中国観光研究院によると、この連休中に旅行する人は前年比10%増の約7億1000万人に上り、中国国内の観光収入は、前年比12.2%増の5900億元(約10兆円)に達する見通しだ。
中国旅行研究院が9月18日に発表した調査結果によれば、調査対象者の64.8%はこの連休中または10月中に旅行をする予定だと答えており、この割合は前年から9.3ポイントの上昇となった。また、回答者のうち16.4%が、海外旅行を計画している。
旅行の予定があると答えた人のうち、期間を「2~3日」と答えた人は31%だった。期間が長めの旅行を計画する人も増えているようだ。「4~7日」とした人は49%、「1週間~1か月」と答えた人は18%だった。
中国の旅行予約サイトCtrip(シートリップ)によると、人気の旅行先は1位がタイ。次いで日本、シンガポール、米国、ベトナムの順となった。2016年の黄金周に最も人気の旅行先だったのは、韓国、日本、ロシア、タイ、台湾だった。
「勝ち組」と「負け組」
中国国家観光局もまた、今年の秋の黄金周に中国人が向かう外国の旅行先で、最も人気が高いのは東南アジアの各国・地域と日本だとしている。中国人旅行者にビザなしでの滞在、または到着時のビザ発給を認めている国・地域(世界全体では昨年の57から現在は65に増加)が東南アジアに多いことも、人気の理由の一つと考えられる。さらに、中国と東南アジアの各都市間を結ぶ直行便が増えたことも、大きな要因とされている。
日本は国慶節の連休中、中国人にとって2番目に人気の旅行先となる見込みだ。北海道と宮城県は、中国人観光客を呼び込むための観光プロモーション動画を公開。福岡県は大型連休に合わせ、10月1日から「福岡購物節(福岡ショッピングフェスティバル)」を開催している。
日本では全国の数多くの小売業者も、中国人旅行者向けの対応を強化している。中国の通販大手アリババの「アリペイ(支付宝)」やテンセントの「ウィーチャットペイ(微信支付)」など、中国のモバイル決済サービスを利用できる店舗も増加している。
一方、韓国は今年、この期間中の人気の旅行先トップ10から外れた。今年初めに在韓米軍が実施した地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備を巡り、中韓関係が悪化した影響と見られる。また、旅行代理店が企画するツアー旅行がなくなっていることもあり、この連休に韓国を旅行する中国人は、昨年より70%減少する見通しだ。
中国政府のデータによれば、今年1~7月に韓国を訪れた中国人旅行者は、前年比で20.9%減少した。同じ期間中、海外旅行に出かけた中国人は、同5.1%増加していた。