タッチ操作が心地よくできるように、MacBook Proの筐体も改良した。その構造に関する詳細は伝えられていないが、指で画面を押し込んだ時のぐらつきが抑えられるようにヒンジを独自に設計したという。ビデオ通話中に画面をタッチすると、相手に見える映像がゆらゆらと動いてしまう。この課題を解決するため、ヒンジの安定化とカメラ映像のソフトウェアによるブレ制御を組み合わせて、相手に伝わる映像の揺れを低減している。
筆者はこのタッチ操作を体験してみて、10月に日本語にも対応したSiri AIとの相性の良さを感じた。Siri AIは、生成AIによって自然な対話や複雑なリクエストへの対応力を高めた、アップルの新しい音声アシスタントだ。
最初にユーザーがSiri AIにしてもらいたいことを声で伝えて、提示された答えに対する応答はディスプレイのタッチ操作で返す。この操作感に慣れれば、Siri AIをより効率的に活用できそうだ。
その手掛かりになるのが、パリとニューヨークを拠点に医療向けAIを開発する企業、Nablaによる医療従事者向けの音声入力アプリケーション「Nabla Dictation for Mac」の事例だ。医療用語に対応した音声認識をMac上で処理し、電子カルテシステムと連携しながら、診療記録や紹介状の作成などを支援する。音声データをデバイス内で処理するため、プライバシーの確保に加えてクラウド処理の費用が抑えられるメリットもある。
NablaはSiri AIとは別の仕組みであり、またMacBook Proの画面タッチに対応したことが公式に発表されているわけではない。しかし、こうした音声入力にタッチを組み合わせる余地もあると筆者は考える。例えば、音声で作成した記録の修正箇所をタッチで選択できれば、入力から確認・修正までの作業がスムーズになる。音声とタッチによるハイブリッドな操作が活きる場面が他にも見つけられる。
パネルなどの部材供給が安定し、コスト面の条件が折り合えば、今後はOLEDとタッチ対応ディスプレイが他のMacBookシリーズに広がっても歓迎されるだろう。高品位なディスプレイをさらに磨きながら、音声とタッチ、キーボード、マウスやトラックパッドによる操作を自然に使い分けられる、アップルのMacならではと言えるユーザー体験を確立してもらいたい。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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