも十分に臨場感がある。スタジアムやアリーナといったスポーツ試合の現地へ足を運んでもらうためには、そこでしか味わえない『特別な観戦体験』が大切なのだと感じましたね」
大川貴史 ホテルデザイン事業部長

大川貴史 ホテルデザイン事業部長

アメリカでの視察経験を経て、大川率いる事業部のプロジェクトチームが手がけたのが、千葉県船橋市にあるLaLa arena TOKYO-BAYのVIPエリアのデザインと施工だ。同アリーナは地上4階建てで、収容人数は約11,000人。千葉を代表するバスケットボールチームのホームアリーナであり、スポーツの試合以外にも音楽ライブなどにも利用される。

ストリーム(気流)の勢いを感じられる空間づくり

三井デザインテックが提案したアリーナのコンセプトは「長く愛されるアリーナへ」。長く愛されるということは、世代を超えてファンを増やし続けるということ。そのためには観戦の楽しさだけでなく、現地に遊びに行くことで日常とは違う空間で過ごす価値を提供する場であることが欠かせないと考え、デザインのコンセプトは「愛着、驚き、ウェルネス」とした。その意図をクリエイティブデザインセンター長の堀内健人は語る。

「利用した方々が新しい体験や感動をしたり、新たなコミュニケーションが生まれたりすることでこのアリーナに『愛着』を持てるようにしたいと考えました。スポーツや音楽など様々なイベントで非日常の体験ができる場であることによって『驚き』が起こり、快適に楽しむなかで新たな関係や心地よい空気が生まれ、心と体の『ウェルネス』を実現します」(堀内)
堀内健人 クリエイティブデザインセンター長

堀内健人 クリエイティブデザインセンター長

三井デザインテックが手がけたのはアリーナを間にして南北に分かれた二つのVIPエリアだ。北側はスポンサー企業を中心に接待にも使用できる上質感や落ち着いた雰囲気のあるVIPエリア。
南側はバスケットボールが好きなスポーツファンが楽しむカジュアルな雰囲気のVIPエリアとなっている。

プロジェクトには堀内を含めて三人のデザイナーが参加した。複数のメンバーで特色の異なる二つのエリアをデザインする上で「ストリーム」というデザインキーワードを定めた。ジェット機をモチーフにしたアリーナであることから着想を得た、気流を意味する言葉だ。

「ストリームはスピードや疾走などを感じられる抽象度の高い言葉です。バスケットボールの試合で人やボールが動く軌跡や、臨場感もストリームだと捉えました。デザイナーが互いにアイデアを持ち寄るときには、『ストリームを感じられるか』を判断材料にしたんです。どのエリアにもストリームをちりばめて、このアリーナらしい風を感じられる場にしたいと考えました」

そう話すのはチーフデザイナーの一人である梅岡佐知子だ。その言葉の通り、アリーナの随所にストリーム感のあるデザインや趣向を見つけることができる。

VIPエリアのエントランスからエレベーターホールへと向かう通路には光のラインが並び、柔らかに弧を描くボールの軌道が表現されている。さらに通路にはバスケットボールチームの歴史を表す品々が収納されたギャラリーも設置。VIPエリアでしか見られない演出があるという特別感や憧れを持たれるエリアにすることを意識した。この演出には、入社当時から「いつかスポーツ観戦施設のデザインをしたい」と願い続けてきた、コアなスポーツファンである梅岡の視点が生きている。
梅岡佐知子 チーフデザイナー

梅岡佐知子 チーフデザイナー

「アメリカの視察やリサーチを通じて実感したことのひとつが、VIPエリアのアリーナの収益に占める重要度。日本にはまだ根づいていないVIP文化を生み出せる空間づくりを心がけました」

VIPエリアのラウンジに吊り下がる照明はバスケットボールを模し、VIPルームのルームナンバー表示にはバスケットボールと同素材の革があしらわれる。こうした大人の遊び心をくすぐるアクセントが非日常空間を演出する。
左/VIPラウンジの照明はバスケットボール風にデザイン 右/VIPルームはカラーが変わるネオンに縁どられ、スポーティーなラグジュアリーを演出

