Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2022.10.25 11:00

「傷を直すこと」は「心の傷を治すこと」 建物のリペアサービス事業の広がる可能性

キャンディル 代表取締役社長 林晃生

キャンディル 代表取締役社長 林晃生

バイアウト投資によって投資先企業の価値向上と永続的な成長を支援するクレアシオン・キャピタルが「日本の宝」と評する企業を紹介する連載企画。今回は、人の暮らしの基盤である住宅を安心・安全・快適にするキャンディルグループの創業および持続的成長の物語をひも解いていく。


キャンディルグループは、純粋持ち株会社であるキャンディルと連結子会社4社で構成されている。「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」というグループ理念のもと、建築サービス関連事業を主たる事業としてきた。創業者の林晃生代表取締役社長が語る。

「建物のメンテナンス事業(修繕・改修・維持・管理)が私たちの強みです。建物の床や壁、家具などの傷の補修(リペア)が売上高の4割弱を占めています。建築業者などが新築物件を顧客に引き渡す際には、建築途中で床などに数十から百カ所もの擦り傷やへこみ傷ができているのが常です。それを当社が補修しています」

キャンディルではマニュアルをつくり、技術とマナーが標準化されたサービスマンを自社で独自に育て、全国に配置している。言葉にしてみれば簡単に聞こえてしまうかもしれないが、これを成し遂げるまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

不や非を解消して業界の常識を刷新


「建物の補修を主たる事業にして全国に拠点を設けているような会社は、私たちが創業した1995年には世の中に存在していませんでした。だからこそのやりがいと苦労には大変なものがありました」

穏やかにほほ笑む林の瞳には強い信念が宿っていた。

「私が事業を起こした根本にある思い。それは、人間が感じる『不』や『非』を解消したいというものでした。不便、不満、不自由、非情、非力、非合理など、数えあげればキリがありませんね。私が感じてしまった『不』や『非』を自分自身で解消した取り組みから、事業をスタートしています」

林の前職は、不動産系の各種学校に勤務する講師だった。



「当時、家賃9万円ほどの部屋に住んでいたのですが、退去時にフローリングの補修代として70万円近い見積もりが届いたのです。まさに不満、不快、非情、非力など「不」と「非」のオンパレードでしたが、自分で材料を調達し、4万〜5万円で補修できました。住宅の傷で困っている人が世の中には数多くいるはずだと考えて、リペアサービスの会社の創業を決めました」

以来、林は「傷を直すこと」は「心の傷を治すこと」ととらえてきた。

「創業当初から「リペアサービスは建材に付いた傷を直すと同時にそこに住まう人の心の傷を治すサービスである」と考えてきました。最初は「バーンリペア」という社名で事業を広げましたが、「バーン」は傷を直す材料の名称が由来です。その後、純粋持ち株会社になったときに「キャンディル」という社名に変更しました。「キャンディル」は「can deal」が由来です。「キャンディルの事業の軸は人を癒やすことである」という強い思いと共に、みなさまに幸せを届けることができる会社として存在すべく私たちはこれまで走ってきました」

幸い創業から8年後には全国規模の点とサービス網を構築するまで順調に事業を拡大していくことができた。リペアサービスは建築業界に広がり、新築住宅引き渡し前の仕上げ段階で行うことが定着していったという。林の強く正しい思いが、建築業界の慣置を変えたのだ。


強く、そして正しい思いでIPOへ


誰かの不幸によってではなく、互いの幸せによって生きていく。林にとっては他人の不幸から「不」を取り除くことが自身の幸せにもなると感じられた。強く、そして正しい思いは、間違いなく仲間を呼び寄せる。14年からキャンディルへの出資というかたちで林の思いに伴走を開始したのが、クレアシオン・キャピタルである。常務執行役員最高投資責任者の辻智史はキャンディルの成長性を見抜いていた。

「1995年に新築住宅の施工時にできてしまうのリペアで始まった事業は、2005年には業界初のアフター定期点検サービスへと広がっていきました。さらに08年には商業施設の内装施工機能も強化し、住宅のみならず商環境へもサービスをリーチしています。05年の労働事件が発端になった建築基準法の改正、08年のリマンショック、11年の東日本大震災の際には住宅着工数が減少するといった逆風を受けながらも、林社長によってしっかりと企業理念が浸透されたキャンディルは、質と量の両面で充実を見せる事業ボートフォリオによって見事に危機を脱してきたのです。弊社が伴走を開始した14年以降の成長性も申し分ありませんでした」

