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2021.12.16 16:00

インサイドセールスの力量を高める。トークを見える化する「MiiTel」が電話応対の課題を打ち破る

〝根性で朝から晩までひたすらかけまくる〟時代は終わる


ビジネスの現場でリモート化やオンライン化が進む今、メールや電話、ウェブ会議ツールなどを活用しながら非対面で行う、インサイドセールスのウェイトが高まっている。しかしながら、インサイドセールスは担当者の対話力によって成約率に大きな差があり、教育が難しい領域である。DXの進展により多くのビジネス課題の解決が図られたが、“音声コミュニケーション” に関する課題は未だ取り残されていると言えるだろう。

この音声コミュニケーションにおける課題を解決してくれるのが、「MiiTel(ミーテル)」だ。電話営業やコールセンターなどの顧客対応を可視化する、AI搭載の音声解析付きAI搭載型のIP電話サービスである。通話内容をAIが解析、データ化することによってコミュニケーションの質を高めることが可能になる。営業統括責任者である角田潤彌はこう語る。

「従来の電話営業は、良し悪しを感覚的に判断するしかありませんでした。だから、〝根性で朝から晩までひたすらかけまくる〟というような、超労働集約型のワークスタイルに陥りがちです。その点、MiiTelを使えば、通話の内容や状況がデータ化されるので、感覚に頼らず、データに基づいた改善が可能になります。例えば、トップセールスのコミュニケーションをデータ化して、みんなが再現すれば成果が出ます」

データ化されるのは「話すスピード」「声のトーンの上下」「沈黙の回数」など、多くの要素。それらの微妙な違いや、特徴の組み合わせによって、相手に与える印象が大きく変わるのだという。例えば「話すスピード」。相手のスピード±10%以内で話さないと、相手の理解が半減する。スピード差がデータで示されるため、改善していくことでコミュニケーション力の向上につながる。


MiiTelによって数値化されたコミュニケーションのデータ。話速の項目で、顧客とオペレータの話す速度の比較が数値化される。

「私たちは電話応対を分析したビッグデータを持っていますが、それによれば〝お客様との電話対応で、沈黙を作ってはいけない〟というのは都市伝説にも似た意味のない思い込みであることがわかります。このあたりは何を売るか、業種によっても異なるのですが、例えば高額商品など、相手にじっくり考えてもらう必要のあるものであれば、優秀なセールスの沈黙の時間は長くなります」

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教育、セルフコーチング、ノウハウの共有にも効果を発揮


通話内容は顧客情報に紐付けてクラウド上に保存され、振り返りたい時に、いつでも、どこでも、アクセスすることができる。教育場面であれば、データに加えて実際の会話内容もお互いが確認できるため、受け手が理解しやすく、納得感のある指導を可能にする。自ら振り返るセルフコーチングや営業ノウハウの共有にも役立てることができる。

また、顧客管理システムとの連携により、顧客名をクリックするだけで簡単に発信できたり、着信時に顧客情報を自動表示するなど、業務効率の向上にも役立つ。

「日本企業の労働生産性はOECD加盟国の中でも下から数えたほうが早いほど低く、アメリカに比べて40%程低いとも言われます。ここを変えないと、働く人はハッピーになれないでしょう。成果を上げるトーク力を身につければ通話時間を短縮でき、架電件数を増やせる。生産性は間違いなく上がります」

さらにRevCommの大きな特徴として、システムの導入だけでなく、ビッグデータを活用してユーザーをサポートしていることが挙げられる。

「カスタマー・サクセスチームが、MiiTelについての教育を担当します。最初に正しい使い方を覚えてもらうためです。〝MiiTelって何ですか?〟と聞かれた時に〝コミュニケーションのカラオケマシンです〟と例えたりするのですが、プロの歌手が歌うと、その人の波形が出ます。そして、その波形通りに歌えばプロ歌手のように歌うことができます。そんなイメージで、優秀なセールスの波形をなぞるように真似するのです。データの正しい使い方を覚えてもらえれば、あとは自走することができます」

ビズリーチ社では、導入から4ヶ月でアポイント獲得率が62%増え、成約率も56%増という驚くべき効果を挙げている。これまでのテレアポ指導は、電話応対を横で聞きながらの指導だったため、相手の話が確認できず困難だった。しかしMiiTelの導入によって全架電をAIが解析し、データで確認できることから教育コストが劇的に減ったという。また、優秀な社員の営業トークが明確になり、社員が自ら自分の営業トークを振り返ることで、営業トークのボトムアップが図れたのだ。

IT企業であるHENNGE社では、セルフコーチングができる環境になったため、メンバーが自らトークを振り返り、その質が高まった。また、音声データを確認することで、電話営業で起きていた機会損失に気づくことができるようになった。結果として、教育にかかっていた工数が37.5%削減されたという。

他にも、「アポイントの獲得率が3倍になった」「架電数が1.5倍になった」「3ヶ月で生産性が2倍以上になった」など、成果アップの事例が続出しているという。


RevComm男性営業の初期スコアの一部


Talk:Listen比率が92:8から56:44に変化。営業が4割、顧客が6割の比率で会話すると、アポや商談化率が高くなるというデータが出ているという。

コミュニケーションを再発明する


MiiTel は2018年10月に販売を開始したが、インサイドセールスの重要性が増す中ですでに1000社を超える企業に導入されている。それほどまでに、電話営業に課題感を持つ企業が多いということの表れなのかもしれない。

「MiiTelは、AI技術からスタートしたのではありません。企業が何に困っているか、いろいろな企業にヒアリングしたところ、営業電話が浮上したのです。イシュードリブンだったわけです」

1000社の導入は「予想を上回っている」というものの、本格的な拡大期は、まだこの先に来るのだろう。

最後にビジョンを聞いた。

「コミュニケーションを再発明する、というのが私たちのミッションです。データをもって、どういうコミュニケーションをすれば成功するのか、ひいてはみんながハッピーになるのか。結果として〝しゃべること〟もあれば〝しゃべらないこと〟も選択としてはあるのでしょう」

営業という職種には、とかく向き不向きがあると考えられ、「人見知りをする」「話が苦手」という思い込みもある。ただ、なぜそう感じるのか、どうすれば苦にならないか、というのも、その要素をデータ化することによって理解ができ、改善ができる。

「ミッションを実現していくためには、段階がいくつかあると思います。今は電話営業をテーマに、その改善に資する事業に集中していますが、例えば人事部門の1対1の面談などでも対話の生産性を上げられることがわかってきました。このように領域を広げたり、あるいは、WEB商談の画像分析によって生産性を上げることもできるはず。このように一つ一つ課題解決をしていき、人と人とのコミュニケーションをよくするところに幅広く関わっていく。そんなイメージを持っています」

生産性を上げることで、働く人をハッピーにする。大きな社会課題に取り組み、改善を図る。RevCommが掲げる「コミュニケーションにおける摩擦が減り、お互いの想いがより伝わる社会の実現」が楽しみだ。





角田潤彌 RevComm営業統括。慶應義塾大学卒業後、日本コカ・コーラやデロイトトーマツコンサルティングをはじめ、世界的なリーディングカンパニーにてマーケティングやM&A、事業再生を行う。その後、ベンチャー企業を中心とした新規事業開発や上場企業での取締役CFO/CHRO/CSOを歴任。RevCommに参画後は、海外展開・新規事業開発・営業部門を幅広く統括。

Promoted by RevComm / text by Toshihiko Masugi / Photographs by Miki Anzai / edit by Hirotaka Imai