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2018.04.10 19:00

世界で戦う起業家が語る、海外展開に必要なこと

田所雅之 ベーシックCSO/ユニコーンファームCEO(左)と徳重徹 テラモーターズ・テラドローンCEO

田所雅之 ベーシックCSO/ユニコーンファームCEO(左)と徳重徹 テラモーターズ・テラドローンCEO

日本のスタートアップを取り巻く環境は、徐々に整備されてきている。しかし、海外展開に苦戦するスタートアップはまだまだ多いのが現状だ。海外展開をうまく軌道に乗せるためには、一体何が必要なのだろうか。

経済産業省が主導する「飛躍 Next Enterprise」は、国としてスタートアップの海外展開を支援する活動を行っている。2018年3月23日に開催された当事業の参加企業からの報告会内にて、「海外展開に挑む日本企業の在るべき姿とは」と題したパネルディスカッションが行われた。

登壇者は、ベストセラー『起業の科学 スタートアップサイエンス』著者のベーシックCSO/ユニコーンファームCEO 田所雅之氏と、東南アジアを中心に展開するテラモーターズ・テラドローンCEO 徳重徹氏。

田所氏が考える、海外展開に必要な5つの検討事項、「WANT」「CAN」「NEEDED」「GET PAID」「GROWTH STORY」について、徳重氏の実体験を交えながら語られたセッションのダイジェストをお届けする。


WANT — 本当に海外展開したいと思っているか

田所:私がシリアルアントレプレナーや投資家として多くの企業を見てきた中で、最も大切なのが「WANT」です。「WANT」は、たとえ多額のお金があったとしても補えません。想いや意志が強ければ強いほど、それは大きな武器になります。

徳重:私は2001年から5年間ほどシリコンバレーにいたのですが、その時、シリコンバレーの会社は次々と世界へ展開していくのに、海外で戦う日本のスタートアップはとても少なかった。

私がサンノゼにいた頃、近くに、「DVDが1か月借り放題で20ドル」という定額サービスをやっていた50人ほどの小さな会社があって、「こんなの成功するのか?」と思いました。それが今や、時価総額8兆円のネットフリックスです。

どうしてシリコンバレーの企業にできて、日本の企業にできないのかと、日本人として悔しい思いをしたことが原体験になっています。

今でも海外、特にアジアでは、日本の会社や日本人はほとんど戦えていない一方で、現地の人々は日本という国に対してとても厚い信頼を寄せています。過去の日本人たちが様々な形で築き上げてきた「信頼」という無形資産を生かさないのはもったいないし、他の国にはない資産だと思います。

NEEDED — その市場の潜在的な需要が高いか

田所:「NEEDED」の部分だと、テラモーターズのEVは日本に比べて圧倒的にニーズが東南アジアのほうが多いということがありますし、全自動衣類折りたたみ機のランドロイドも、海外の方が需要ありますよね。WHILLの場合は、電動車いすの市場は日本に比べてアメリカの方が10倍もあったそうです。


田所雅之 ベーシックCSO/ユニコーンファームCEO

徳重:現地の状況を、一次情報だけで判断するかはかなり難しいです。特に新興国の人は、本当は買わないのにやたら褒めてくることが多いので、本当に売れるかどうかの見極めが難しい。好意的な意見はポジティブに捉えながら、現実としっかり向き合ってシリアスに考える真逆の思考が必要かなと。

というのも、会社を設立して2年目でのベトナムへ進出した際、私はほとんど現地にいかずに、事業創造まではやったことない若手に現地を任せた結果、失敗した経験をしたんです。そのおかげで、現地の声を見極め柔軟に素早く判断すべき点を学びました。とにかく小さくやりながら、現地の市場を体感することが大事です。

田所:ユーザーの声を過大評価しないことは重要ですね。テラモーターズの場合は、移動手段として日本よりも市場が大きい途上国に展開したこともうまくいっているポイントです。
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