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2022.03.14

「D&Iの推進が事業とサービスを深化させる」── Zホールディングスグループの多様な“個”の力

D&Iを積極的に推し進めているZホールディングスグループ。その原動力になるのは、さまざまなバックグラウンドや思いを抱えている社員と、彼・彼女たちを支えるグループ全体のサポートやシステムの合致にあった。



現在、世界的に「D&I」(ダイバーシティ&インクルージョン/多様性と包摂)の概念が重要視されている。ESG投資が盛り上がりを見せ、企業としても時代の要請に従い、D&Iの確立を目指している。こうしたなかで、D&Iへの積極的な取り組みを行っているのがZホールディングスグループだ。

2021年3月1日にヤフー株式会社を傘下に持つZホールディングス株式会社とLINE株式会社の経営統合が完了した。主なグループ会社にPayPay株式会社、株式会社ZOZOを擁する日本有数のIT企業である。「UPDATE THE WORLD 情報技術のチカラで、すべての人に無限の可能性を。」というミッションを掲げ、さまざまなバックボーンや想いを抱える2万3000人超もの従業員(連結)の個性や能力を最大化し、グループ全体の躍進のための原動力としている。本稿ではZ ホールディングスグループの社員に話をうかがい、同社がD&Iの確立に向けてどのような実践・取り組みを行っているのかを詳らかにしていく。

障がい者の情報格差解消を目指す、ヤフーのアクセシビリティ対応



ヤフーの中野信氏

まず、話を聞いたのはヤフー株式会社プロダクト品質推進室UIガイドラインの中野信氏だ。ヤフーでは、さまざまな人がサービスを使えるようアクセシビリティ(IT分野では「どんな場面や状況でも利用しやすいもの」を指す)の向上に注力している。

「2013年頃より社内でワーキンググループに参加し、障がい者や高齢者の方にも使いやすいようサービスを改善してきました。当時はアクセシビリティという概念が社内に認知され始めた時期で、あくまで社員の自発的な取り組みにすぎませんでした。その後、2016年にUIガイドライン室に参加し、ヤフーのアクセシビリティに関するUIガイドラインの策定や各サービスの定期検証、また啓発活動などを行っています」(中野氏)

2013年以前からヤフーではアクセシビリティ向上を志向していたものの、視覚的な互換性を重視していたという。中野氏は前職でアクセシビリティ要件を含む案件に関わった経験から、アクセシビリティの改善を提案し、上記の活動を開始。特に障がい者や高齢者向けの施策は工数の問題などでビジネス的判断に委ねられるところも大きく、まずはその重要性を社内に浸透させる必要があったと、中野氏は話す。

こうした取り組みは2013年のコーポレートサイトのリニューアルや、2018年に「Yahoo!天気・災害」サービスの検証・改善といった形で結実。18年には、全盲者・弱視者向けに選挙公報の情報を最適化する「Yahoo! JAPAN聞こえる選挙」を提供し、優れたマーケティング事例を表彰する「コードアワード2018」でベスト・イノベーション賞を受賞するなど、内外問わず高い評価を受けている。実際にこれらのプロジェクトを進めていくにあたり、ヤフーが掲げるミッション「UPDATE JAPAN 情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」や、あらゆる人に圧倒的に便利なサービスを提供するといった重要視している価値観と方向性が合致していたことが大きな後押しになったという。

また、ヤフー社内には、身体障がいの当事者を中心に組織された「ノーマライゼーションプロジェクト」や性的少数者当事者を中心とした「レインボープロジェクト」などが存在している。これらのプロジェクトメンバーが自身の特性を発揮しながら協働することで、当事者を交えたサービステストやヒアリング、セミナー・カンファレンス、交流イベントなどを実現している。

「障がいがある方は、性別や年齢も関係なく必ず一定数いらっしゃいます。そして自分がなりたくてなったわけではない。しかし、障がいがあるというだけで、サービスを使えなかったり圧倒的に得られる情報量が限られてしまいがちです。私はデジタルサービスであれば、その情報格差を埋めやすいと考えています。幅広い年代や性別の方を対象にサービスを提供しているヤフーとして、すべての人が不自由なくサービスを使えるようにできればと思います」(同)

言語、生活面への手厚いサポートで外国籍社員の活躍を広げるLINE



LINEのピッケル・クリストファー氏

続いて話を聞いたのは、LINE株式会社の京都開発室に所属するピッケル・クリストファー氏。アメリカ出身の同氏は米Googleに5年勤務した後、日本での英語教師、Googleのドイツ支社を経て、LINEへ。現在は自社インフラの開発マネージャーとして、アメリカ籍のクリストファー氏をはじめ、日本籍が3人、台湾籍、ロシア籍、インド籍それぞれ1人という、さまざまなバックグラウンドを持つ7人のチームを率いている。同氏に、多国籍メンバーで働く上でのLINE社の環境についてうかがった。

LINE社全体では現在34の国・地域の出身の社員が在籍し、日本で働く社員のうち約18%が外国籍社員だ(2021年10月時点)。同社は多くの社内システムが日本語・韓国語・英語の3言語に対応しており、社員間のコミュニケーションツールにも翻訳機能が搭載され、必要な際には通訳が配置されるなど言語について手厚いフォローがなされている。クリストファー氏のチームは外国籍メンバー全員が日本語でのコミュニケーションも可能だが、チームの公式言語は英語だという。

