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欧州

2026.11.07 09:30

米国のNATO関与縮小、ロシアの「核使用を誘発」する恐れ 通常戦なら欧州が勝つと専門家

ロシア首都モスクワで行われた戦勝記念パレードで、赤の広場を進む核ミサイル。2020年6月24日撮影(Mikhail Svetlov/Getty Images)

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欧州有数の情報機関であるデンマーク国防情報局(DDIS)の上級情報将校らは、最近まとめた報告書の中で、「ロシアが国境を接するNATO加盟国の1つないし複数に対して、限定的な軍事攻撃を仕掛けるリスクが高まっている」と警告。こうした攻撃が「今後数カ月以内に行われる可能性がある」と予測し、次の3つのシナリオを提示した。

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・約半年以内に、ロシアは自国と国境を接する国で局地戦争を遂行できるようになる
・約2年以内に、ロシアはバルト海地域の複数の国々を相手にした地域戦争の準備を整える
・約5年以内に、ロシアは欧州大陸での大規模戦争の準備を整える

「大ゲルマン帝国」を築こうと武力をもって狂奔したアドルフ・ヒトラーと同じく、ウラジーミル・プーチンもまた、持てるすべての軍事力と兵器を駆使してロシアを世界一の超大国へと変貌させることに執着している。

プーチンはかつてロシア議会で行った演説で「ソビエト連邦の崩壊は、20世紀における重大な地政学的惨事であった」と語った。

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「ロシアという国家にとって、それはまさに悲劇となったのである」とプーチンは続け、ソ連崩壊に伴って併合されていた国々が独立を回復し、国境が再画定される中で、「数千万人の同胞と同郷人がロシアの領土の外に取り残されることになった。それどころか、崩壊の連鎖はロシアそのものにまで及んだ」と嘆いた。

しかし、プーチンがソ連帝国を力ずくで再興しようと軍備や核兵器システムの増強に走るなどとは、ロシア国内でも世界でもこれまでほとんどの学者が想像すらしていなかった。

ソ連という体制は、プーチンがKGB(ソ連国家保安委員会)の内部でフィクサー(黒幕)として台頭する土壌となった。KGBは「国家の敵」や外国諜報員を相手に、暗殺、毒殺、破壊工作、強制収容所といった手段を用いて戦う組織だった。

共産主義体制の傀儡国家だった東ドイツにKGB職員として駐在していたプーチンは、東西の若き民主化運動家たちがベルリンの壁を打ち壊していく様子を苦々しく見つめていた。その巨大な壁はそれまで致命的な境界線として高くそびえ、機関銃を構えた東ドイツの警備兵が、自由を求めて西側へ逃れようとする勇敢なドイツ人を容赦なく射殺していたのである。

デンマークの情報将校らは、プーチンが「賭け」に出る可能性を排除できないとしている。それは、防衛体制の脆弱なバルト三国にロシアが軍事侵攻しても、北大西洋条約(NATO条約)第5条に規定された集団防衛義務が発動されないか、少なくとも米国は対象国の防衛支援を拒否するだろうと踏んだ場合だ。

「ロシアが、NATO加盟国は集団的に対応しないだろうと判断するリスクがある。特に、ロシアとの潜在的な戦争において米国がNATO諸国を支援できない、または支援しないとロシアが評価した場合、その危険性は高まる」とDDISは警告する。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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