黒澤:新しい虎ノ門・麻布台プロジェクトの「teamLab Borderless」は、どんな感じでアップデイトされますか。
杉山:虎ノ門・麻布台プロジェクトは8.4ヘクタールの敷地の真ん中に広大な中央広場を据え、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設など、多様な都市機能を高度に融合させます。人々のさまざまな営みがシームレスにつながることで、人と自然とが調和し、人と人がつながり、刺激しあいながら創造的に生きられる新しい都市生活を実現します。さまざまな施設がともに連携し、人々に新たなライフスタイルを提案することで、緑豊かな街全体が学びの場となり、仕事場となり、我が家となり、遊び場にもなり、文化やアートに触れられる場にもなります。
都市には日常空間と非日常的な空間が必要です。非日常的な空間があることによって、自分のアイディアやクリエイティビティが刺激されたりするからです。「teamLab Borderless」こそ、新しい価値を人々に提供できる施設だと思っていますし、これは虎ノ門・麻布台プロジェクトのコンセプトに合致しています。そして、虎ノ門・麻布台プロジェクトではボーダレスの世界観を、「よりボーダレス」にしたい。ひとつの施設の中に閉じ込めるのではなく、ボーダレスの体験を街に接続させ、非日常的な空間を広げていきたいと考えています。
テクノロジーが発達し、空間や都市にアーティストの表現が広がっていく時代において、自分は都市・リアル側の人間として、もっとアーティストに街全体を表現の場所として開放していく、そういう役割になっていければいいなと思っています。
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杉山 央◎2018年チームラボボーダレス室長を経て、現在は森ビル新領域企画部にて23年オープン予定の文化施設の企画を担当。一般社団法人Media Ambition Tokyo理事。日本国際博覧会(大阪・関西万博)シグネチャーパビリオン「いのちのあかし」計画統括ディレクター。
黒澤浩美◎金沢21世紀美術館チーフ・キュレーター。ボストン大学卒業後、水戸芸術館などを経て2003年金沢21世紀美術館建設準備室に参加。11年City Net Asia(韓国)、17年OpenArt(スウェーデン)、18年東アジア文化都市(金沢)にて総合キュレーターを務める。
「teamLab Borderless」虎ノ門・麻布台プロジェクト(2023年に竣工・開業予定)