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2023.03.29 11:00

日々の名刺交換を“価値のあるもの”に変える、名刺管理の方法とは

デジタル化が進み、会議や打ち合わせをオンラインで行うことが珍しくない昨今でも、変わらず紙の名刺はビジネスに欠かせない。紙の名刺は、DXの文脈からデジタル化のニーズが高まっているが、重要情報の宝庫である名刺情報をどのように管理・活用すべきか、悩みをもつ企業も多い。

個人情報保護とデータ活用の両面が求められる今、会社の重要資産たる名刺情報をどのように扱い、ビジネスに還元していくべきなのか。営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」を提供するSkyのICTソリューション事業部 執行役員 金井孝三が解説する。

※本記事はSkyからの寄稿です。


デジタル時代、名刺は最適に管理されているのか

ビジネスシーンでは紙の名刺が非常に多く使われているが、「名刺を起点にビジネスを変えていこう」という考えを持っている企業が少ないのも事実だ。

例えば、紙の名刺を会社で管理する場合、名刺ファイルに入れて会社で保管するだけでは、個人で保管するのとあまり違いがない。ファイルが会社の棚にあるのか、個人の机にあるかの違いだけだ。つまり、紙の名刺をそのまま保管していた時代には、たとえ会社で管理したとしても、それを有効に使う手段がなかった。

その結果、会社がIT化し、スマートフォンを持つような時代になっても、「名刺を会社で共有する」という発想が生まれてこないままになっている。

しかし、実際の業務では現場の社員はスマートフォンやパソコンを使うため、名刺情報をITで管理しようという発想になる。その中で出てきたのが、フリーの名刺管理サービスだ。

会社は「DXだ!」と言うのに、名刺は管理してくれない。そのため、フリーの名刺管理サービスを使い始めた利用者が日本国内だけですでに数百万人はいるといわれている。しかし、名刺管理サービスを使用する際は「名刺は個人情報である」という点に注意が必要だ。

個人がフリーの名刺管理サービスを使い、データベースのように名刺を検索できるようにすると、これは個人情報保護に伴う法律でいう「個人情報データベース」という扱いになる。つまり、会社の名刺をフリーの名刺管理サービスに登録すると、会社が管理すべき個人情報データベースになってしまうのだ。

ところが、多くの会社はまだ組織として名刺情報を管理していないため、社員それぞれが個人の名義でフリーの名刺管理サービスを契約することになる。社員が勝手にやっていることなので会社の管理対象になっていない、フリーサービスの存在自体を公式には把握できていない、という状況が広がりつつあるのだ。

フリーの名刺管理サービスで、業務で使っている名刺を利用すると個人情報データベースとなり、個人情報保護法の規制対象となることを約款で説明していることが多いが、個人はそうと知らずに利用していることも多々あり、結果的に法律上の問題が発生しているケースが多く見られる。

このように、知らずに法律上問題のある利用になってしまっているケース以外にも、フリーや有償の名刺管理サービスのなかには、システムに取り込んだ名刺のテキストや名刺画像といったデータが、利用終了時に一切入手できない場合や、登録したデータの一部しか入手できず、他のシステムで利用することが難しいケースもある。

Skyが提供する営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」ではこのようなベンダーロックインになることを避けるため、スキャンした名刺画像やテキストデータ、入力した情報は、契約終了の際に、返却されるシステムとなっている。

このようにSKYPCEでは、企業が大切な名刺データを管理する上で必要な配慮がなされている。また、同製品は単なる名刺のデジタル化だけでなく、企業の“営業支援”まで行うことを目的に開発されていることも特長だ。その開発背景について詳しく見ていこう。

“営業支援機能を高める”という発想から生まれた「SKYPCE」

「名刺を会社で共有する」システムとして、現在さまざまな名刺管理ツールが提供されている。Skyでも「SKYPCE」を開発する前は、他社の法人向けの名刺管理サービスを利用していた。ただ、そのサービスでは「いつ・誰が・誰と名刺交換をした」という情報しかなく、営業活動の実態把握まではできなかった。

