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2010年に登場し、世界中で30万台(※1)が走る日産の100%電気自動車「日産リーフ」。その2代目となる新型「日産リーフ」が2017年10月に満を持して発売され、話題を呼んでいる。そこで、日本におけるEV市場を牽引する日産自動車の日本EV事業部小塚功子部長に、フォーブス ジャパン副編集長の谷本が、EVを取り巻く社会環境の変化や新しい日産リーフの魅力、EV市場の行方を聞いた。


谷本有香(以下、谷本):2017年10月に、フルモデルチェンジした新型日産リーフが発売されました。9月6日の発表からわずか2週間で4,000台の受注を得たそうですね。

小塚功子(以下、小塚):おかげさまで、2017年12月の時点で1万2千台の受注をいただいております。これは、すでに初代日産リーフの直近1年間の販売台数に匹敵しています。発表前は、どんな反応があるか予想できない部分もあったのですが、新しい日産リーフの誕生を待っていて下さった方がこれほど多かったのだなと思いました。

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谷本:それほど多くの方が待ち望んでいたということですね。今回のフルモデルチェンジでは、日産リーフのどんな点が変わったのでしょうか。

小塚:車の性能が圧倒的に上がりました。まず挙げられるのが、バッテリー容量の拡大です。初代日産リーフのバッテリーは24kWhで、その後30kWhのモデルも発売されましたが、新型日産リーフは容量を上げ、40kWhのバッテリーを搭載しています。バッテリーの容量が大幅に拡大したことにより、1回の充電で走行できる航続距離が400kmに達しました。初代から新型へ買い替えたお客様からは、「乗る頻度や距離は変わらないのに、充電の回数が減った」というお声もいただいております。

谷本:1回の充電で走行できる距離が増えると、遠出がより楽しくなりますね。

小塚:はい。加速性能もさらに上がっています。そして今回、力を入れたのが知能化技術を使った先進機能の充実です。ボタン操作一つで駐車できるようドライバーをサポートする自動駐車機能〈プロパイロット パーキング〉や、高速道路での渋滞時やロングドライブの巡行走行時などのストレスを軽減させてくれる高速道路同一車線自動運転技術〈プロパイロット〉を新たに搭載しました。

谷本:店舗などで試乗なさったお客様からは、どんな反応がありましたか?

小塚:試乗では必ず自動駐車機能〈プロパイロット パーキング〉を試していただくようにしているのですが、多くの方が「ここまで技術が進んだのか!」と驚かれます。時間に余裕がある場合、高速道路でプロパイロットの自動運転技術を体験していただくこともあります。合流地点でビュンと加速する立ち上がりの良さに感激される方も多いですね。


〈プロパイロット パーキング〉はボタンひとつで駐車をしてくれる。人の作業がほぼ無い仕組みだ。

谷本:加速の立ち上がりの良さはEVならではの魅力ですが、バッテリー容量の拡大でその魅力がより強化されたということですね。

小塚:そうなんです。新型日産リーフのすべてのグレードについているe-Pedalへの反応も大きいですね。e-Pedalはアクセルペダルだけで運転できるシステムで、アクセルペダルを踏み込めば加速し、ゆるめるとブレーキを踏んだ時のように確実に減速し、停車まですることができます。乗り始めは戸惑っていた方も、信号を何度か通るうちに「一つのペダルだけで操作する方がラクだし、楽しい!」とおっしゃることがほとんど。新型日産リーフは運転の仕方そのものが楽しく変わる車なのです。

谷本:進化を遂げた新型ですが、初代から変わらない点はどんなところでしょうか。

小塚:それはやはり、日産自動車がEVを作る理由です。「ゼロ・エミッションによって地球を守る」「事故を防いで人のいのちを守る」という二つの柱を実現するのがEVであり、知能化技術です。そのファンダメンタルな部分をお客様に伝える、という部分は初代から変わっていません。

谷本:一方で、お客様が日産リーフという車に求めるものは7年間で変化したと思いますか?

