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2018.12.17

Honda・インサイトの10年ぶりの復活。ハイブリッドカーにも、“走る”という本質を

約10年の時を経て、Honda・インサイトが帰ってきた。

1999年、世界一の燃費性能を追求した初代モデルで世間をあっと言わせた。2009年、コンセプトを大きく変更し、ハイブリッドカーブームを牽引。そして2018年。またしても大きなコンセプトチェンジを経て、シビックの上位モデルとなったインサイトには優美さが漂う。

徐々に、上位モデルへと変貌していったHonda・インサイト。モデルチェンジにあった背景について、商品ブランド部商品企画課の間俊輔氏と、イノベーション研究者でもある米倉誠一郎氏の対談から紐解いてみよう。

追求したのは、クルマが持つ本来のプライムさ

--まずは間さん、ご自身のインサイトへの関わりについてお聞かせください

間:私は商品企画を始めてから三年ほど経ちますが、昨年、新型シビックの日本担当をさせていただき、このインサイトで2車種目となります。最近のクルマは、お客さまにとって使い勝手の良さが大事だと言われていますが、Hondaは「生活を豊かにすること」と「操る喜び」がクルマの両輪だと考えています。

今回の新型インサイトは、どちらかというと後者のほうで、楽しいクルマであるとか所有することが喜びになるクルマを目指しました。


--では、米倉先生にとっての、Hondaというメーカーへの想いについてお話いただけますか。

米倉:僕はイノベーション研究者です。だからHondaの創設者である日本で最もイノベーティブな経営者の一人、本田宗一郎さんにはすごく共感と好感をもっていて、素晴らしいメーカーだと思っています。昔、私がアメリカにいた頃のことですが、シティ・カブリオレや初代プレリュードが投入された時はすごい衝撃でした。

僕だけじゃなくアメリカ人も含めて「なんだ、これは!?」と前のめりになって見たものでした。ただ、個人的に最近の日本車は総じてつまらなくなっていると思っていたので、今日は新型インサイトに期待を抱いてきましたね。

--今回インサイトは10年ぶりのフルモデルチェンジとなりますが、間さん、初代、二代目の販売実績についてはどうでしたか?

間:初代は世界ナンバーワンの燃費にこだわったモデルで、約10年間でおよそ2300~2400台販売しました。燃費を何よりも優先にした部分もあって、2シーターで大容量のバッテリーを積むなど、とにかく燃費第一のモデルでした。

2代目は、「ハイブリッドカーを多くのお客様に届けたい」という思いがあり、お客様に手の届きやすい価格で商品を提供することを目指しました。形状的にはコンパクトな5ドアハッチバックになり、多少乗員スペースは狭くはなったものの、約15万8000台の販売をさせていただきました。

米倉:後輪を隠したデザインを含め、僕も初代インサイトのコンセプトは面白いと感じました。二代目は乗ってないので詳しくはわからないですが、みんなあれくらいのサイズのクルマを求めていた時代で、価格的な戦略についてもよかったのでしょう。


--3代目となる新型の目指した部分、コンセプトなど開発の背景についてお聞かせください。

間:まずコンセプトとして打ち立てたのが、“変わることのない本質(Timeless)とシンプルさ(Minimal)”。それをプライム(上質)なクルマとして届けたいというところから、企画がスタートし、「そもそもプライムとは何だ?」という議論になりました。

デザインや走りの良さであるとか、単純に運転して楽しいとか、純粋な「走り」であるとか。そうしたクルマの本質的価値を追求する。骨格はクルマの基本形であるセダンで実現しようということになりました。

“Hondaらしさ”という大きな期待に、いかに応えるか

--たしかにハッチバックからセダンへの変更で、戸惑うお客さんもいるかもしれません。ただ、このデザインはすごくセクシーですね。特に最近のコンパクトからミドルサイズのハイブリッドカーって、デザイン性が失われていたように感じていましたので。

間:燃費を重視すると、空力性能やバッテリーの配置などでどうしても似通ったデザインになってしまうんです。

米倉:しかし、次世代車でも優れたデザインのものはありますよね。僕はHondaが好きだからこそ期待してしまうんですが、今回のインサイトに感じられる独自性はどこにありますか。

間:たしかにHondaというメーカーはいい意味でお客様からの期待値が高いと感じています。次世代車ならEV(電気自動車)や水素自動車になりますが、まだまだ高価で、航続距離なども制限があります。インフラだって整っていない。ハイブリッドはガソリンを使うクルマですが、EVの性質を持ち、次世代自動車のなかではスタンダードになってきています。

インサイトチームとしての答えは、ほかのメーカーがやっているようなハイブリッドカーの方向性でいいのかという疑問を持ち、その答えとしてお客様がHondaに求めている部分、つまり独自性はスタイルの良さであり、走りの良さだと考えました。

米倉:運転すれば従来のハイブリッドカーとの違いがわかると。

間:どちらかというと今までのハイブリッドカーは燃費を実現するため、とにかくガソリンを無駄に使わずに電気で効率よく走らせようとしていたと思います。

ところがこのインサイトは、まず走りの爽快さだとか、ハンドルを握った時に“いい”と思っていただけるようなセッティングにしています。2モーター式の「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載し、走りの味付けにも上質さを感じていただけるよう相当力を入れています。クルマの本質的な価値である“走りの楽しさ”をお届けしたいと思って、このようなパッケージングになっています。

米倉:本質的価値という話がでましたが、製品としてのクルマではなく、クルマというストーリーを売ることはいいことだと思いますね。ただただ燃費だけを追求したクルマを作っていると部品提供者になってしまいますから、いつか別のものにとって変えられてしまいます。

