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堤浩幸 フィリップス・ジャパン代表取締役社長◎1962年、山梨県生まれ。85年慶應義塾大学理工学部を卒業後、NECに入社。2004年シスコシステムズに入社し、06年に取締役。また、07年にはスタンフォード大学ビジネススクール修了。15年サムスン電子ジャパンCEO就任。17年より現職。

2017年12月5日、東京アメリカンクラブにて開催された「PHILIPS PARTNERSHIP MEETUP」。その壇上で宣言されたのは、フィリップス・ジャパンのヘルステック・ソリューション企業への大胆な転進だった。その真意を代表取締役社長の堤浩幸に聞いた。


止まらない医療費の増大、明るい未来のために、いまできること

「2015年に42兆円だった国民医療費は、25年には54兆円になると試算されています。こんなお金をどうやって出すのか。30年には日本の生産人口はいまの6割を切ってしまう。これは喫緊の社会的課題であり、一刻も早く解決しなくてはいけない大問題です」

フィリップス・ジャパン代表取締役社長・堤浩幸は警告する。同社では、10月1日にそれまでのフィリップス エレクトロニクス ジャパンから社名を変更し、改革を図った。

医療・ヘルスケア製品販売から、ワンストップでヘルステック・ソリューションを提供できる企業へと転進したのだ。

「病気を治すことよりも予防が大切、病院から在宅医療へ。そうした考え方に切り替えることで、多くの問題が解決します。そのためのICT化やデジタル機器の提供だけでなく、オープンなクラウドサービス『HSDP(HealthSuite Digital Platform)』を含めた包括的なソリューションを提供するために、我々は生まれ変わったのです」

厚生労働省が打ち出した療養病床削減方針を受けて行き場がなくなることが懸念されている高齢患者。堤はその最適な受け皿となるのは"家"だという。

「まず自宅での予防行動で病気にならないように各種センサーを搭載したIoT機器などで各々が健康状態を管理することが大切。すでに電動歯ブラシ『ソニッケアー』製品では、磨けているかのデータを各自がスマホで確認、管理できるアプリを開発しています。

次に在宅医療。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は在宅でのCPAP機器を使った治療が重要ですが、そのデータもクラウド管理により的確な治療が可能になります。他にも睡眠や血圧の状態を把握できるセンサー機器など、在宅医療を補助する機器は続々誕生しています。

最後は遠隔医療ですが、それを可能にするICTネットワークを活用した『デジタル病理システム』が国内で初の医療機器承認を受けました。このようなイノベーションにより、これまで以上に迅速で高品質な遠隔治療を患者様に享受していただけると期待しています。これが我々の描く未来です」

そしてその目的を実現するために必須なのは、垣根を越えた"協業"なのだという。


・フィリップス戦略
ヘルステックカンパニーへの変革製品単体売りからヘルスケアソリューション提供へ(モノ売りからコト売りへ)

・一人ひとりのニーズに合ったケアの提供
専門医療とパーソナルヘルスの融合で、一人ひとりのニーズに合わせた医療提供

・低コストで質の高いケアの提供
デジタルによる医療・ケアの最適化(自動化・効率化)による低コストで質の高いケアの提供

・コネクテッドケアの提供
遠隔医療、IOTによる新しいサービス提供で、一人ひとりに包括的なケアを提供



「一社だけで未来を描こうとは思っていません。パートナー企業との協業による理想的なエコシステムを実現したいのです。すでに地域と密着した物流会社、IoT機器として無限の可能性を秘めたモバイル端末を発売する通信会社などとの連携は始まっています。弊社が2025年までに国内1億2000万人、地球上の30億人の明るい未来を描く計画、そのために必要なデジタルを活用したイノベーション、それこそがヘルステックなのです」

Promoted by フィリップス・ジャパン text by Ryoichi Shimizu photograph by Shuji Goto edit by Akio Takashiro

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