Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2025.01.24 20:00

東急不動産×テレビ朝日トップ対談 スタートアップがつくる日本の未来

デベロッパーとマスメディアという異業種でありながら、それぞれのリソースを生かしたスタートアップ支援を行う東急不動産とテレビ朝日。 2社のトップである東急不動産代表取締役社長・星野浩明とテレビ朝日ホールディングス代表取締役社長・篠塚浩が経済活性化への展望を語り合う。


Forbes JAPANがメディアパートナーを務める「FUTURE TALENT STUDIO」(以下、FTS)。未来をつくる革新的な事業や起業家を生み出すために、テレビ朝日×電通によって立ち上げられたビジネスプラットフォームだが、ここに事業パートナーとして参加するのが東急不動産だ。同社は2025年1月にディープテック・スタートアップの成長を支援するコミュニティ拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」の開業を控えており、スタートアップ支援に力を入れている。デベロッパーやメディアが一緒になってスタートアップを盛り上げることの意義と、その先にある未来について2社のトップに話を聞いた。

──総合不動産会社とマスメディア、それぞれの事業がもつ責務とスタートアップ支援の意義をどうお考えですか。

篠塚浩(以下、篠塚):放送事業者には、公共的な役割を果たす責務があります。新しい価値を生み出すスタートアップに注目し、積極的に支援していくことは、将来の日本経済の活性化にもつながることであり、メディアとしての大事な責務だと考えています。

一方で、私企業として持続的な成長も必須であり、放送広告市場の縮小が指摘されるなか、新たな成長の“糧”を見つけていく必要もあります。メディアとして初の取り組みである、スタートアップ支援プラットフォーム「FTS」では、新規事業開発や起業をサポートするプログラムの企画、情報発信などを行っています。スタートアップとアライアンスを組むことで、メディアがもつリーチ力や番組制作力から生まれるクリエイティビティなどの強みに新たな価値や可能性が見いだされ、新規事業の種が生まれるのではないかと期待しています。

そしてまたある意味では、この「FTS」自体も我々にとってはコンテンツ制作力を生かした新しい試み、新規事業でもあるわけです。「支援する」という立ち位置だけでなく、自らがコンテンツ企業としてさらに成長するための、新たなトライとなればと考えています。

星野浩明(以下、星野):東急不動産は商業施設やオフィスビル、住宅などの不動産開発以外にも、リゾート施設の運営、再生可能エネルギー事業など幅広く展開しています。当社も本社を置く渋谷では、渋谷駅を中心とした半径約2.5㎞圏内を「広域渋谷圏」と定義しており、東急グループ一丸となって、働く・遊ぶ・暮らすが融合した「渋谷型都市ライフ」の実現を目指しています。00年前後、渋谷にはITベンチャーを中心に多くのスタートアップが拠点を構え、人の活力がこの街に引き寄せられるように集まっていました。しかしそのころの渋谷のオフィスは、フロアの床面積が小さく、企業が成長すると、手狭に感じてほかの街に流出していました。

100年に一度といわれる渋谷駅周辺の大規模再開発は、このような課題を解消する取り組みであり、スタートアップが集まる街だけでなく、かつて渋谷で成長した企業も再びこの街を好んで戻ってきてくれるようにもなりました。23年に竣工したShibuya Sakura Stageも、オフィス契約テナントの約80%が、IT企業やゲームなどのエンターテインメント系企業で占めています。

世界でも認知度の高い「SHIBUYA」について、我々は「国際競争力」を高めることを目指しています。そのためにはスタートアップが渋谷に次々と集積・成長し、それが循環していくことが必要だと考えています。

東急不動産

東急不動産 代表取締役社長・星野浩明


篠塚:渋谷に来ると、その街の変化にはいつも驚かされますね。具体的には、どのような支援のかたちを取られているのですか。

星野:支援のあり方には、場所の提供、資金の支援、事業共創の機会提供の3つの柱があります。場所は、渋谷の国道246号沿いに、VCとスタートアップの共創を生むコワーキングスペース「GUILD(ギルド)」があるほか、16年からシリコンバレーに拠点を置くPlug and Play日本支社を誘致し、彼らが提供するアクセラレーションプログラムにはこれまで延べ900社が参加しています。

資金の支援では、東急不動産ホールディングスのグループで50億円のCVCファンドを組成しており、スタートアップ支援の規模を今後も拡大していく予定です。事業共創に向けては、25年1月にShibuya Sakura Stage内でグローバルなコミュニティ拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(サクラ ディープ テック シブヤ)」を開業します。「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(サクラ ディープテック シブヤ)」を開業します。そこでは、エネルギー、素材、AIといった高度な技術領域であるディープテック分野のスタートアップの成長を支援します。「渋谷の地から、世界で戦えるスタートアップ」を生み出していきたいと考えているんです。

Sakura Deeptech Shibuyaのパース/説明文が入ります

2024年1月に開業したSAKURA DEEPTECH SHIBUYA

また、スタートアップ支援の取り組みという切り口だけではなく、昨年10月に環境と食を重視した「フォレストゲート代官山」、今年4月にクリエイティビティを発揮できる商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」が開業し、来年2月にはアーバンスポーツに挑戦できるウェルビーイング施設「代々木公園Park-PFI計画」も供用開始を予定しています。スタートアップ支援も広域渋谷圏の魅力底上げのために、施設開発だけではなく、ソフト施策の実装として推進していきたいと考えています。

