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2019.07.03

常識からは常識以下しか生まれない|hey 佐藤裕介 #MarkMaker

「若ければ若いほどデキる。めちゃくちゃ強い──今の20代と仕事をしていると感じます。尊敬しかない」。そう語るhey社長の佐藤裕介は、エンジニアとしてグーグルに勤務した後、起業家に転じ、2014年に30歳前後という若さで2社を立て続けに上場させた経歴の持ち主だ。「今の20代」はなぜ「強い」のか。「できる」彼らはどこまで成長するのか。自らも5年前まで20代だった佐藤の分析は、現役のU30世代にこそ深く、ストレートに届く。


次代を担う若者にフォーカスする30 UNDER 30 JAPANと、未開拓の領域を切り開いて自ら指針となる者をMark Makerとして選定するモンブランが、世界を変えようとするU30世代と実際に変えてきたOVER 30世代とをつなぐ「#MarkMaker」。30世代の代表として今回迎えるhey株式会社代表取締役社長でエンジェル投資家でもある佐藤裕介は、若い世代への賞賛を惜しまない。

合わせるのなら、若い世代の考え方

「囲碁も将棋も最近は若い人が強いでしょう? 僕の周りを見ても、若い世代は優秀。僕は今年、35歳。上の世代と下の世代の境目にいて、どちらともぎりぎりで感覚を共有できる世代ですが、テクノロジー・セクターで仕事をしているので、そこで上下の世代に考え方の食い違いが出たときには、僕が合わせるのは若い人たちの方です。この分野でイノベーションが生まれてくるのは若い世代からですから」

自らを「境目世代」と呼ぶ佐藤は、「上の世代」と「下の世代」について、こんなふうに見ている。

「下の世代たちはショート・ターム(短期)志向、上の世代はロング・ターム(長期)志向ですね。たとえば、旅行するときの計画性は上の世代の方があって、それに対して若い人たちは、何を見ようかとか何を食べようかとかを現地に行ってから調べる。普段、待ち合わせをするときも、彼らは『まぁ適当に……』です。これは雑なのではありません。手元にいつもスマホがあって検索も連絡もできるのだから当然のことですよね。ショート・タームでのコントロール・レバーをたくさんもっていて、いろいろなことをすぐに調整できるのが彼ら。事前の決めごとが少なくて自由度が高いんです」

「境目世代」の僕とも違う彼ら

上下の世代の間のみならず、間に立つ佐藤と若い世代の間にも差異はある。

「ウチの会社(hey)の従業員の平均年齢は28〜29歳ですが、それでも僕とはだいぶ違います。生い立ちを考えても、僕が小学生だったころはまだ、テレビがかなり大きな地位を占めていたけれど、今の20代は小学校のときからあたりまえにネットがあって、高学年あたりからスマホで簡単に検索でもSNSでもアクセスできるようになっていた世代。テレビの情報はキー局の数くらいしかバラエティがないけれど、SNSのタイムラインは個人個人で全く違いますよね。それを高校生や大学生のころには1日6時間も眺めてきて、今でも4時間は費やしている世代が彼らです」



そのため、彼らと仕事などで接する際、佐藤は、個人ごとにぞれぞれの価値観を尊重するよう気をつけている。それは、「SNSのタイムラインの話でもわかるように、彼らは情報のインプットのソースが多様で、持っている価値観もそれぞれ違うことが〈あたりまえ〉」だからだ。自分の価値観が彼らと違うことも、また同様だという。

「ネットそのものは僕が小学生のころにもあったけれど、それはPCで見るもので、本格的に触れることができたのは中学生になってからでした。最初に触れたときの衝撃は人生最大ですね。ネットがあれば、自分がニッチな存在でも世界中の同じような人たちとつながることがきる。あの驚きと喜びは、その後の僕の原動力です。でも今、ネットが好きだと若い人に言っても通じない。彼らにとってネットは水道や電気と同じですから、水道が好き、電気が好きというのと同じで意味がわからないんですね。僕は『ネットの夢』に中途半端に感化されている世代で、おじさんですよ(笑)」

今できないことも、やがてできる

自分、そして上の世代と大きな違いがあるというU30世代。仕事についても、取り組み方や考え方に特徴がある。

「若い人は待ち合わせ以外にもいろいろなことをリーン(必要最小限)に実行する。明確な目的を持ったサービスを小さく作って、それをどんどん改良していって……という、短いサイクルで回すことが非常にうまいんです。クルマづくりに10年かかるとすれば、ネットのプロダクトは開発スタートからリリースまでが1年で、しかも“出荷”の後でも改良が続けられる。若い人たちのショート・ターム志向なやり方はネット企業に合っています」

