失敗しても後悔しないのはわかっていた。
だが、それを試さなかったら後悔していたことだろう。
そう考えたら決断するのは信じられないくらい簡単になった。
―ジェフ・ベゾス (アマゾン創業者)
86 年にプリンストン大学を「最優秀」の成績で卒業したベゾスは、どんどんキャリアをアップし続け、28 歳のとき「D・E・ショー」社で最年少の上級副社長となった。30 歳のときに「インターネットで本を売る」ビジネスを会社に提案したが否定されると、会社でできないなら自分でやると決めたベゾスは退職の意思を伝えるが、社長に強く引き留められた。
そのときベゾスは80 歳になった自分をイメージしたという。無限の可能性を秘めたネットビジネスを諦めれば人生を後悔する。たとえ失敗しても「何かをした」ことは、「何もしなかった」後悔よりもはるかに大きなものをもたらしてくれると考えた。そして周りの反対を押し切って生まれたのがアマゾンだった。
僕は毎日のように自問している。
「自分にできる一番大切なことをやっているだろうか」と。
―マーク・ザッカーバーグ (フェイスブック創業者)
ザッカーバーグがハーバード大学の学生寮で始めたフェイスブックは瞬く間にユーザー数が1 万人を超え、オープン登録制にしてさらに数を増やしていった。当然、買収の申し出もエスカレートしていく。だが、ザッカーバーグはそのたびにそれらを拒否した。
ザッカーバーグの関心はお金儲けではなく、フェイスブックをよりよいものにして世界を変えていくというビジョンだった。しかし、ヤフーから10 億ドルで買収提案が寄せられたときは大いに悩んだ。だが、「僕たちにはもっと大きく世界を変えるチャンスがある、誰かがこのお金を手にすることが僕にとって正しい行動とは思えない」と提案を拒否。フェイスブックは成長を続け、株式上場した12 年には時価総額1000 億ドルを超えていた。