そうしたなか、NTT東日本・NTT西日本ともに5月1日からナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストの月額利用料および工事費を無償化することになりました。対象となるのは、70歳以上の契約者および70歳以上が同居する契約者で、昨今深刻化する高齢者への特殊詐欺犯罪を防止するための強化の一環です。
掛かってきた電話が、取る前に知らない人とわかっていたら、詐欺に対して身構えることができますし、オレオレ詐欺なら家族とは違う電話番号からなので、犯罪の防止に役立つはずです。無償化になることで、ナンバー・ディスプレイ対応の電話機を購入する必要はあるものの、それ以上の費用がかからないため、年金だけで生活しているような高齢者世帯でも導入しやすくなり、今まで以上に特殊詐欺犯罪の防止につながるかもしれません。
今回の無償化に合わせて、特殊詐欺対策サービスの一定期間無償化も行われます。このサービスは通話録音機能付き端末に録音した通話録音データをクラウドに転送し解析することで、特殊詐欺であると疑われる場合には、事前に登録した電話番号やメールに注意を促す連絡が入るというもの。詐欺の危険性を察知できますが、こちらも月額440円（ナンバー・ディスプレイの契約と合わせれば880円も）掛かるため、年金生活者には厳しいものでした。
無償となる期間は2023年5月1日から2025年3月31日まで。ただし、申し込みユーザー数がNTT東西それぞれで5000人までという限定となるため、特殊詐欺犯罪対策としてはどれだけ効果があるかは疑問です。
また、特殊詐欺犯罪を受けたとき、もしくは受けるおそれがある場合、電話番号の変更にかかる工事費が4月1日から無料になります。
特殊詐欺犯罪は警視庁広報資料によると、2022年の認知件数は1万7,520件、被害額は361億円に上ります。今回の措置で、少しでも被害を防げるのであれば、ナンバー・ディスプレイ対応の電話機の導入をオススメしたいところです。
プレスリリース：NTT西日本「特殊詐欺犯罪の防止に向けた取り組みについて」より