このような実体験が、名刺情報を活用して営業支援機能を高めるという「SKYPCE」の発想のきっかけとなったのだ。

Skyでは名刺をデジタル化するだけではなく、その情報を会社内で共有し、営業活動に活かして収益を上げることにこそ価値があると考え、「SKYPCE」を通して、これまでにない新しい営業スタイルを確立し、クライアントの業績に貢献していければと考えている。

SaaS版の登場で自社の状況に合わせ、導入形態を選べる

「SKYPCE」は今まで、オンプレミス版(※自社内で管理しているサーバーなどにシステムを導入すること)として提供してきたが、新たにクラウド版をラインナップに加えることとなった。

オンプレミス版は「名刺情報を自社の管理下に置き、データを自由に扱うことができる」という点で高く評価されていたが、長引くコロナ禍や半導体の高騰などの影響で、「新規のサーバー設置ができない」「情報システム部門の採用が難しく、サーバーの管理者が不足している」といった会社が増えるなど、状況に変化があった。

そういった変化に対応すべく、「SKYPCE」では新たにクラウド版、いわゆるSaaSサービスの提供を開始した。

クラウド版のメリットは、なんといってもサーバーを設置・管理する必要がなく、導入しやすいという点にある。「SKYPCE」はオンプレミス版でも、クラウド版でも、同じ機能が利用できる。そのため、どちらを選ぶのかはサーバーや名刺データの管理体制がポイントになってくる。

「営業活動において重要なデータである名刺情報は、自分たちの手で管理したい」そんなお客様にはオンプレミス版がおすすめだ。もちろんIaaS形式でデータをクラウド上に置くこともできる。

それに対して、「会社にサーバーを設置することができない」「名刺データをクラウド環境で保存することをセキュリティ上のリスクとして許容できる」というお客様には、クラウド版をおすすめしている。

オンプレミス版とクラウド版から選べるのはSKYPCEならでは。企業それぞれの環境に合わせ、最適なものを提供できるようにしている。

オンプレミス版、クラウド版、それぞれの特徴。SKYPCEは企業の状況に合わせ、導入形態を選ぶことができる

名刺情報と活動記録を紐付け、ビジネスの進捗を管理

名刺は、営業の方がお客様とお会いした時に交換するもの。その時にちょうど商談につながれば、案件としてSFAなどに登録することができるが、実際のビジネスシーンはそんなに都合の良い話ばかりではない。営業に行くと、クライアントから「それはこの前買ったばかりだから、次は5年後です」と言われるようなことも多々ある。

しかし、見方を変えれば、そのクライアントは5年後には買い換えてくれる可能性があるということだ。こういった見込み案件をどれだけ持っているかは、日々の売上・受注に大きく影響するため、たとえ今は売れなくても、そのクライアントとの関係をどう維持していくかがとても大事になってくる。これは営業個人の対応に依存するところが大きく、属人的になりがちだ。

そこで、「SKYPCE」では営業支援のためのさまざまな機能を提供している。

「SKYPCE」ではメールやメルマガを一斉送信できる「One To Oneメール送信」という機能を提供しており、営業以外の販促部門や他の部門からもメルマガを送ることが可能だ。メルマガで自分たちに関心を持ってもらうことができれば、今案件がないお客様でも何年か先に見込まれる商談の機会まで関係をつないでおくことができるだろう。

また、メルマガとして一斉送信した時に、差出人を「名刺を交換したAさん」の名前に変更することも可能だ。受け取る側としては会社からではなく、「名刺交換をしたAさんからメールが届いた」という印象になり、存在を覚えてもらうきっかけにもなる。