小塚: EVを選んだ方の8割は「あの静粛性と加速性能を一度味わったら手放せない」と、次のクルマ選びの際もEVを希望されるのです。ですから、新型はその静粛性がいかに進化したかをお伝えするようにしています。新型は遮音材を追加して静粛性をグレードアップしました。外の音が聞こえないほど静かなので、普通の大きさの声でも、後部座席と運転席、助手席で会話ができるんですよ。この点もアピールポイントだと思っています。



谷本:御社は日本におけるEV市場のパイオニアですが、それゆえのご苦労もあったのではないでしょうか。

小塚:初代を発売した際は、お客様はEVのどんな点に不安を感じるのか、それを払拭するには何をどう説明したらいいのかがつかみきれていなかったうえ、売り手のレベルにもばらつきがありました。ですが、この7年間で社員自身がEVユーザーとなることでお客様の気持ちを理解し、「EVだからこそ強調すべきポイント」を蓄積し、レベルもアップしました。今では、「EVを選ぶお客様の気持ちがわかること」が当社の強みになっていると思います。

谷本:御社が日本のEV市場を切り開き、牽引したこの7年間で、社会環境はどう変化したと捉えていますか? また、現時点での課題はどんな点でしょうか。

小塚:2017年6月あたりから、海外でもEVシフトの影響が出てきていますね。充電設備の普及も進んでおり、その背景には欧州におけるEV販売台数の伸びや環境意識のさらなる加速もあるでしょう。日本では、実質的に100%電気自動車の量販車を販売しているのは当社だけですので、7年前に初代日産リーフを販売した時はもちろん、インフラが整っていませんでした。現在では、日本全国で28,500基(※2)の充電器が設置されています。急速充電器も全国に7,200基(※2)設置されていますが、急速充電器が複数台設置されていても混雑するスポットと比較的空いているスポットがあり、その点も改善すべき課題ですね。



谷本:日本でも、EV・PHVロードマップでは「2020年のEV/PHVの普及台数を保有ベースで最大100万台」という目標が設定されています。御社ではどんな展望をお持ちなのでしょうか?

小塚:日本のEV市場において、2020年は大きなターニングポイントになるでしょうね。日本でEV産業が拡大するタイミングが、当社のEVを増やすタイミングにもなると思っています。当社には100%電気自動車と、e-POWER(ガソリンエンジンで発電し、EVのような走りを可能にする電動パワートレイン)を搭載した車があります。e-POWERは量販モデルにも入っているので、そうした技術を使って電動化技術を使った車を何倍にも増やしたいと思っています。

挑戦的な価格に見る、日産の本気

谷本:日本におけるEV市場の拡大のために、御社ではどんなことをしていきたいとお考えですか?

小塚:EVの付加価値を高め、それを伝えていくことですね。東日本大震災以降、日本では持続性のあるエネルギーへの関心は高まっています。EVは再生可能エネルギーを使用できるだけでなく、スマートグリッド(次世代送電網)の一翼を担うことができるという側面を持っています。具体例を挙げますと、節電の必要性が高まる夏など、日産リーフのバッテリーに蓄電し、電力会社に返すといったことが可能です。量販車であるEVを販売している当社としては、今後さらにこうしたスマートエネルギーマネジメントの仕組みを提供していかなければと思っています。

谷本:蓄電池としてのEVバッテリーの需要も今後、増えそうですね。

小塚:はい。今後は社会に還元できるEVの付加価値を作り上げ、普及させることが日本における当社の使命だと思っています。新型日産リーフは初代と比べてバッテリーの容量が大幅に拡大していますが、あえて前型から価格を大きく変えていません。というのも、当社ではEVを一部の方にステイタスを感じていただくためのものにするのではなく、あまねく広く乗っていただきたいというのが当社の願いなのです。そのため、日産リーフでは挑戦的かつ戦略的な価格設定を行っています。

谷本:2018年からは、新型日産リーフは海外へも進出するそうですね。

小塚:地球上でEVのムーブメントを起こすためにも、順次、各国の市場に出ていく予定です。新型日産リーフも順次世界へ進出していく予定です。すでに規制を発表した中国やアメリカ、ヨーロッパの市場に新型が参入することで、世界中にEVの波が来れば、自動的にその波が日本に押し寄せて来るだろうと期待しています。日産には、日本の会社としてのDNAがあります。日本のマーケットでどれだけパフォーマンスを発揮できるかが、世界に対するアピールになるでしょう。まずは日本国内で、一人でも多くの方にEVに試乗していただき、その静粛性と加速性能を堪能して欲しいですね。

※1日産ニュースリリース(2018年1月9日)より
※2日産LEAF WEBサイト「広がる充電ネットワーク」http://ev.nissan.co.jp/NETWORK/map.htmlより


Promoted by 日産 text by kei yoshida photo by shinobu ikazaki

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