3. ロボットは木の上まであなたを追いかけて来る
テスラのオートパイロット機能はいまだに人間の運転手が必要だが、マスクはロボットのナビゲーション能力には強い自信を持っている。スナクとの対談で出た彼の最も突飛な発言の1つは、人間をどこまでも追跡して捕らえることができるAIの能力に関するものだった。「私は、ヒト型ロボットの安全性には懸念を抱いている。自動運転車は、あなたを建物の中まで追跡したり、木の上まで追いかけることはできない。あなたは、階段を駆け上がって逃げることが可能だ」とマスクがいうと、聴衆から困惑したような笑いがあがった。
「しかし、ヒト型ロボットであれば、基本的にどこまででも追いかけてくることができる。だからこそ、私はインターネット経由ではアップデートできない、ハードワイヤードな遮断装置が必要だと考えている」とマスクは述べた。
4. ダウンジャケットを着たローマ法王は格好良かった
スナク首相はマスクに対し、米国と英国の次期選挙に果たすAIの役割について聞いたが、彼は本題から脱線した話を長々と続けた。「AIによるフェイクコンテンツの中には、ダウンジャケットを着たローマ法王の画像のようにおもしろいものがある」とマスクは述べ、スナク首相にその画像を見たことがあるか尋ねたが、首相は笑って受け流した。
「7月にダウンジャケットを着る確率を考えれば、フェイクであることはすぐわかるが、法王はとても颯爽として見えた。ファッション分野でのAI活用は現実になるだろう」とマスクは述べた。
5. デジタルな神の正体は「巨大なCSVファイル」
マスクとスナク首相は、AI規制の難しさや、AIが他の技術分野と異なる点などについて議論を交わした。そして、話題は大規模言語モデル（LLM）の本質にも及んだが、その内容は実に奇妙なものだった。マスクはAIモデルを「数十億ものパラメータを持つ巨大なデータファイル」と表現した。
「AIは、謎めいた数字から成る巨大なファイルであり、読むだけではAIが何をするか理解することはできない。突き詰めれば、AIはコンマ区切りのファイルなのだ。我々のデジタルな神の正体がCSVファイルだなんて」とマスクは述べた。
（forbes.com 原文）
