プーチンは10月、ロシア大統領府のウェブサイトに挑発的な演説文を掲載し、西側諸国との対立における核の脅しを一段と強めた。その中でプーチンは、西側諸国をあざ笑うかのように、核兵器を用いた衝突について「それは瀬戸際へ向かう道だ。世界の主要国が、あらゆる生命を破壊するか、少なくとも地球を壊滅的な状態に追い込めるだけの兵器を保有している今日においてはなおさらだ」と警告した。
旧ソ連と同じく、ロシアは戦略・戦術核兵器の世界最大の保有国だ。これは、かつて共産圏の頂点に君臨した超大国の地位の最後の名残である。
「これらの兵器が決して使われないと保証できるだろうか? もちろんできない」とプーチンは主張し、英国やフランスも核保有国であることを認めつつ、次のように豪語した。「ロシアが現在保有するような攻撃能力を有している国は他にない。これこそがわれわれの競争上の優位性だ」
プーチンが新たな核の威嚇を行ったわずか5日後、エマニュエル・マクロン仏大統領は、ブルターニュ沖で行われた原子力潜水艦「ル・ヴィジラン」による核搭載可能な新型弾道ミサイルの発射試験を電撃視察した。
仏有力紙ル・モンドは「ロシアが欧州に対するハイブリッド戦を激化させ、核の脅威を振りかざし続けているこの状況下にあって、フランス大統領は今回の発射試験を『すばらしい信頼性の実証であり、重要な節目だ』と称賛した」と報じた。
マクロンは現在、フランスの核戦力の拡充と近代化を急ぐとともに、その防衛対象を緊密な同盟国にも拡大しようとしている。
世界各国の核兵器保有状況を追跡しているシンクタンク、全米科学者連盟(FAS)の専門家らは、フランスの核戦力に関する包括的な報告書の中で次のように述べている。「フランスは現在、約290発の核弾頭を保有している。また、約80発の退役弾頭が解体待ちの状態にあり、核弾頭の全保有量は約370発となる」
FASの報告書はさらにこう付け加えている。「2025年4月に(サンディジエの核基地に配備されているラファール戦闘機を含む)フランス軍機がスウェーデン北部に展開した際、駐スウェーデン仏大使は『マクロン大統領が述べたように、[フランスの]核の傘は同盟国にも適用される。もちろん、スウェーデンもその中に含まれる』と明言した」
フランスの「核の盾」を欧州の民主主義諸国の防衛にまで広げ、プーチンの核の脅しを受け流す冷静で勇敢なマクロンの姿勢は、欧州とロシアの間で実際に核兵器が使用される事態を防ぐ上で決定的な役割を果たすかもしれない。その過程で、フランスはNATOにおける欧州側の事実上のリーダーとして台頭する可能性がある。
そして、ハーバード大学のウォーレンは、この先ロシアと欧州の間で戦争が起きた場合「それが通常戦にとどまり、ロシアがバルト三国で足止めされるなら、欧州が(おそらく)勝利するだろう」と予測している。


