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2019.02.19

大企業はイノベーションを起こせない、なんて嘘だ。Slush Tokyo 2019に参戦、パナソニックの若き挑戦者たち

イベント「浜松町Innovation Culture Cafe」に登壇し、チャレンジへの思いを語った2人。左:鍛冶茉里奈氏 右:溝口仁成氏

日々ものすごいスピードで新たなサービスが生まれ、淘汰されていく。人と資本の流動化が進む。スタートアップが億単位の資金を調達するのは日常茶飯事。10年前には考えられない世界が、今や現実のものになった。

危機感が募る。やりたいことはある。思い切って外に飛び出すべきか、留まるべきか、それとも……。企業に勤める若手ビジネスパーソンは今、大きな選択を迫られていることだろう。

「企業内で挑戦する」。若者たちのキャリアにそんな新たな選択肢を生み出した、パナソニックの取り組みを紹介したい。


2月22、23日に東京ビッグサイトで開催される、世界最大級のスタートアップとテクノロジーの祭典「Slush」の東京版「Slush Tokyo 2019」にパナソニックが出展を表明し、注目を集めている。

パナソニック アプライアンス社が2016年に本格始動させた、新規事業の創出と人材育成を行う「Game Changer Catapult」(ゲームチェンジャー・カタパルト)が中心となり、展示やトークセッションを展開する。パナソニックの家電商品の開発・製造・販売を担う同社から、主に家電領域で新事業を生み出すための仕組みだ。

カタパルトは「艦艇から航空機を射出するための機械、射出機」の意味。まさに今、発射台に乗り、世界へ打って出ようとしている若者たちに話を聞いた。 

家事は負担ではなく、運動の機会である。
個人に合わせて、家事をトレーニングに「KajiTrainer」(カジトレ)

高齢者や障害がある人を家電で支援し、生き生きとした生活を送ってもらいたい──。

そんな思いから同社に入社した鍛冶茉里奈(かじ・まりな)は、入社2年目にして今回、Slush Tokyo 2019の舞台に立つことになった。普段はレンジフードの商品企画やマーケティング、販促企画に携わっている。



大学時代は医学部に所属し、400人以上にのぼる高齢者や障害者の生活を支援してきた。老化や障害により体がうまく動かないことに悩む人から、「自分はお荷物だ」という発言があったり、「はやく死ぬべき存在なのではないか」という相談を受けたりして、心を痛めた経験をした。高齢者や障害者向けの商品開発に携わりたいと、同社に入社した。

作業療法学を学ぶ中で、「家事がトレーニングになる」ということを知った。「家事」の身体への負担をトレーニングと捉えることにより、日常的な動作から運動の機会を得られるのではないか。また、家事を自分でしっかり行うことで、「誰かの役に立っている」という自信が保たれるのではないか。

そんな思いをカタチにしたのが、掃除、洗濯、料理など、日常の家事をトレーニングに変える「KajiTrainer」(カジトレ)だ。 短いエプロンのような形をした専用の「カジトレベルト」を腰に着用して家事をすれば、家事による運動量がアプリに記録されていく。アプリでは、個人の生活スタイルや運動能力に合わせた家事運動の提案やコンテンツ配信も受けられる。名古屋大学医学部の上村純一准教授が監修している。



これまでは家事を負担と捉え、負担を減らしたり効率化したりするのが「家電」の役割だった。家事自体を良き運動の機会と捉え、目に見える形で結果を表示、ユーザーが積極的に家事に取り組もうとモチベートするところに、このサービスの面白さがある。

本業をこなしながら新規事業を提案、「ゲームチェンジャー・カタパルト」の力を借りてブラッシュアップしてきた。いよいよSlush Tokyo 2019という大舞台に臨む。世界から集まる「目利き」たちの目に、「カジトレ」は果たしてどう映るか。

音楽を通じたコミュニケーションは、本物だ。
現代のジュークボックス「Howling Box」

音楽の分野では、オンラインでのストリーミングサービス全盛の一方で、カラオケやライブなど、リアルな場で音楽を楽しむ需要も高まっている。「好きな音楽を通じてリアルなコミュニケーションを生み出したい」。そんな思いから生まれたのが「Howling Box」だ。



Slushと言えば、まばゆい光と音が奏でる、音楽フェスのような魅力がある。そんな雰囲気にぴったりのアイデアである。

ぱっと見は、電気で明かりが灯るランタンのようなデバイス。飲食店などの店内に置くことを前提としている。テーブルには1個ずつデバイスが置かれ、デバイスに自分のスマホをかざせば「チェックイン」。チェックインすれば、自分のかけたい音楽をスマホからリクエストすることができる。

