アメリカのエグゼグティブの間で新たな気流を起こしているラグジュアリーカード(LUXURY CARD)が、2016年11月、遂に日本でもローンチした。金属製カードの華やかな表情には、おそらく誰もが魅せられることだろう。ラグジュアリーカードでは「真のラグジュアリー」とは何かを追求し、スタイリッシュなデザインに加え、機能やサービスにも徹底的にこだわり抜いている。このカードに強い関心と共感を示しているのが、株式会社ヴェルト社長、野々上仁だ。ヴェルト セレンディピティの生み親として著名な野々上にIT時代のモノづくり、ラグジュアリーとはどうあるべきか、話を聞いた。
「ラグジュアリーカードはただ最上級のクレジットカードをつくっている会社ではないというところに興味を惹かれますね。彼らはカードを軸にして、ユーザーに有意義な“時間”を提供しようとしています。そのためにコンシェルジュサービスに力を入れていますが、私たちもそういう発想でモノをつくっています。ヴェルト セレンディピティを身につけることによって、“時間”をベースにした、人々の豊かな暮らしの実現に寄与したいという発想です」
野々上はIT社会の申し子といったイメージがあるが、モノづくりにも確固たる哲学を持つ。
「私は、上質な“時間”を記憶に残していくことが、人間にとって一番大切な資産だと思っています。ITはあらゆる分野で革新的なサービスを可能にしましたが、一方でスマートフォンがひと時も手放せなくなったとか、パソコンに夢中で外出するのも億劫になったという話を耳にします。
SNSやゲーム、アプリが人々から、大切な“時間”を奪っているのではないかと思うことさえあり、世の中全体が“時間”を軽視する傾向になってきた気がしてなりません。デジタルの世界、アナログの世界、それぞれの魅力を融合させ、デジタルストレスからの解放を目指して開発したのが、このスマートウォッチでした」
ウェラブルデバイスと聞くと、未来感のある幻想的なデザインと、膨大な情報を処理する多種多様な機能にスポットが当たりがちだが、ヴェルト セレンディピティはその概念を根本から否定している。
実際に手を取ってみればわかるが、高級ブランド時計と変わらない質感を持つ。従来の時計と違うのは、文字盤の周りにLEDが埋め込まれていることと、小さな液晶画面があることくらい。どういう機能が備わっているのか、見た目だけでは想像もつかない。
「ユーザーにとって、本当に必要な情報を知らせる機能の搭載に止めたのが、この時計の最大の特徴です。天候の変化や、緊急のメールを受信したときなど用途に応じて、LEDが発光し、同時にバイブレーションが発動します。ちらっと腕を見ただけで、大切な情報が来たとわかる、そこがもっとも留意した点です」
日本を代表するイノベーターを感嘆させた、最高級のコンシェルジュサービス今年3月にジュネーブで開催された世界最大の時計展示会、バーゼルワールドでは、ヴェルトの小さなブースに、50カ国にも及ぶ国のクリエイターやエンジニアが集まり、この感性を賞賛した。
「今は個人がカスタマイズして使ってもらう形ですが、将来的にはAIを使って検索フリーの世界をつくり、完璧なパーソナルアシスタントを実現したいと考えています。そのためには他の業種にも目を向け、異分野から学ぶことも大事だと思っています」
野々上は手にしていた「ラグジュアリーカード」を眺め、こうつないだ。
「素晴らしいデザインは、完成された製品の質感が伴ってはじめて人に感動を与えます。ラグジュアリーカードには、他のカードにはない重厚感があり、手に取るだけで心が躍ります。このモノづくりへのこだわりは、そのまま、最高級のコンシェルジュサービスへとつながっているのではないでしょうか。
例えば、年末年始の忘年会・新年会や国内・海外旅行の手配だとか、あるいは家族とのクリスマスディナーに特別なレストランを予約するとか。大切な記念日や誕生日などのリマインダーやプレゼントの手配なども考えられますよね。その貴重な“時間”に思いを馳せ、ユーザー一人ひとりの心に寄り添ったサービスができるからこそ、価値があるのです」
「ラグジュアリーカード」が特に力を入れているのがコンシェルジュデスクサービス。
世界最大の国際的ネットワークを持つ運用会社と提携して、日本国内のスタッフが24時間対応する。
ラグジュアリーカードは、マスターカードの最高峰のランク、World Elite Mastercardの商品を日本で初めて提供する企業で、そのステータス性の高いカードは、いま、日本のエグゼグティブから熱い視線が注がれている。
まず、カードそのものからして普通ではない。カードは金属製でステンレスが使われており、気品ある佇まいだ。最上位に位置するゴールドカードの券面は24金メッキを施す贅沢な仕様となっている。文字やロゴは、1枚につき数十分をかけて丁寧に立体刻印するほどの徹底したこだわりようだ。
[右]表面にはブラッシュド加工のステンレスを、裏面にはカーボン素材を使用したラグジュアリーカードのMastercard® Titanium Card™。[左]曲げても割れない天然石のベルトを使用した「VELDT SERENDIPITY モデルVX Stone Rose 181,440円(税込み)。真のラグジュアリーとは何かを追求し、人々に最高の“時間”をもたらすコンシェルジュサービスは、野々上のフィロソフィーとも共鳴する。モノづくりの先にある人々の暮らしにまでイメージを働かせて生まれた製品には、ドラマチックなストーリーがあるもの。それゆえ、人の心を奪うのだろう。
野々上 仁 (ののがみ・じん)
株式会社ヴェルト代表取締役CEO。1968年生まれ。京都大学経済学部を92年に卒業後、三菱化成(現・三菱化学)で光ディスクのビジネス開発を担当。MDの透明ケースの発案者でもある。ネットワークコンピューティングと出合い96年サン・マイクロシステムズに入社し同社の顔として活躍。2009年に執行役員。2010年のオラクルによる買収後も執行役員を務めた。2012年独立しウェラブルの新興ブランド・VELDT(ヴェルト)を設立。同社最初のスマートウォッチ”VELDT SERENDIPITY”は時計としての完成度の高さや独自の情報表現で日本のみならず海外からも注目を集めている。
ラグジュアリーカードとは
米国で広がる富裕層向けクレジッドカード「ラグジュアリーカード」、2016年11月1日初の海外進出として日本上陸。日本向け特別特典を備えた最先端金属製クレジットカード3種類を発行。いずれもマスターカードの最上位にあたる「World Elite Mastercard」が日本で初めて採用している。カードは質感の高い金属製でデザイン性と耐久性を兼ね備えたラグジュアリーな仕様。1枚1枚丁寧にレーザー刻印で名前を刻んでいる。
http://www.luxurycard.co.jp