左/VIPラウンジの照明はバスケットボール風にデザイン 右/VIPルームはカラーが変わるネオンに縁どられ、スポーティーなラグジュアリーを演出

異なる感性が交ざり合い、新たなファンとコアなファン双方が楽しめる場を実現

梅岡とは対照的に、もう一人のチーフデザイナーである李スイテイは「ふだんスポーツを観に行く機会はあまりない」と語る。コアなスポーツファンではないからこそ、自分と同じようなターゲットがアリーナに遊びに来たときにも楽しめる空間にすることを意識した。
李スイテイ チーフデザイナー

李スイテイ チーフデザイナー

「カジュアルな雰囲気のVIPエリアは全体的にストリートカルチャーをイメージし、コンコース『BOOSTER SQUARE』には、バスケットコートのラインを実物と同じサイズで描きました。スポーツに詳しくない人はバスケットコートの大きさがわかりません。初めてバスケットの試合を観に来た人がコートの距離感を知ることで、もっと試合を楽しめるのではと考えました」(李)

こうした李の狙いは的中し、コンコースと同様にスリーポイントラインが実物サイズで描かれているVIP BOXも人気がある。そして、もっとも広い空間をもつバルコニーと呼ばれる空間には、「ストリーム」をイメージし、額からはみ出るほどの勢いで描かれたスプレーアートが飾られている。

「スポーツファンの梅岡と、スポーツにあまり関心が高くなかった李の二人の異なる感性が混ざったからこそ、新たなファンが生まれ、コアなファンにも喜んでもらえる場になった」と堀内は語る。

また、三井デザインテックはオフィス・ホテル・住宅などのデザイン・施工で多くの実績があり、その質の高さに定評がある。梅岡と李もオフィスやホテルのデザイン経験は豊富だ。その経験がVIPエリアのデザインに生かされている。

「これまで我々が培ってきたオフィスやホテル、住宅のデザインノウハウは、スポーツ観戦施設にも活用できる点がたくさんあります。VIPエリアのエントランスでの期待感の演出はホテルのアプローチデザインにも通じますし、VIPルームは住宅の居心地の良さ、ホテルのようなラグジュアリー感も表現できる。これまでのデザインの実績をクロスオーバーして、スポーツ観戦施設の新しいデザインを生み出していきたい」(堀内)
左/VIP BOXの一部の部屋には原寸大のコートラインをデザイン 右/バルコニーに飾られたスプレーアート

左/VIP BOXの一部の部屋には原寸大のコートラインをデザイン 右/バルコニーに飾られたスプレーアート

スポーツ観戦施設のデザインを通じて、地域の活性化に貢献する

今回のプロジェクトは二人のチーフデザイナーにとっても得がたい経験となった。李はスポーツ観戦施設とオフィス空間のデザインの違いについて、次のように語る。

「オフィスのデザインを手がけた場合、私たちはその場を再び訪れることはあまりできません。しかし、スポーツ観戦施設はいつでもここに来て、観客が楽しんでいる様子を目の当たりにすることができる。今回のプロジェクトで、実際にデザインした空間を体験することの重要性を感じました」

梅岡は「スポーツの力を改めて感じた」と語る。

「スポーツ観戦施設から街を活性化させるような体験や設計ができたことで、より俯瞰した視点でデザインができるようになりました。仕掛けをつくって観た方をワクワクさせ、感動してもらえるようなデザインを手がけていきたいです」

三井デザインテックは、LaLa arenaだけでなく2022年には東京ドームのリニューアルにも携わっている。2024年には、ホテル空間でのホスピタリティのノウハウを生かし、スポーツ観戦施設を含めた空間に特化した部署を新たに組成した。

「大事にしたいのは、自分たちの手がけた空間でどんな関係性を生み出せるか。その場に集う方々を幸せにして、地域の活性化に貢献できる空間をデザインすることに注力していきます」(堀内)

スポーツ観戦施設のデザインを手がけることは、三井デザインテックの目指す未来に大きな意味を持つ、と大川は語る。

「アリーナができることで、周辺の商業施設が活性化し、ホテルなども建設されて街が生まれ変わっていく。アメリカでは、スポーツ観戦施設の建設が地域の活性化につながっている事例が多くあります。日本にも同様の流れが生まれている今、スポーツ観戦施設をデザインすることは、社会課題の解決にもつながる。それこそが私たちが本気で取り組む意義だと考えています」

三井デザインテック
https://www.mitsui-designtec.co.jp/

Promoted by 三井デザインテック | Text by Kana Kubo | Photographs by Shunichi Oda | Edited by Masako Kihara