リアルな場を渋谷の至る所に

──スタートアップ支援を取り巻く環境はどのように変化してきたと感じていますか。

星野:渋谷から生まれたベンチャー企業の代表的な存在に、GMOインターネットグループやサイバーエージェントがあります。GMOが東証プライムに上場してからもう20年たっており、いまや「大企業」として日本社会をけん引する存在でしょう。そんな姿をひとつのモデルとして、渋谷で事業を立ち上げようというスタートアップ企業が集まり、人が集まってくる。渋谷の街から生まれたひとつの成功のかたちが、次の成功につながっていくことは、とてもうれしいですね。

篠塚:私も報道記者だった90年代末、東京証券取引所の担当記者をしていたのですが、99年末に東証マザーズが開設されたこともあり、当時は本当に数多くのITベンチャーが立ち上がった時期で、そしてまさにその中心地が、ここ渋谷だったことをよく覚えています。東急不動産さんが中心となってそのリアルな「場」を創出され、そこにやがて次の新しい波が生まれていく、という循環は素晴らしいですね。同じ90年代末にシリコンバレーを取材したこともあるのですが、起業家がベンチャーキャピタルに自らの事業モデルを熱くプレゼンする場所として有名なカフェがあって、早朝から活気に満ちあふれていました。あれから30年近くたち、バーチャルな世界は広がっていますが、そうしたリアルな営みはむしろ大事になってきているんじゃないかと感じています。

FTSと連動した弊社の番組「BooSTAR」(月1回/日曜10:00~放送)に登場していただいた、TeaRoom代表の岩本涼さんは、「渋谷に行きつけのスナックがある」とおっしゃっていました。スタートアップ企業の経営者が集まっている場所で、行くと誰かしらとの出会いがあるんだ、と。新しい物事を生み出すときに、リアルな場が大事とはまさにこういうことで、これからも人と人のインタラクションが渋谷の至る所で行われていくのだろうと思っています。

テレビ朝日ホールディングス 代表取締役社長・篠塚浩

テレビ朝日ホールディングス 代表取締役社長・篠塚浩


──スタートアップ支援を通じてどんな未来を、日本社会全体にもたらしていきたいとお考えですか。

星野:渋谷区長の長谷部健さんは、世界を代表する都市は「ロンドン・パリ・ニューヨーク・東京」ではなくて、「ロンドン・パリ・ニューヨーク・渋谷」にしていきたいとおっしゃっています。実際に、世界中から“SHIBUYA”を目指して観光客の方が来てくださっていて、その通りになりつつある。スタートアップ企業の多さに加え、事業の幅にも厚みをもたせ、人が人を呼ぶ街にしていきたいです。スタートアップを後押しすることで、日本の発想力、技術力の向上に貢献していこうと思います。

篠塚:私たちはバブルの時代から失われた30年を経験して、日本社会が低迷していく過程を見てきました。今一度、ここから前に進んでいくために、「社会を変えていこう」という若い方々のエネルギーは欠かすことができません。スタートアップはまさにそうした若い力による新しい動きや営みであり、その姿を正しく伝え、多くの人に知ってもらうことで、そのエネルギーをより大きなものへと変えていく。それがメディアである私たちの大事な責務だと思います。「FTS」がその一助となれればうれしいですね。


FUTURE TALENT STUDIO
https://future-talent-studio.com/

東急不動産によるスタートアップ支援の場「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」

ディープテック領域は研究・開発に長い時間を要するうえに、多額な資金が必要なため投資回収に時間がかかることから、国内では事業化の難易度が高いとされてきた。そこに一石を投じるべく2025年1月に開業するのが、ディープテック・スタートアップの成長を支援するコミュニティ拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」だ。大規模複合施設Shibuya Sakura Stageのワンフロアに置かれる同拠点では、マサチューセッツ工科大学の教授陣をはじめ、国内外の産官学が連携し、クライメートテックやエネルギー、素材、AIといった、社会に大きな影響を与える可能性のある高度な技術領域の社会実装に取り組むディープテック・スタートアップを多角的に支援していく。FTS(テレビ朝日&電通)もこの拠点を活用し、新たな事業開発に取り組んでいく予定だ。


ほしの・ひろあき◎1965年、埼玉県生まれ。東急不動産 代表取締役社長。1989年慶応義塾大学卒業後、東急不動産に入社。2020年取締役常務執行役員、22年取締役専務執行役員、23年4月より現職。

しのづか・ひろし◎1962年、東京都生まれ。テレビ朝日ホールディングス(テレビ朝日HD)・テレビ朝日 代表取締役社長。1986年東京大学文学部卒業後、全国朝日放送(現・テレビ朝日)に入社。2022年6月より現職。

Promoted by FUTURE TALENT STUDIO | text by Rumi Tanaka | photographs by Shuji Goto | edited by Mao Takeda