また、「SKYPCE」Ver.2へのアップデートに伴い、新たに営業支援機能を追加。日々の営業活動を記録する「活動記録」機能だ。

この「活動記録」は、いつお客様を訪問し、どんな話をしたか、という情報を記載するもの。具体的な案件であれば、SFAなどで進捗管理をすることができますが、案件化するのが数年先になるような見込み案件の場合、その期間のお客様との関係づくりを記録する仕組みがなかった。「SKYPCE」の「活動記録」は名刺に紐づいているため、案件になっていないお客様とのやりとりもすべて記録しておくことが可能だ。

 

新機能「活動記録」の記入例。案件になっていないクライアントとの活動も記録することで、見込み案件を含めたビジネス進捗情報を管理できる

大企業の場合、2年〜3年ごとの人事異動で担当が変わり、追いかけたいお客様がいても引き継ぎが難しく、関係が途切れてしまうということもあるだろう。

また、引継ぎ前の進捗状況を確認しようとしても、会社全体のビジネス情報進捗管理システムは、企業単位あるいは案件単位でまとめていることがほとんどなので、詳細がわからないということが多い。そんな時、「活動記録」を見れば追いかけたいお客様がいつ誰と何を話していたかという履歴がわかるため、後任者がそのお客様と名刺交換をするだけで、スムーズに引き継ぎを行うことができる。

さらに、この「活動記録」は会社の中で共有することができるので、見込み案件の関係づくりを、担当の営業がきちんとメンテナンスできているかどうか、組織全体として把握することが可能となる。

このような、見込み案件を含めたビジネス進捗情報を管理できるシステムというのは、実は今まであまり存在しなかった。Skyではこの「SKYPCE」独自の「活動記録」機能で、「商談になる前の関係づくり」という新しい価値を提供したいと考えている。

「活動記録」を活用すれば、営業の状況を組織全体で把握することができる

名刺情報の管理がクライアントとの関係性を強める 

営業の方の一番の困りごとといえば、お客様を定期的に訪問する際に「話すネタがない」ということ。ましてや商談の話もなく、関係性をつないでいる期間の場合、どんな話をするかはとても重要だ。「SKYPCE」では現在「活動記録」に、お客様の会社に関わるニュース情報の配信機能の追加を進めている。

「SKYPCE」に登録された企業名とニュース情報の中に登場する企業名を一致させ、そのニュースを表示できる機能だ。訪問前にお客様の名刺データを見れば、その会社に関する最新のニュース、例えば新製品に関するニュースリリースなどを読むことができるので、お客様との話題づくりに活用できる。

また、営業活動の進捗管理においては、初めてのお客様の場合、SFAやCRMにマスター情報の登録が必要だが、名刺を見ながら手入力するのは手間のかかる作業だ。

そこで「SKYPCE」では、SFAやCRMとの連携機能も準備。これが実装されると、「SKYPCE」に取り込んだ名刺データをご利用中のSFAやCRMに送ることができ、マスター登録の手間を省くことが可能となる。

Skyではスキャンした名刺データを、OCRだけではなく、AIや機械学習、最後は人間の目によってチェックしている。これによってメールアドレスや電話番号、住所や部門・役職名に至るまで、すべて間違いのないデジタルデータとして登録されるため、SFAやCRMと連携した際にもそのままマスターデータとして利用が可能なのだ。

今回紹介したOne to Oneメールや活動記録、今後搭載予定のニュース配信、SFA / CRMとの連携機能は、オプションではなく、全て標準機能として提供する。

これからもSKYPCEは、こういった営業支援につながる新機能を続々追加していく予定だ。SKYPCEを活用し、名刺のDXと営業支援の拡大を、是非検討してほしい。

SkyのICTソリューション事業部 執行役員 金井孝三

金井孝三◎Sky ICTソリューション事業部 執行役員。営業支援 名刺管理サービスSKYPCE、クライアント運用管理ソフトウェアSKYSEA Client View、シンクライアントシステムSKYDIV Desktop Clientなど、自社商品の企画に従事。


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