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2017年末にフルモデルチェンジを果たし、2代目となった新型日産リーフがユーザーから好評を得ている。今回、その魅力を体感してもらうべく、ジャーナリストとして多方面で活躍中の堀潤氏に取材を敢行した。日頃からさまざまなメディアで鋭い意見を発信する一方、プライベートではクルマ好きとして知られ、センスある表現でクルマの魅力を伝える堀氏に、EVならではの乗り味や日産のEV戦略を取り巻く環境などについて意見を伺った。


まるで「心地よい波に押されている」かのような加速感

試乗して一番印象に残ったのは、アクセルを踏んだ時のシームレス感ですね。実際の加速感はずいぶんと滑らかで、サーフィンで例えるなら、"心地よい波に後ろから押してもらっているような感じ"で、それでいて、坂道でもすごくパワーがありストレスを感じませんでした。

そして、新発見が多いので乗っていて楽しい。例えば、高速道路での同一車線自動運転技術(プロパイロット)は、長距離や渋滞の負担を軽減してくれて、運転の不安な人にも助かる装備ですし、クルマの後方の映像を映すルームミラー(インテリジェント ルームミラー)や、ナビゲーション画面で自車を上空からの目線で見ることができる機能(インテリジェント アラウンドビューモニター)、ボタン一つでクルマが自動でパーキングできる(プロパイロット パーキング)など、今までに体験したことのない機能は夢中になりますね。


「プロパイロット パーキング」を試す堀氏。自動で動くハンドルに驚きつつ、機能の完成度にすぐさまその有用性に言及。

だからこそ、強く感じたのが、これは「ダイバーシティ」なクルマだということ。クルマ好きな人はもちろん、運転に自信がない人、歳を重ねて運転能力に少し衰えを感じる人まで網羅できる。さらにひとりで運転したい人、家族で出かけたいなどいろいろな人たちのニーズも満たしていく、誰にとっても優しいクルマだなと。


プロパイロットとは
ドライバーに代わって、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御する高速道路同一車線自動運転技術がプロパイロット。渋滞や長時間運転の疲労など、高速道路でのストレスが大幅に軽減。ロングドライブの楽しさをいちだんと高めてくれる。


プロパイロット パーキングとは
3ステップの操作だけで、ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト、さらにパーキングブレーキをすべて自動制御し、駐車完了するまでドライバーをアシストする自動駐車技術。 縦列駐車、車庫入れなど、簡単な操作で苦手な駐車からも解放される。



運転に自信がある人でもうっかりすることはあるし、高齢者の免許返納なんかも問題になっている時代に、まず「こういう新しいシステムがあるなら使ってみたら」とか、「アクセルペダルを離すだけでブレーキがかかるんだよ(e-Pedal)」とか、コミュニケーションとしてEVへの入り口になり得る。乗るだけですごくイノベーションを体験できる車だし、もっと未来が見たくなりますよ。


e-Pedalとは
発進―加減速―停止まで、アクセルペダルの操作だけで速度調節できるので、街中での渋滞や信号でも、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み替え無しで、イージードライビングを実現。



新型日産リーフは「クルマ離れ」を防ぐフックになりうるか

現代は、クルマを持つこと自体にネガティブな意識も出てきています。お金はどれくらいかかるのか、どういったミスが事故につながるのか、さらにどれくらい環境に負荷をかけているのかなど。ライフスタイルの変化ではなく、いろいろなリスク要因を排除していかないと安心できないといった"社会風潮"のなかで「クルマ離れ」は進んでいったのだと思います。まさにいまはこれらを一つひとつ丁寧にクリアしていこうというイノベーションの過程であり、新型日産リーフは現時点での最先端を感じさせるものでした。



EVを所有することに対する社会的な意義

今後、EVにとって"都市と地域のあり方"がすごく重要なポイントになってくるでしょう。インフラはあるけれど人がいない地域、いわゆる限界集落では、過疎化や高齢化が進んでも、道路とかインターネット網とか、電気ガス水道のインフラは整っている。だからこれからはそこに移り住もうというムーブメントが定着しつつあります。減り続けるガソリンスタンドに代わって、EVなら各家庭で充電できるから、地方にほどEVは必要となってきます。

これまでのクルマは個の所有物というイメージが強かったと思うのですが、日産リーフはベクトルが外に向いていると思います。人との関わりや、街づくりをどうしていくかとか、「つながり」をベースにした全体の設計のなかに日産リーフがある。こういうクルマが広まっていけば誰にとっても優しいし、CO2の対策ひとつとっても、その解決策になると思います。

個人で所有するか地域で所有するかでもそのありようはまた変わってくると思いますが、EVはいろいろなもののハブとして、社会システムのなかの一部になっていくということです。



日本企業の価値とあり方と消費者

自動車の販売店は景気の波や移り気なニーズに直面しつつも、ユーザーへのサービスや聞き取りを強化して細かく対応しながら、メーカーの製品開発につなげてきました。日本人は手先が器用だとか、おもてなしのこころがあるからじゃなく、細かなマーケティングと、それに答える確かな技術力を高めたいという気持ちがあったからここまで発展してきたし、世界と対等に戦えていると思うんです。だからこれからもこういう日本らしさを継続していていってほしいです。

先進国である日本のメーカーが、人に怪我をさせないとか、地球を痛めつけないといった技術を生み出す努力を続けて、具体的な生活をきちんと提言し、それを守っていくことに価値を感じます。そういったビジョンが、日産リーフを買いたいという人を増やしていく販売の鍵を握っていると思います。



EVの進化に、体験したからこそ期待する

今後は、クルマの体験そのものが変わるでしょう。ポイントは直感性がさらに増すこと、つまり身体機能の拡張としてのクルマでしょうね。例えば私が体験した、本来は見えない上からの視点を見せてくれる「インテリジェント アラウンドビューモニター」は目の機能の拡張ですし、自動駐車機能「プロパイロット パーキング」も、あらゆるセンサーが反応して周囲の状況を把握してくれる。それもやっぱり感覚の拡張です。

身体機能の拡張が進んでいけば、運転席に座った瞬間にあらゆるものが手に入る。それが入り口になれば、さらにワクワクが広がると思います。メディア化していくクルマとしてのイノベーションっていうのは楽しみですし、新型日産リーフはそういうきざしを感じさせてくれるクルマです。


ジャーナリズムに根ざした堀氏のロジカルな思考と、分かりやすい言葉。新型日産リーフの可能性を具体的な人の関わりで伝えてくれた同氏。とはうらはらに、試乗時の堀氏の楽しそうな様子が強く印象に残った。EVのなめらかな加速を首都高速で存分に味わい、「プロパイロット パーキング」の体験では思わず感嘆の声があがる。新型日産リーフの楽しさ、EVの期待される未来は、乗る人のこの表情を見ればおのずと理解できる。そう感じる試乗だった。

Promoted by 日産 text by Nobuya Ando (Focke-Wulf) photo by Hiromichi Kimura (EAGLE)

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