アシックス商事が手がける「アシックスウォーキング」のビジネスシューズに新たなラインナップが加わった。新シリーズ「GEL-Biz」に込められた、ものづくりへのこだわりを探っていく。
アシックスが初めてレザーシューズを手がけたのは1983年。誕生のきっかけは創業者である鬼塚喜八郎(以下、鬼塚)による発想からだった。1976年、国際的なスポーツ大会の開会式で、入場行進をする出場選手たちの様子を観客席から見守っていた鬼塚は、ブレザー姿でトレーニングシューズを履いている日本選手団の姿を目にし、「ブレザーに合う靴をつくりたい」と思い立つ。
その日からアシックスは長い年月をかけ、オイル調の革を使ったアウトドアテイストなデザインのウォーキングシューズ「PEDALA」(ペダラ)を発売した。
見た目からは想像できないしなやかな履き心地
「PEDALA」を生み出した先人たちの思いと技術は、アシックス商事が手がける「アシックスウォーキング」のビジネスシューズへと受け継がれ、時代と共に進化。デザイン性と履き心地を追求し、職人技と最先端の技術を搭載したレザーシューズとして、その良さを知るファンに愛用されている。そして2025年春に登場したのが、新シリーズとなる「GEL-Biz」だ。
一見、オーソドックスなレザーシューズだが、足を入れるとその履きやすさに驚かされる。一歩目の蹴り出しやすさや着地の際の足にかかる衝撃の少なさは、まるでランニングシューズを履いているかのよう。
「履き心地の良さは、シリーズ名にある通り、GELテクノロジーによるものです。ソールの外側にはゴムを使用し、その内部に“fuzeGEL”という発泡させたGEL素材を採用。見た目は一般的なゴムソールですが、内部に搭載した“fuzeGEL”がクッション性を高めています」
こう語るのは「GEL-Biz」の設計を担当したライフスタイルウォーキング企画チームの黒田大翔(以下、黒田)。GELテクノロジーとは、主にアシックスのランニングシューズに用いられている技術のひとつ。アシックスが独自のGELテクノロジーの開発に乗り出したのは1984年。その後、ミッドソールにGELを搭載したスポーツシューズが販売され、世界中のランナーから絶大な支持を集めた。現在でもGELテクノロジーは進化を続けており、その技術はアシックスの代名詞となっている。

これまでもGELテクノロジーを採用したビジネスシューズは存在するが、使用箇所はヒール部分などに限られていた。だが「GEL-Biz」ではヒールだけでなく、ソール全面に“fuzeGEL”を搭載。これまでになかったような、しなやかな履き心地を実現している。
職人の知見とスポーツテックの融合
優しくフィットする上質な履き心地と洗練された美しいフォルム。それらはすべて「ラスト」と呼ばれる靴型から生み出される。ラストは見た目の美しさはもちろん、足を入れたときの感触、甲やつま先の当たり具合など、靴を製作するうえで核となる役割を担っている。
アシックス商事では、3年ほど前まですべて職人による手作業でラストを製作していた。コロナ禍により工房での作業環境が一新され、現在は3Dプリンターで製作されているが、職人が目指すラストが完成するまで試行錯誤が繰り返される。「GEL-Biz」のラスト製作を担当するのは、海外生産本部 技術部 技術チームの倉本尚幸(以下、倉本)。


「『GEL-Biz』は『AUTHENTIC』(オーセンティック)と『RUGGED GTX』(ラギッドジーティーエックス)の2つのデザインを展開しています。特に『AUTHENTIC』では、甲の部分からつま先に向かうまでの間に、一度線が沈み込むような抑揚が印象的なデザインになっています。ラストをつくるうえで最も意識したのが、こうした抑揚をいかになめらかで、自然な曲線に仕上げるか。あらゆる検証を重ねて製作していきました」(倉本)