「チームで英語を母国語としているのは私だけですが、全員が英語でのコミュニケーションや国際的な労働環境に慣れていると感じます。日本人メンバーは全員開発スキルも高いものの、ときには積極的な意見を発するのが苦手な場面もありますが、意見を促す形でファシリテーションすることで専門的な議論が活発にできています。社内の情報共有については通訳や翻訳ソフトの利用が整備され、会社からのアナウンスもすぐに英語と韓国語に翻訳されるのでまったく問題ありません。LINE社は韓国や台湾で開発しているサービスもありますが、現地社員とのコミュニケーションも円滑で、新しいアイデアや技術的知見をすぐに共有できるのが素晴らしいです」(クリストファー氏)

また、クリストファー氏は外国籍社員として働く上で、日常生活におけるサポート制度が非常に有益だと評価する。LINE社には外国籍の社員を支援する専属のチームが存在し、賃貸物件の契約から役所や銀行手続きのサポートも行っている。この制度によって、コロナ禍での各自治体によるワクチン接種券の発行もスムーズにできたとのことで、こうした事例からも広い意味で“外国籍社員も働きやすい環境づくり”の重要性がうかがい知れるだろう。

「技術開発言語は英語がベースとなっていますが、さまざまなルーツを持った多国籍のメンバーと共に働くことで、技術に関する多様な見方を学ぶことができます。この異なる見方を持つということは、非常に大きなメリットだと感じています。サービスの設計やプライオリティについてもユーザーファーストを徹底することで、より良いサービスの実現を目指せるからです。そういった点で、LINE社は私たち外国籍メンバーにとっても本当に働きやすい環境だと感じています」(同)

女性管理職比率が上昇し、「ジェンダーレス」な商品企画・マーケティングが浸透したアスクル



アスクルの渡邉友里恵氏

ここまでアクセシビリティや多国籍といった観点から話を聞いてきたが、最後にジェンダーに関する取り組みを見ていきたい。SDGsの目標のひとつに「ジェンダー平等の実現」が掲げられるなど、現在の世界的潮流からジェンダーという視点は欠かすことができない。

こうしたなかで注目を集めるのが、アスクル株式会社が展開するECサービス「LOHACO」だ。LOHACOが2021年にDHCとコラボして販売したオリジナルのリップは従来のピンク色のケースを、グレージュとアイボリーに変更するなど、ジェンダーレスな製品や企画を世に送り出している。

LOHACOのウェブマーケティングを担当する渡邉友里恵氏は「2012年のサービス開始当初、LOHACOのテーマは『働く女性のくらしをかるくする』というものでした。しかし働き方やライフスタイルが多様化する中で、社内からも“家事=女性”といった固定観念の刷新、働く女性だけでなくライフスタイルに沿ったテーマにするべきという意見が自然と上がってきたため、対象を限定しない『くらしをラクに楽しく』といったテーマに変更しました」と話す。

また、アスクルは「2025年までに女性管理職比率30%」という目標を宣言し、実際に女性管理職比率は2014年の12.3%から2021年に26.0%と大きく伸長している。元々事業所向け通信販売を主軸としていた同社では男性比率が高かったという。しかし、ダイバーシティに積極的に取り組むという会社としての方針やテレワークといった多様な働き方が浸透していくなかで、サービスの健全化をめぐる議論が活発に行われ、LOHACOのスタートと並行するように女性が活躍しやすい社内環境が整えられていく。

女性社員が十二分に自身のポテンシャルを発揮して成果を上げられるようになった結果、能力に応じる形で女性管理職の比率は向上。また、男女問わず管理職の社員らが育休制度を積極的に利用することで、社内に多様なライフスタイル、働き方を許容する風土が育まれていった。

さらに、商品開発においても商品の対象者を広げることを意識したガイドラインを設け、家事やヘルスケアなど毎日のお悩み解決×くらしになじむデザインをコンセプトとしている。マーケティングの面では、旧来の“20代女性”など性×年代でターゲティングする、ペルソナマーケティングを廃し、ユーザーの購買履歴・動向に基づいたマーケティング戦略を展開するようになった。つまり、“女性/男性”といった一辺倒な属性ではなく、その人それぞれの個性やライフスタイルにアプローチしていく方向性への転換が行われたのだ。

「LOHACOは性別や年代を問わず誰でも使える日用品を扱うサイトなので、製品やクリエイティブもなるべくシンプルなものにしています。ですから、『ジェンダーレス』や『環境配慮』をあえて強く謳うのではなく、実際に使っていただくことでサスティナブルな体験をしてもらうことをミッションとしています。ジェンダーレスだからといって女性の意見が強いのではなく、そこには男性の意見も入ってきて当然といった考えが社内に浸透しています。これからも“いろんな人にフィットするプロダクト”という視点を持ったコンテンツやサイトづくりを目指していきます」(渡邉)



今回、Zホールディングスのグループ企業で働く3名に話を聞いたが、いずれも共通しているのは「誰もが快適に利用できるサービスや働き方を実現する」という考え方だ。既存のビジネス構造や社会基盤から取りこぼされる人々がいて、それぞれに多様な価値や思いを抱えている。Zホールディングスはグループ全体で「D&I」を推し進めることによって、重層的な事業やサービスを展開する力に変え持続的な成長を遂げている。ヤフーやアスクルの事例に見られるようなサービスや業務構造の改善、またLINEのように組織としての制度や設備を整えることは「D&I」の継続性にもつながってくるはずだ。

「D&I」ははやりの経営戦略ではなく、より良い社会や未来をつくっていくために不可欠な概念だ。それを見据え、多様性を担保する環境をつくりながら実例を積み上げ、誰もが活躍し挑戦できることが、Zホールディングスグループの強さにつながっていく。

Zホールディングスグループ
https://www.z-holdings.co.jp/

Promoted by Z Holdings / Text by Tomohiko Mase / Photo by Yoshinobu Bito / Edit by Kaori Saeki