法律制定は「必要であり、役立つ」
それでも、ロイ=チャウダリはリスクがあることを認めている。「AIは非常に強力なテクノロジーです。おそらく、今日の私たちの世界を形成する最も力強いテクノロジーなのです。私たちには、この分野のリーダーとして、バイアスを拡大させず、リスクを増大させず、ユーザーを体験の中心に置いた安全かつ責任ある方法で、これをユーザーに提供する責任があります」「どんな強力なテクノロジーにも、多くのメリットがありますが、リスクもあります。だからこそ、リーダーとして、これらのテクノロジーを大規模に展開する方法について、非常に慎重かつ意図的に行うことが本当に重要だと思っています」
「このような重要な分野に対する法整備は必要であり、役に立つと思います」
「とはいえ、そうした法律とは関係なく、私たち指導者はその責任を重く受け止める必要があると思っています。もし私たちが正しいことをしているならば、私たちはすでに法律よりずっと先を行っていることになります。なので法律ができたとしても、そこには私たちがすでに知っていることが反映され、ビジネス慣習に取り入れているものがあるだけでしょう」
「私たちはリーダーとして、また業界として、責任ある意図的な前進を考えなければなりません。なぜなら、私たちはリーダーとして、そしてテクノロジーのユーザーとして、このテクノロジーの進む方向を決めることができるからです」
人間を置き換えるのではなく、補強してほしい
ロシアがウクライナに侵攻して以来、中断しているロシアとベラルーシでのGrammarlyの利用については、戦争が終わるまで再開の予定はない。「これは社員たちへの応援のサインなのです」と彼はいう。「極めて簡単な決断でした」結局のところ、ラフル・ロイ=チャウダリは、成功は外部要因ではなく、それらに直面したときにどのような決定を下すかによって決まると信じるリーダーだ。
「半年前は、『LLM』（large language model、大規模言語モデル）が何の略なのか、誰も知らなかったでしょう」と彼はいう。「過去12カ月間、私たちが文書によるコミュニケーションに費やす時間は18％増加しましたが、そのコミュニケーションの有効性は12％低下しています。つまり、より多く、より速く行うことは解決策ではないのです」
「このテクノロジーには、私たちの世界や生活を根底から覆し、私たち自身の能力を置き換えるような、あらかじめ与えられた権利のようなものはないのです」「テクノロジーは、人間を置き換えるのではなく、補強するものであってほしいと思っています」
（forbes.com 原文）