19世紀のアメリカに鉄道王として有名なヴァンダービルトという人がいたんですが、20世紀になって消えてしまった。その理由について著名なマーケターであるセオドア・レビットという人が書いているのですが、「もし彼らが自分たちのビジネスを鉄道でなく、輸送と定義していたら、世界は変わった」と。

ヴァンダービルトは自分のビジネスを鉄道と決めていた。輸送だと定義付けて、当時まだ主流ではなかった自動車業者を吸収して展開していたら、永続的に事業を発展させていたかもしれません。

その点、Hondaは他社にはないHondaらしさがあって、最近じゃHondaJetができて、モビリティとかトランスポーテーションとか、常に違いを見せようとしていますね。


移動手段としての快適さと走りの良さ、両面を追求

--お二人に伺います。この20年、燃費やユーティリティを求め続けた結果、日本ではミニバンやSUVが台頭してきたのだと思いますが、「走り」を求める声はどこにいったと思われますか?

米倉:たとえば、本格的な悪路走破性能を備えたSUVに東京で乗っても何の意味もないわけです。しかし、そんなクルマに乗っている人は、きっと「週末になったら鴨を撃ちに行く自分」を想像しているような側面があります。そのイメージは、オフロードに強い走りが好きなわけではなく、そうしたライフスタイルが好きなんだと思います。

同様に、Hondaからビートが出た時、多くの人も僕も「まるでバイクだ、面白い」と感じた。ただし、その走りそのものよりは、ファンキーなビートに乗っている自分が面白いのだと思いました。

そういう意味では、「走り」を求めている人はすごく少ないが、走りにこだわったクルマに重ね合わせるストーリーを求める人は一定程度はいると思います。

間:実は私も、走りを求めるといった声は必ずしも多くないと思っています。現代では自動車の保有台数が多くなり、クルマを持つのが当たり前になりつつある時代ですから、クルマを移動の手段と考えている人も多い。

それでもHondaは走る楽しさを提供することと移動の快適さを提供すること。この両方をやっていく必要があるということがベースにあると思っています。



--Hondaのラインナップにおける位置付けとしては、シビックとアコードの中間になるんでしょうか?

間:そうです。そういった意味でも、この新型インサイトを移動手段として買っていただくのではなく、運転することを楽しんでいただきたいと思っています。

Hondaとしては、生活を豊かにするためのモデルとしてNシリーズだとかフィットだとか、多くのモデルをご用意しています。一方で、そうではない走りの良さだとか所有する喜びだとかを求めるお客様には、昨年発売したシビックや、このインサイトでお答えさせていただきたいと思っています。

米倉:ニューヨークなんかではもうクルマのシェアリングが始まっていますが、シェアリングがスタンダードになった時に、本当に選ばれるクルマになっているかどうかも大事ですよね。

そういった時代がくるなかで、Hondaのクルマには、使う価値と独自の世界観をどこまで持っているのかという部分が問われてくると思うんです。

間:昨年シビックを発売する前は、販売的にミニバンとか軽自動車が多くなった結果、お客さまから「Hondaはいつからミニバンと軽の会社になっちゃったの」などとおっしゃる方もいらっしゃいました。それを打開したいという思いもあって、昨年はデザインと走りを追求したシビックを投入いたしました。

それでも今の世の中からすると、環境にいいクルマも求められているなかで、シビックは残念ながらガソリンエンジンしかタイプが存在しませんでした。日本ではこのクラスのクルマだとやはりハイブリッドが求められるというのはわかっていたので、シビックと近い時期にこのインサイトもご用意することで、日本のお客様に両方お届けしていきたいと思っています。

--米倉先生が実際に実車を見たご感想はいかがでしょうか?

米倉:ボディーの後方にボリュームがあるのが特徴ですかね。プレミアムなモデルになるほど、こう言う傾向がありますよね。

間:ええ、最近のセダンは3ボックスじゃないものがトレンドです。昔のセダンと違ってもっとウインドウを寝かせた、スリークなデザインのクーペスタイルですね。

米倉:なるほど。内装に関してもクリエイティブな雰囲気が感じられます。そしてシートもかなりスポーツタイプな造りですね。

間:他車に比べて、ワイド&ローなパッケージをしていますから、座った印象はスポーティーに感じると思います。走行中も地面との接地感や安定感が感じられるはずです。

米倉:後席も座ってみると、結構広いですね。

間:ハイブリッドバッテリーをすべてリアシート下に配置しましたので、後席もゆったり座っていただける空間ができていると思います。

米倉:このクラスで居住空間も高次元にあるというのは素晴らしい。このクルマ、居住性も80点、燃費も90点、スタイルも90点といった感じで、スパイダーウェブ採点をやっても、かなりバランスがいいんでしょうね。

間:やはり先代まではコンパクトかつ安価でお客様に届けたいという思いがあって、なかなか実現できなかった部分がありました。新型インサイトは本質的なところを持つことができました。このサイズ感と質感と走りの良さのすべてを妥協しないクルマに仕上がっていると思います。

米倉:つくづくクルマって世界観が大切なのだと実感しますね。そして、そのクルマをどこに売るのかというのも大事。そういう意味では、この新型インサイトのカテゴリーって、マーケティングで空いているところですよね。

日本の中間層のカテゴリーに売るとなると、結構売れるような気がしないでもないですね。ぜひ来年あたりに、販売結果をお聞きしたいですね、楽しみにしています。

Hondaインサイト
https://www.honda.co.jp/INSIGHT/

Promoted by Honda 文=安藤修也 編集=後藤亮輔 写真=西川節子

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