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Opening Doors to Success for Innovators
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挑戦する人を支援する仕事に人生を賭けたい──イノベーションの好循環を生み出す3つの支援

2019年に創業し、社員は100%平成生まれという若い力が集結したソーシング・ブラザーズ。創業3年未満でSBIホールディングスとの資本業務提携が発表され、注目を集めた企業だ。大企業とスタートアップを結ぶ「イノベーション・エコシステム」の構築を目指す同社では、これまで新規事業立上げコンサル、金融商品仲介業、ファンド組成時の需要調査などさまざまな事業に挑戦してきたが、創業5年目に入り、事業の柱をCVC運営支援、スタートアップ採用支援、スタートアップM&A支援の3つにフォーカスしていくという。

創業当初は、「自分たちが新たなイノベーションを生み出す側になりたいと思っていた」と話す小澤は、「僕らは研究者でもなければものづくりの技術ももっていません。強みを生かせるのはやはり、前職のM&Aアドバイザリー業務で培った支援業務でした」と、その道のりを振り返る。

Sota Ozawa

Sota Ozawa

ソーシング・ブラザーズ代表取締役Co-Founder。大塚商会にて製造業向けDXコンサルティングを経験したのち、M&AキャピタルパートナーズにてM&Aアドバイザリーに従事。2019年にソーシング・ブラザーズを共同創業。

「なかでも注力したいと考えたのが、スタートアップへの支援でした。スタートアップは、社会課題の解決に向けてスピード重視で外部から人や資金を集めながら成長している。日本でもここ10年でスタートアップ投資額が10倍ほどに膨れ上がってはいるものの、アメリカや中国のように、年間40兆円規模のフィールドには到底及びません。挑戦しやすい日本社会をつくるためにはスタートアップへの資金と事業、人の支援が必要であり、それらすべてを支援できるイノベーションプラットフォームを構築する必要があると考えました」(渡邊)

イノベーションの歯車を動かすCVCの可能性

この思いの背景には、ふたりが出会ったM&A仲介会社でのもどかしさがある。後継者不足に悩む中小企業の事業承継を手がけるなかで、廃業や清算をM&Aによって防ぎ、次の世代にバトンタッチできている感覚はあった。しかし、日本に新たな価値を創出できている感覚はもてなかった。

「ミクロの視点では、経営者の人生のバトンタッチを手伝うという意義のある仕事でも、日本経済というマクロの視点では、成長に貢献しているとはいい難いように感じていました。GAFAや半導体企業が1代で世界を席巻しているなか、日本の新しいものを生み出しづらい社会のあり方が、この停滞した30年を生み出したのではないか——その流れを変えていきたくて、新しいものを生み出す人、挑戦する人を支援する仕事に人生を賭けたいと思いました」(小澤)

そうして絞り込んだのが、先の3つの事業だ。なかでも事業の「プライマリーフィールド」ととらえたのが、CVC運営だった。

「豊富なアセットや人材を有する大企業と一緒に共同で研究開発できれば、スタートアップの成長スピードは早くなる。大企業側としても、自社では人を割けず実現できない技術開発を、その分野に特化したスタートアップに投資して委ねることでイノベーションを生み、組織自体の成長や新規事業開発につなげることが可能です」(渡邊)

ソーシング・ブラザーズのCVC運営支援は、「コンサルティングサービス」として提供されている点も特徴的だ。従来のCVCでは、運営を手がける企業に50億~100億円といった資金を預けて進めていくケースも少なくない。スタートアップ投資に興味はあっても資金力がなければ手が出せず、結果としてCVCが広がりにくくなってしまっている現状があるという。

「CVCに挑戦できる企業が増えれば、結果として資金の供給量と事業アセットの開放が広がり、イノベーションの歯車が動き始めるでしょう」(渡邊)

Shotaro Watanabe

Shotaro Watanabe

ソーシング・ブラザーズ代表取締役Co-Founder。大和証券にて資産運用コンサルティング業務を経験したのち、M&キャピタルパートナーズにてM&Aアドバイザリーに従事。2019年にソーシング・ブラザーズを共同創業。

実際に手がけたCVC支援事例には、例えば創業100年以上の部品メーカーによる、農業用ロボット開発のスタートアップ投資がある。野菜の収穫ロボットに使う部品の精度に課題を抱えていたスタートアップを老舗部品メーカーに紹介したところ、「数カ月協業すれば、すぐに解決できる」と意気投合。このメーカーにとって、創業以来初のスタートアップ投資が決まったという。

「クローズドイノベーションで知られていなかった技術が社外に開放され、スタートアップの事業成長に転化されていく。イノベーションが生まれる瞬間に立ち会えました」(渡邊)

CVC運営支援の醍醐味には、大企業のマインド変革もあるという。企業側は、思ってもいなかった自社技術の活用方法を知ると同時に、起業家たちの熱量に触れ、刺激を受ける。1年もすると、CVC運営に懐疑的だった経営陣が前向きになる姿を幾度も見てきた。

「大企業の凝り固まった文化を、もみほぐすきっかけになりたい」と、渡邊は言う。

「日本をアップデートする」挑戦の循環を生み出す

ソーシング・ブラザーズでは、企業ごとにリサーチャーやキャピタリストを含む専属のチームを組成し、事業理解を徹底的に深めている。経営企画の戦略担当者から技術開発の担当者まで幅広く会話を重ね、どんなスタートアップとのマッチングが理想のイノベーションにつながるのかを提案していく。

さらに、同フロアにはスタートアップの採用支援を担うバリューアップ事業部がある。CVC運営チームは毎月数十社のスタートアップと新規面談を重ね、事業理解や実績、株主構成、向き合う社会課題について独自のデータベースを構築している。

「社内には、スタートアップ各社の情報に加え、2万人弱の求職者データベースがあります。スタートアップの資本政策、今後の投資計画などをもとに、具体的な将来の成長のあり方を求職者に伝えることができる。それが、ほかの人材紹介会社にはない強みだと思っています」(小澤)

CVC運営支援でお金をしっかり回し、採用支援で優秀な人材を確保してビジネスをスケールさせていく。そしてその先のゴールの選択肢としてソーシング・ブラザーズが見据えるのは、M&Aというエグジットのあり方だ。

「日本において、スタートアップのM&Aの成功事例はまだ限られています。IPOを否定するわけではありませんが、すべての会社にとって、IPOだけが最適解ではない。M&Aによって会社を売却することでシリアルアントレプレナー(連続起業家)が増え、得たお金で新たな起業にチャレンジする。そんな循環を起こして、イノベーションの数を増やしたいのです」(小澤)

ソーシング・ブラザーズの
イノベーションプラットフォーム

日本から強いスタートアップをつくり出すには、資金だけでも人だけでも足りない。3つの柱を同時に回すことが、本来のイノベーション・エコシステムを生み出すと渡邊は話す。

「僕ら自身も、いちスタートアップとして新たな挑戦を続けています。『日本をアップデートする』という壮大なビジョンを、リスクを取りながら追いかけていくことを楽しめる人、そんな仲間を今後も増やしていきたいですね」(渡邊)

挑戦者の好循環を生み出す支援プラットフォームとなる。この挑戦が、日本にどんなインパクトをもたらすだろうか。

ソーシング・ブラザーズ
https://sbro.co.jp/

Promoted by SOURCING BROTHERStext by Rumi Tanakaphotographs by Yoshinobu Bitoedited by Miki Chigira