編集者/ライター

自動車業界を取り巻く環境が大きく変化しつつある現代において、モビリティ産業の次のミッションに着目する今年の「東京モーターショー2017」。なかでもコンセプチュアルな展示で来場者を迎えたポルシェは、そこで何を伝えようとしたのだろう。


アジアで初公開となる3代目の新型「カイエン」、そして日本で初披露となる「パナメーラ スポーツツーリスモ」の華々しいアンヴェイルとともにスタートを切ったポルシェの東京モーターショー2017。



このカイエンは、ポルシェ初のSUVモデルであり世界で50万台以上を販売した大ヒットモデル。ポルシェ911のデザインモチーフを取り入れたスポーティーなスタイリングと、ハイパフォーマンスと快適性を両立した車。ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸社長は、このクルマを「SUVのカテゴリーにスポーツカーというコンセプトを持ち込んだ先駆者。クルマに必要とされる全ての要素を盛り込んだらカイエンになる、そういえるほどの充実した機能を備えています」と語る。



そしてもう一台の「パナメーラ スポーツツーリスモ」について、七五三木はまたこう話す。「ポルシェが新しいスポーツカーの形に挑戦したモデルであり、スポーツカーのパフォーマンスと、日常のユーザビリティを高次元で成り立たせようという意欲に満ちた一台です。生活のなかでポルシェを日常使いしながら、余暇を利用してアクティブに過ごす、そんなライフスタイルにあわせた、スタイルを提案するクルマでもあります」。



今回の東京モーターショー2017への出展にあたり、テーマに掲げるのは「進化と挑戦」。スポーツカーメーカーとしてその姿勢を貫くという決意を表明し、かつ、スポーツカーの「過去・現在・未来」を”Porsche Intelligent Performance”というテーマで表現したという。展示されているクルマは、まさにこのコンセプトを反映したものだ。



ブースのなかで最もハイライトされている一角は象徴的に「ポルシェの過去」を示す。ここにはポルシェの歴史のはじまりである1948年に誕生した356シリーズより356 Speedsterを展示。



「⼩型で軽量、そしてエネルギー効率に優れたスポーツカー。私は自らが理想とするこうした⾞を探したが、どこにも⾒つからなかった。だから自分で造ることにした」という、フェリー・ポルシェ工学博士の開発ポリシーでありいまなおポルシェの哲学として息づく言葉を具現化した一台だ。

美しいクラシックカーを象徴的に配置した一方で、また異なるゾーンではレーシングカーである「911 GT3 カップ」その市販車である「911 GT3」などを展示。ここでは、レースと共に歩み、技術に磨きをかけて市販車へフィードバックをしてきたという、ポルシェとレースの切り離すことのできない関係性を表現。



そして「ポルシェの現在」をあらわすのは、冒頭で述べた新型「カイエン」、「パナメーラ スポーツツーリスモ」、そして「パナメーラ ターボS E-ハイブリッド」だ。



この「パナメーラ ターボS E-ハイブリッド」はトータルで680馬力を発生する、パナメーラのトップパフォーマンスに位置づけられるモデル。パワートレインの電動化はあくまでも走りのためであるという、サスティナブルなモビリティへのポルシェの回答という位置づけを強調する。

では「ポルシェの未来」は? といえば、その答えは巨大なスクリーンに。ここに映し出されていたのは、2020年までに市販化を目指しているEVコンセプトカーの「ミッションE」。



七五三木は言う。「大切なことは、ピュアEVであってもPHEVでも、ポルシェはスポーツカーを作り続け、そしてお客さまが期待した以上の体験を与えていくことです。それは時代の制約のなかでパワートレインが変化したとしても、変わらない部分です」。

あくまでもエモーショナルな満足感という価値を追求するというポルシェ、そしてその価値観をお客さまとも共有したい、そんな願いを込めたポルシェの東京モーターショー2017だった。

構成・文=青山鼓

あなたにおすすめ

合わせて読みたい