家族経営にこだわる名門「ミノッティ」

ミノッティは、家具の伝統的な生産地であるイタリア北部、ミラノ近郊のメーダにて1948年に創業した家具ブランド。はじめは小規模な職人工房からスタートしたが、創業者のアルベルト・ミノッティの才覚によって1960年代から規模を拡大。そして現在でも一貫して、ミノッティ家による家族経営を貫いている。

「“家族経営”は、ミノッティにとって大切な価値の一つ。ミノッティの歴史は、我々自身の仕事に対する情熱や、献身的な姿勢の上に成り立っているのです」と語るのは、兄のレナートと共にミノッティ株式会社の共同CEOを務めるロベルト・ミノッティ。

「家族経営という形態は、ミノッティにとって最適なものです。なぜなら我々は、長年にわたって顧客やサプライヤーなどと直接、人間関係を築いてきました。ミノッティに関わるすべての人々や社員も、とても近しい存在です。こうした姿勢がミノッティを大きな企業へと成長させたといえるでしょう」

ファッション業界と同じようにインテリア業界でもコングロマリット化が進んでおり、ビジネス的な要素が強まりつつある。そういった状況でもミノッティは頑なに家族経営を守り、二代目であるロベルトと実兄のレナートに次いで、彼らの息子たちも数年前から企業経営に携わっている。

「息子たちが3代目を継ぐことで、企業を安定的に引き継ぎ、ブランドの将来的な安定性を築くベースができ、ミノッティの哲学を長期的に継続できることになりました。ミノッティ家には、仕事に対する愛情や美への探求心がある。そしてその情熱が、皆を団結させるのです」

1.左が回答をいただいたロベルト・ミノッティ。兄のレナートと共に、ミノッティ共同CEOを務めている。

ミノッティは“美しい空間”を作る

情熱をもって家具作りを行うミノッティだが、もちろんそこには、“メイド イン イタリー”の技術的な優位性もある。

「我々の家具は、絶えることなく受け継がれてきた伝統と匠の技、イノベーションが完全に融合しています。さらに、研究や発展への投資も惜しまず、プロトタイプの製作や工作機械の導入、加工技術の開発などに重点を置いています。こういった革新によって、プレーンな美しさと優雅さが融合した製品を生み出せるのです」

ミノッティでは創業以来一貫して、注文を受けてから職人が丁寧に製作する受注生産にこだわっている。それはすべてのセクションで最高クラスを目指したいという理念があるからだ。

卓越した職人技によって、大理石、天然木、ガラスなどの素材が一つの家具へと昇華する。家具の張り地に使うレザーは、生産者がはっきりした欧州産の高品質皮革を使用し、ファブリックは毎年数百種類も開発さる。それらはすべてミノッティのために用意されたもので、あらゆる空間にフィットするようになっている。

1997年から巨匠デザイナーのロドルフォ・ドルドーニと組んで、シーティングシステムからイスやテーブル、それに合わせるサイドプロダクトまでコレクション全体をコーディネート。家具単体に焦点をあてるのではなく、トータルで新コレクションとして発表している。

「我々にとって不可欠なのは、自分たちの“ブランド・エクスペリエンス”を体現するために、細部にまで価値観やスタイル、エッセンスを反映させること。そのためには、綿密に計算された建築空間に、家具を溶け込ませて空気感まで表現したい。家具が建築空間と対話をし、一体化するのが理想です」

そう、ミノッティは家具ではなく、“美しい空間”を作るのだ。

2.美しい家具たちは、卓越した職人の手仕事から生まれる。異なる素材を融合させるためのノウハウも、ミノッティの宝となっている。

美しい空間を彩る2022年の新作たち

世界最大のインテリアの見本市である「ミラノ・サローネ」でも、ミノッティのブースは邸宅やホテルをイメージした空間に家具をレイアウトし、暮らしの空間そのものを提案する。

新作となるロドルフォ・ドルドーニの「GOODMAN(グッドマン)」はミノッティのテーラーリングを象徴する、マトラッセステッチがシートに美しい陰影を作り出し、上質な座り心地を生み出します。マルシオ・コーガン/Studio mk27の「HORIZONTE(ホリゾンテ)」はまっすぐに伸びるベースラインが特徴。

3.2022年のミラノ・サローネでは、3200㎡という広大なスペースに、膨大なコレクションを展示。
四角い穴をあけたコンクリートパネルで囲った空間に、心地よい暮らしをレイアウトした。

異なる奥行きのシートを組み合わせたり、ベース部分を使ったコーヒーテーブルを組み合わせたりするなど、自由度の高いレイアウトが可能だ。日本とデンマーク出身のデザイナーデュオ、イノダ+スバイエが手掛けた上質なアウトドア家具「YOKO CORD OUTDOOR(ヨーコ コード アウトドア)」は、室内と屋外をシームレスにつなぎ、テラスなどを第二のリビングとして楽しむ新しいライフスタイルにぴったりだ。

4.ブランドのアートディレクターも務めるロドルフォ・ドルドーニが手掛けた「GOODMAN(グッドマン)」。座り心地のよさそうな厚いクッション使いつつ、ベース部を軽やかにデザインすることで、空間に軽快さを加える。

5.イノダ+スパイエによる「YOKO CORD OUTDOOR(ヨーコ コード アウトドア)」は、インドア用にデザインされたチェア「YOKO(ヨーコ)」の屋外バージョンで、フレームは天然のチーク材。テラスを第二のリビングにすることで、暮らしの幅が広がる。

さらには仕事環境に対しても考えを持っており、2021年にハイエンドなオフィス環境をミノッティ独特のエレガンスとセンスで解釈するスタジオコレクションをスタートさせた。

「プロジェクトの目的は、自宅で感じられるようなクオリティと優雅さを、オフィススペースに持ち込むことでした。これはかなり将来性があると確信しています。オフィス空間は今、大きな転換期を迎えており、そこで仕事をする人も、デザイン好きの人も、もっと洗練されたインテリアを求めている。それでいて、機能的でなくてはいけない。新しい居住スタイルや働き方に、我々も応えていくのです」

こういったミノッティの家具作りに対する理念は、カタログだけでは感じ取ることは難しい。だからこそ、彼らのショールーム「ミノッティ アオヤマ」に足を運んでもらい、彼らが提唱する美しい空間を体感して欲しい。ここにはリビングやベッドルーム、さらにはアウトドアリビングなどがコーディネートされており、ミノッティの世界にすっと入り込むことができる。

家族経営を貫くことで、伝統や技術を継承し、豊かな暮らしや働き方を考え、美しい空間を提案する。こういう理念を持ったミノッティの家具たちと過ごす日々は、とても豊かであるだろう。

※トップの画像はマルシオ・コーガン/studio mk27がデザインした「HORIZONTE(ホリゾンテ)」。まっすぐ水平に伸びるラインが美しい。レイアウトの自由度が高く、背中合わせでシートを配置するBack to backも可能。

6.洗練された家具たちでレイアウトされたオフィスは、マルシオ・コーガン/studio mk27がデザインを担当。居住空間におけるワークスペースなども提案している。

-Minottiの世界観を体感できる
ブランドムービー「Minotti Pavilion」

(Minotti AOYAMA)入り口にはアウトドア家具が展示され、1階はリビング空間が広がる。2階にはダイニングやベッドルームも用意。
東京都港区南青山4-21-26、TEL. 03-6434-0142、営業時間 11:00 – 19:00(定休日なし)
https://minotti.jp/

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