自分の前にあるデバイスの光の色が変わり、回転するように光り始めたら、自分のリクエストした曲がかかっているサイン。他の客のリクエストした曲が気になったら、アプリ上で曲名を確認したり、「いいね」のメッセージを送ったりすることもできる。そのアクションもランタンの光で反映され、共感を直感的に感じ取ることができる。

ビジネスモデルは店舗へのシステム使用料を想定。将来的には店舗検索や、顧客管理などの機能も想定している。Slush Tokyo 2019への出展を通し、「Howling Box」の事業化を目指す。

コールドチェーン事業部CVS開発課でコンビニ向けの冷凍・冷蔵のショーケースの設計開発に携わる溝口仁也は、2015年に入社し、群馬県にある同社の拠点に配属された。離れた友人たちとはSNSを通じてやりとりをするようになったが、やはりフェイストゥフェイスのコミュニケーションをしたい、好きな音楽を通じてリアルな場での交流を生み出したいという思いが募るようになった。



溝口は若手の同僚たちと計5人で提案した。仕事終わりにチームメンバーの家に集まり、遅くまで議論を重ねた。なぜやるのか、この商品は誰の、どんな課題を解決するのか……。社内で検討するプロセスの中で、厳しい指摘を幾度も受けた。「正直、苦労と悩みの連続でした」

自分が作った製品を世界に届けられる。そんな企業だから、入社した。「実際に自分の作った製品を使って喜んでくださる、そんなお客様の顔が見たいと思って」。

顧客のこれまでにない欲求や不満を感じ取り、“モノ”だけでなく“体験=コト”としてユーザーに提供できる、そんな新たな「カデン」を生み出したいと考えている。

「今までにない楽しさとやりがい」
大企業内でゲームチェンジャーを見出し、育てる

彼らにチャレンジの機会を用意したのが、ゲームチェンジャー・カタパルトだ。社内公募型のビジネスコンテストを実施し、数十件のアイデアから書類選考で15チームが残り、経営幹部向けピッチや事業性検討会を経て、6チームがSlush Tokyo 2019への切符を手に入れた。セミナーやメンタリングの機会を与え、アイデアをブラッシュアップさせてきた。

提案者が自身の原体験や問題意識に基づいた強い思いを持っているかどうか、顧客の課題を正しく捉えているか、共感を呼ぶサービスかどうかなどを総合的に審査した。

「Howling Box」の溝口はこのように振り返る。「現業の仕事をしながらでもアイデアを具現化する機会があるのはすごくありがたいと感じています。今回ゲームチェンジャー・カタパルトで体験した顧客視点での企画立案、検証といったフェーズは、今までの会社生活では得られなかった楽しさとやりがいがあり、考え方が変わりました。自分たちでしかできないからこそ、自分たちがやらないといけない、そんな責任感を持って進めています」

2月5日に東京・浜松町の文化放送で開かれたイベント「浜松町Innovation Culture Cafe」に登壇したゲームチェンジャー・カタパルトの深田昌則代表は「テクノロジーに加え、コンテンツやサービスも含めて『家電』の定義を拡張し、未来の『カデン』をカタチにしていきたい」と語った。



Slush Tokyoの魅力について、深田代表は取材にこのように話した。

「日本にいながら海外にいるかのような感覚で、世界に発信していくことが出来る貴重な場。社内ではなかなかできない経験、各チームには体験することが貴重な経験になると考えています。想定顧客やスタートアップ企業、投資家などの共感を得ることで、パートナー探索のきっかけづくり、将来のキャリアビルディングや事業開発につながります」

独自の感性と使命感を持った若者が大企業内でチャレンジの機会を与えられることは、旧来的な日本企業のあり方を変える革命的なことだ。瑞々しいアイデアをカタチにし、世に問うことで、新たな収益を生み出す新商品が出来上がるかもしれないし、他のプレーヤーとのコラボレーションの機会に恵まれるかもしれない。意欲ある社員の離脱を防ぎ、会社へのエンゲージメントを高める効果もあると言えるだろう。

深田代表はこうも語る。

「成長したカタパリスト(ゲームチェンジャー・カタパルト経験者)の活躍に影響され、『私でもやれるかもしれない』と一歩踏み出す人が増えてきています。企業文化を変えるのは10年かかると言われますが、『チャレンジ、そして失敗を許容する文化』が少しずつパナソニック内に生まれてきているように感じます」