林がクレアシオン・キャピタルと走ってきた日々を振り返る。

「経営判断のフェーズが変わるにつれて、社長には図らずも孤独を感じる場面が生まれてきます。社員には相談できないような事柄でも腹を割って話せるクレアシオン・キャピタルという存在は、私にとって大きな支えになりました。おかげさまで事業拡大に資するM&Aにも次々と成功し、IPOにつなげることができたと感じています」


(左) クレアシオン・キャピタル常務執行役員最高投資責任者 辻智史 (右) キャンディル 代表取締役社長 林晃生

キャンディルが東証マザーズ市場に上場したのは、18年7月5日のことだった。22年8月、キャンディルはサカイ引越センターとの資本業務提携を発表した。これは、筆頭株主がサカイ引越センターになったことを意味する。林が言う。

「この提携は、お互いの事業の拡大や発展に資する次世代サービスの構築につながります。サカイ引越センターは、引っ越し時に損傷した家具や住宅の修繕をキャンディルの全国49拠点(2022年6月現在)を通じて対応できるようになります」

キャンディルグループの業績拡大、企業価値の向上にも資するWin-Winな資本業務提携。これを成し得るためには「信頼」という基盤がまずもって必要だった。それは、第一義的には「キャンディルの事業が良心からスタートしたものである」という確たる事実が大きい。そしてもうひとつ、キャンディルグループがサカイ引越センターからの信頼を得た理由として欠かせないものとは何であったか。

「それは、14年以来のクレアシオン・キャピタルとの共創の歴史です。上場に向けてクレアシオン・キャピタルに伴走していただきながら、社内の体制を整えていったこと。財務戦略の立案と実行、ガバナンスの確立と向上、利益の最大化を通じた企業価値の拡大と上昇。IPOによって得られた社会的信用が、私たちを新たな資本業務提携へと導いてくれたのです」。



投資ファンドの目線


これからの成長にも期待

2022年8月、私たちが保有していた株式をすべて売却し、キャンディルは新たな株主のもとでさらなる成長に向けてスタートしました。サカイ引越センターの引っ越し運送事業における強み。キャンディルの建物のメンテナンス事業における強み。ふたつの強みが織り重なり、それぞれの経営資源が相互に活用されることの意義は大きいと考えています。

2018年のIPO実現に向けて伴走してきた日々は間違っていなかったと確信しているところです。安心・安全・快適をベースにした住環境の整備は、人生100年時代において実現されるべき大きな社会課題のひとつです。いま、キャンディルは日本の宝であるとあらためて感じています。


▶︎クレアシオン・キャピタル コーポレートサイト


はやし・あきお◎キャンディル代表取締役社長。日本不動産学院を経て、日本で初めて建築業界向けに「リペアサービス」を提供する専門会社を創業。M&Aにて4社をグループ化するなどの戦略を駆使しながら、2018年7月に東証マザーズ市場に上場。19年12月、東証第一部に市場変更。22年8月、サカイ引越センターとの間で資本業務提携の契約を締結。

つじ・さとし◎クレアシオン・キャピタル常務執行役員/最高投資責任者。野村総合研究所、ローランド・ベルガーにおいて事業戦略立案や業務改革等のコンサルティングに従事。その後、J-STARの創立メンバーとしてプライベートエクイティ投資、事業会社でのマネジメント経験を経て2015年に当社参画。京都大学大学院工学研究科修了


【Forbes JAPAN 連載】日本の宝への投資──


#1 公開中|ピルボックスジャパンの越境ECを成功させる方程式。企業価値は“信頼の掛け算”で倍増する
#2 公開中|NEXT EDUCATIONが学習塾「坪田塾」で実現する。誰もが「奇跡」を起こせる教育のかたち
#3 公開中|ソフトインフラで企業の戦略人事を強力サポート。ペイロールが追求する給与計算業務の進化形とは
#4 公開中|“お客様の幸せ創造力”がアフターコロナの外食産業を切り開く。和の文化を伝承するBYOの強い経営体質を読み解く
#5 公開中|“体験×デジタルマーケティング”で親子に寄り添う。全天候型室内遊園地の新たな可能性
#6 公開中|ブームではなく文化を創出する 高級「生」食パン専門店のパイオニアが見据える未来
#7 本記事|「傷を直すこと」は「心の傷を治すこと」 建物のリペアサービス事業の広がる可能性
#8 公開中|多様な個性が活躍する未来を描く 発達障害児への持続可能な支援ビジネス

Promoted by クレアシオン・キャピタル │ text by Kiyoto Kuniryo | photographs by Shuji Goto | edit by Akio Takashiro