一方、デザイナーの黒田は、革靴で初めて導入される発泡させた“fuzeGEL”のソール設計に苦戦したと話す。
「GEL素材のパーツを薄くすれば、衝撃緩衝性に優れた機能性が薄れてしまう。素材の強みを生かしながら革靴としての見た目の美しさをキープするためのベストな構造にたどり着くまでには、何度も試作を繰り返しました。自信をもって市場に出せるようになるまでには、1年半ほど要したと思います」(黒田)
「GEL-Biz」のソール構造を見ると、緻密な設計がされていることがわかる。パーツがこれほどまでに複数に分かれている革靴はほかにはないと黒田は言う。
アシックス商事では、試作品が出来上がると社員数人が実際に足を入れ、履き心地を確認。そこで得られた意見をもとに何度も調整を加えていくという。結果、「GEL-Biz」のソールは、“fuzeGEL”を搭載した2枚のパーツとそれを覆うラバー、靴底には足の動きにフィットするように3つに分けたラバーパーツを採用。ランニングシューズにも用いられている素材「HARD E.V.A.」も搭載し、安定性を強化した。
0.1㎜単位の調整を施しながら、エレガントな見た目と快適性が両立するデザインが完成。こだわり抜いた「GEL-Biz」の履き心地は、クッション性能の高さを追求しており、一般的なハイスペックスニーカーと比較しても遜色ないだろう。
「GEL-Biz」に限らず、アシックス商事が展開するシューズはすべて各工程のプロフェッショナルがバトンをつなぎ、完成への道のりをたどる。デザインと設計、ラスト製作、そして靴の表面で使用する素材へのこだわりも徹底しており、専用機材を用いて耐久性を管理。人の手と最先端のスポーツテックを融合させることで、唯一無二の品質を生み出している。

ディテールに宿るものづくりへのこだわり

新しい時代やスタイルをつくっていく次世代のビジネスパーソンに向けて開発された「GEL-Biz」シリーズ。スポーツテクノロジーと革靴としての普遍性が融合した“走れるビジネスシューズ”は、レザーシューズであることを忘れるほどの快適な履き心地を実現している。アシックス商事が展開してきたビジネスシューズのフラッグシップ「RUNWALK」シリーズと比べると、若い世代でも手が届く価格帯が魅力のひとつでもある。
「GEL-Biz」のコレクションは、オーソドックスなビジネスシューズのデザインを採用した「AUTHENTIC」と、オンオフどちらでもスタイリング可能な「RUGGED GTX」の2タイプで構成されている。「AUTHENTIC」は、ストレートチップとプレーントゥをラインナップ。いずれも秀逸なデザインで、特に足の甲からトゥにかけてのシルエットの美しさが際立つ一足となっている。
仕上がりの良さはアッパーに当たる光を見れば一目瞭然。なめらかな曲線上に歪みのないハイライトが入るのは、靴の仕上がりを左右するラストの精度が高いからこそ。製作担当である倉本のこだわりは、こうした美観からも感じることができる。
カラーはブラックとコーヒーの2色展開。温かみやリラックス感を出したいならコーヒーをセレクトすると良さそうだ。


プレーントゥ、Uチップがラインナップされている「RUGGED GTX」は、ボリューム感をもたせたシルエットとなっている。「AUTHENTIC」に比べるとカジュアルな雰囲気だが、程よいソールの重厚感で、スーツに合わせても違和感のない上品さを兼ね備えている。内張りには防水性と透湿性を備えたGORE-TEXファブリクスを採用。雨の日でも軽快な履き心地が楽しめる。
生き方や働き方が多様化する現代。ビジネスシーンでも個人に合ったスタイルを取り入れる人が増えている。伝統的なデザインを取り入れながらモダンな印象を与える「GEL-Biz」シリーズは、美観に優れ、履き心地も快適。「GEL-Biz」は、今を生きるビジネスパーソンにマッチしたアイテムと言えるだろう。

フォーマルシーンで使える定番デザイン GEL-Biz「AUTHENTIC」




「AUTHENTIC」コレクションでは、フォーマルシーンに適したストレートチップと、日常的なビジネスシーンでも使いやすいプレーントゥを用意。つま先や甲に一切の装飾が施されていないシンプルなプレーントゥは、シンプルなデザインでカジュアルスタイルとも好相性。一足でコーディネートの幅を広げてくれる優れモノだ。
シーンを選ばず使えるオールウエザー対応 GEL-Biz「RUGGED GTX」




「RUGGED GTX」は、ボリューム感のある丸みを帯びたつま先が印象的なプレーントゥと、つま先が「U」の字に縫い込まれたUチップをラインナップ。いずれもスムースレザーと、耐久性が高いシボレザーの2種類。シボレザーはスタイリングの程よいアクセントとなるため、より個性を引き出したいシーンに最適。すべてのモデルにGORE-TEXファブリクスが採用。
アシックスウォーキング
https://walking.asics.com/
Forbes JAPAN × OCEANS
このプロモーションは、30〜40代男性をターゲットにしたライフスタイル誌『オーシャンズ』との連動企画。ビジネスとカジュアル、どちらのシーンでも上質な足元を演出するアシックス商事「GEL-Biz」の魅力を深掘りするなら、こちらからアクセスを。