「こけたら、立ちなはれ」。松下幸之助の言である。1918年の創業から2018年で100周年を迎えた、日本を代表する大企業のチャレンジに今後も注目したい。



パナソニックでは今回のSlush Tokyo 2019に「KajiTrainer」(カジトレ)、「Howling Box」を含めた、以下の6つのプロトタイプも展示する。「未来のカデン」の可能性を世に問い、コラボレーションの相談も受け付ける。

DECARTE:口腔内セルフチェックシステム
口腔内の健康を保つため、AI画像認識エンジンを使い、自分の口の中を簡単に撮影できるデバイスと専門アプリでセルフチェックができるシステム。



DishCanvas:料理の表現を拡張するスマート食器
「皿」が自在のキャンバスに。料理と皿のマリアージュで、さらなる美味しさを引き出すことができるスマート食器だ。専用のアプリで、料理を彩る映像を簡単に生成できる。



Hitokoe:お出かけアシスタント
出かける際に必要な持ち物を、「毎日必要なもの」「特定の日だけ必要なもの」「天候に応じて必要なもの」の3カテゴリに分けてサポートする声のアシスタントサービス。



KajiTrainer(カジトレ):日常の家事を運動に変える
カジトレは、家事の負荷を活用し、一人ひとりの生活スタイルに合わせた運動をするサービス。専用のカジトレベルトを着用するだけで、家事×運動という新しいライフスタイルを提供する。



Michor:セルフヘアスタイリングソリューション
両手を使い、直接目で見えない後ろ姿を意識しながらのヘアアレンジは難しい。正面だけでなく、後ろ姿を見ながらヘアアレンジができる鏡だ。



Howling Box:音楽を介したインタラクティブコミュニケーションサービス

音楽への共感をもとに、人と人とのつながりを創っていく新しい音楽体験サービス。飲食店で曲をリクエストしたり、他の客のリクエストに対し「いいね」を送ったりすることができる。



また、下記のステージも予定している。

Panasonic: Game Changer Catapult Intrepreneur Open Pitch & Talk Session
日時:2月22日(金)11:15〜12:15
場所:Slush Tokyo 2019会場内Dialogue Stage
ゲームチェンジャー・カタパルトが出展する6チームによるプレゼンテーションや、ゲストとのトークセッション。
ゲスト登壇者:
• Alexandre Bartholo氏(Assemblage CEO)
• 草野絵美(アーティスト・インフルエンサー)

Product Pitch
日時:2月22日(金)15:00〜17:00 (うち2枠で登壇予定)
場所:Slush Tokyo 2019会場内Pitch Stage
登壇予定者:
• 「Howling Box」リーダー溝口仁成
• 「Kaji Trainer」(カジトレ)リーダー鍛冶茉里奈

Panasonic: Game Changer Catapult Business Creation Open Dialogue Session
日時:2月23日(土)12:10〜13:10
場所:Slush Tokyo 2019会場内Dialogue Stage
全三部構成。第一部は、慶應義塾大学総合政策学部の琴坂将広准教授とForbes JAPAN副編集長の谷本有香がゲームチェンジャー・カタパルトの戦略的オープンイノベーションについてトーク。 
ゲスト登壇者:
• 慶応義塾大学 総合政策学部准教授、政策・メディア研究科委員 琴坂将広
• 谷本有香(Forbes JAPAN副編集長)
• ホスト:深田昌則(パナソニック株式会社 アプライアンス社Game Changer Catapult 代表)
第二部はゲームチェンジャー・カタパルトが進めるエイベックス、慶應大とのコラボレーションから生まれた事業アイデアのピッチ。
第三部は美そうじコンサルタントの清田真未を迎え、家事とトレーニングに関する対談や実演を行う。
ゲスト登壇者
• 清田真未(美そうじコンサルタント)
• 美そうじグループのメンバー


「Game Changer Catapult」(ゲームチェンジャー・カタパルト)
https://gccatapult.panasonic.com/

・公式アカウント
Facebook:https://www.facebook.com/gccatapult/
Twitter:https://twitter.com/GCcatapult

・パナソニック企業情報
https://www.panasonic.com/jp/home.html

・慶應義塾大学 琴坂将広研究会
http://iber.sfc.keio.ac.jp/

Promoted by Game Changer Catapult 文=林 亜季

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