もちろん、若い世代のこうした特性が万能であるわけではない。



「若い人はロング・タームで計画を立てる“脳の筋力”はあまり発達していません。僕がエンジェルとして個人で手がけている投資は、対象の会社の7割で経営者が20代ですが、複利を長期で続けたら結果はどうなるかという、直感的に見えにくいあたりは最初は見えてない人が珍しくない。だからこそ、上の世代のロング・タームで考える経験、不確実な将来にどう対処するかの知恵が役に立つという面もありますが」

しかし、20代の経営者たちも「長期での見方、考え方を求められるようになれば、対応できるようになる」という。

「ロング・タームで考える脳の筋力が未発達なのは、ただその筋力を使ってきていないから。プロダクトの規模やユーザーベースが大きくなると、ITサービスのサイクルもクルマに近づいていくし、経営者は投資家から長期のビジョンを求められるようになる。成功しても、創業時の事業だけでは成長は続けられませんしね。そうやって環境が変わって立場も変われば、対応できるようになっています。

Just for Fun.「わかっていること」を増やそう

今回、U30世代に送る言葉として、佐藤がモンブランの〈スターウォーカー〉で認(したた)めたのは「Just for Fun.」。この「ただ楽しみのために」とは、現在トップを務めるheyの、「『楽しみ』によって駆動される経済の発展を支援する」という経営理念を表すキーワードでもある。

heyはキャッシュレス決済「Coiney(コイニー)」とネットショップ開設・運営の「STORES.jp」を手がけている。そうしたサービスによって事業の立ち上げや日々の業務といったユーザーの負担を軽減し、楽しいこととしてビジネスに取り組んでもらえるようにという姿勢が込められている言葉でもある。


「Just for fun」|モンブランの新作〈スターウォーカー〉で書いていただいたメッセージ。宇宙から観た青い地球の美しさをテーマとしたコレクションだ。佐藤のイメージから空を思わせる爽やかな色のインクを合わせた。ブルーのグラデーション入りの半透明なキャップトップは手にするたびに地球の雄大さを思い起こさせ、高い視点と広い視野で自分を見つめなおす機会を与えてくれる。

「ウチではプロジェクトを評価するとき、数字は褒めないんです。たとえプロジェクトとしては失敗しても、それを通じてわかったことが増えれば成功だと考えます。それが組織の知恵になりますから。もし、僕より若い世代に何かアドバイスのようなものを贈れるとすれば……『わかっていることと、わかっていないことのボーダーを拡げよう』ですね。数字からの推論は誰でもできるけれど、実際にトライしてみてわかったことは自分しか知らない。それを100回、1,000回と積み上げれば競争力になります」



そして、ボーダーを拡げるには若い方が有利だという。

「経験にもとづくパターン認識の競争力は上の世代の方が高いかもしれないけれど、トライすることへの敏捷性や、トライしてみてそこから吸収する能力、リスクを取れる許容力は下の世代の方が強い。実行してみることで得られる経験の価値はどんどん上がっています。ネットの普及によって既知の情報へのアクセスのコストは下がって、すでにあるものをベースにした評論やパッチワークなら中学生でもできる時代ですから、逆にまだないこと、変わったことをやってわかったこと、見えたことの価値が相対的に高まっているんですね」

行動で価値が生まれる時代

「行動で価値が生まれる」時代、起業する若者が増えている。自身、20代で起業した佐藤は現在も経営者として、投資家として、同じような夢を抱き、実現を目指す多くの若い世代に囲まれている。だが、自らの、そして彼らの選択が「普通のこと」だとは考えていない。

「今の日本では起業するのはマイノリティーですし、その結果パフォームする(成果を出す)のもマイノリティー。ちゃんと設けられている会社というのは一握りの例外的な存在と言ってもいいくらいです。でも、人からやれと言われる普通のことをやっていれば、出る結果も普通なものになる。中高生のころから僕はエンジニアで、人の役に立つことを探していたし、『常識からは常識以下しか生まれない。普通にやったのでは普通以下しか生まれない。何か変わったことをしないと』と、強迫観念のように思っていました」

「ハングリーであれ、小賢しくなるな」。スティーブ・ジョブズはスタンフォード大の卒業式でそう語った。佐藤のU30世代へのメッセージは、「マイナーであれ、常識的であるな」ということになるのかもしれない。




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