風力発電装置の開発を行うチャレナジー、大成建設、三井不動産は共同で、超高層ビルの屋上での風力発電の実証実験を2025年4月から1年間実施する。実験の舞台は、高さ約150メートルの横浜三井ビルディング。風力発電によく使われるプロペラ式の発電機は、騒音や振動があり、設置には広い面積を必要とするなどの理由で、市街地やビルの屋上での使用は難しい。そこで採用されたのがサポニウス式と呼ばれる風車だ。
サボニウス式風車は、1920年代にフィンランドの技師シグルド・サボニウスが発明したものだ。垂直軸に取り付けられた円筒形のローターが回転する。プロペラ式と違ってどの方向から風が吹いても回る仕組みで、軽量小型で設置面積が小さくて済むという特徴がある。また、騒音や振動が少なく、鳥が巻き込まれる事故も減らせる。公園などに設置されているのを目にした人もいるだろう。チャレナジーも、「災害に強い次世代小型風車」としてサボニウス式風力発電装置を提供している。
この実験は、「風量や発電量などの取得データをさらなる技術発展に活かすとともに、設置時における課題・要件を明確化すること」を目的としている。ゆくゆくはこの技術開発を通じて、超高層ビルの屋上風力発電で市街地のZEB(省エネと創エネでエネルギー消費量が正味ゼロになる建物)の実現、災害時のBCP(事業継続計画)対応などに貢献するということだ。
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