外部推計はグーグルの7.5〜12%、OpenAIの20%との差はどこから生じるのか
外部の調査会社が示す検索量の推計は、OpenAIの数字より低い。検索エンジン最適化(SEO)用ソフトウェアを提供するAhrefsは2026年2月、ChatGPTの検索量をグーグルの約12%と推計した。ただし、従来グーグルで検索されてきた種類の質問に対象を絞っている。企業向けSEOプラットフォームのseoClarityは、モデルで推計したグーグルの検索件数に対し、ChatGPTの検索に相当する入力は約7.5%と試算した。Search Engine Landが伝えている。seoClarityの1日当たりの推計を年換算すると、約4500億件となる。
OpenAIが示す20%とseoClarityの7.5%の開きは、主に何を検索として数えるかという定義の違いによるものだ。グーグルが公表した年間5兆件超の検索件数にOpenAIの20%を当てはめると、ChatGPTの検索に相当する入力は年間1兆件を超える計算になる。年間1兆件という規模は、2012年頃のグーグルの検索件数とほぼ同じだ。
別の比較として、マイクロソフトの最高経営責任者(CEO)サティア・ナデラは、2023年のグーグルを巡る反トラスト法訴訟で、Bingの検索市場シェアが約3%だと証言した。フライも11月2日、Bingが10年以上を費やして約3%に到達したと述べた。ただし、Bingの3%は検索市場シェアであり、OpenAIの20%はグーグルの検索件数に対する比率を指している。
グーグルも検索件数が増加、AIを利用した検索では広告収益化が課題に
グーグルが公表する数字を見る限り、ChatGPTの利用拡大がグーグルの検索利用を減らしているわけではない。グーグルの親会社アルファベットは、2026年10月28日に7〜9月期の決算説明会を開いた。CEOのスンダー・ピチャイは、検索件数の前年同期比伸び率が過去5年で最高となり、AI機能が成長を後押ししたと述べた。グーグルの対話型検索機能「AI モード」では、入力される検索文の長さが従来型検索の平均約3倍に上り、検索の5件に1件で音声、画像、文書が使われている。
検索件数の伸びに、グーグルの広告売上高の伸びが追いつかない
検索件数が伸びても、検索から得られる売上高が同じペースで増えるとは限らない。アルファベットの決算によると、2026年7〜9月期の「Google検索・その他」の売上高は633億5000万ドル(約10兆251億円)で、前年同期比12%増だった。4〜6月期の前年同期比17%増から、売上高の成長率は鈍化している。最高事業責任者のフィリップ・シンドラーは、検索件数ほど売上高が伸びなかった理由の1つに、AI モードで検索を収益につなげる水準の低さを挙げた。グーグルは、収益化の水準が具体的にどれほど低いかは示していない。
OpenAIとグーグルの数字を合わせると、利用者がオンラインで行う質問の総量は増えていると考えられる。単にグーグルからChatGPTへ検索先が移っているだけではない。両社に共通する難題は、対話型の検索から従来の検索広告と同じ程度の収益を得る方法を見つけることだ。


