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地方経済に目を凝らすと、市場の縮小と混乱のなかで、じわじわと勢力を拡大してきた企業群があるのに気づく。
名づけて「ヤンキーの虎」。今後は、こうした虎相手にどういう商売をするかが、重要な課題になると筆者は指摘する。

前回のこのコーナーでは日本のベンチャー市場の未来が開けていることについてお話をした。今後19年間は、世界でも類をみないベンチャーが成長する国になるだろう。
特に都市部、はっきりいえば東京が。では、地方はどうか。どんどん衰退していくのだろうか。総じてその通りだろう。だが、実は現在、地方には、ある勢力が大増殖中である。それは「ヤンキーの虎」である。「ヤンキーの虎」とは、わたしがつくった言葉なのだが、地方で複数の業態を束ねながら地元密着で伸びている企業のことである。地方には「マイルドヤンキー」と呼ばれる 人たちが増えてきているといわれる。地方が大好きで、地方から離れず、家族や地元な どの地縁血縁を大切にしながら、個々は比較的低収入ながらも肩を寄せ合って生きていて、意外に世帯年収が高い人たちである。ワンボックスカーやイオンが大好きで、地元と仲間が大好き。飲酒率や喫煙率も平均より高い、という特色がある。そこで疑問がある。彼らはどこで働いているのか。
(中略)
彼らは地元に根ざしていて、地縁血縁をフル活用して仕事をする。マイルドヤンキーといわれるような人たちの多くは、「ヤンキーの虎」の社員だったりする。役員や社員は、地縁、血縁で集められている。中学や高校の同窓生で、ちょっと頭がよくて地方の大学や県立大学の経済学部を出たような真面目で優秀な人が経理部長や総務部長をしている。複数の事業で、これらの人員を効率的に動かしながらビジネスを展開している。政治とも密着していて、自分自身や親類縁者が地方議員をしていたりする。市庁舎や町役場に顔パスで入ることができて、補助金をとるのもやたらにうまいのである。
事業意欲も旺盛でキャッシュフローもいいので、地方銀行にとって、彼らは大のお得意さまである。なぜなら地方銀行は貸付先に困っているので、このような企業は非常にありがたいのである。裏を返せば、「ヤンキーの虎」は資金調達も意外にしやすく、実はわが世の春なのである。
(中略)
今後の日本で大きく伸びていくのは、断言しよう、都市型ベンチャー企業と「ヤンキーの虎」なのである。

藤野英人

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