パネルを構成する複数の薄い層のどれかがわずかにバラつくことにより、最終的な色や角度による見え方が影響を受ける。そのため、材料と積層の精度を高めるだけでなく、チップ内のディスプレイエンジンによる補正や、ガラスの内外に施す反射対策まで合わせこんできた。精度の高い部材をただ組み立てれば完成するわけではなく、全体をひとつのシステムとして根気よくつくり込む姿勢が求められる。
MacBook Proの本体も、新しいディスプレイに合わせて構造を見直した。特に有機EL材料への排熱の影響を考慮して、内部の放熱設計を刷新しているという。筐体の内部にこもる熱を排気するための内部機構と、排気のための開口部のレイアウトも最適化している。
搭載するAppleシリコンがM6ではなく、M5 ProまたはM5 Maxである点についても補足したい。チップの世代番号だけを見るとPROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Proが遅れを取っているように思えるが、最新世代の「標準チップ」と「プロ用途に向けて処理資源を費やしたチップ」は、単純な新旧世代の関係にはない。
8月に発表されたMac miniでも、M6とM5 Proを併設し、後者をより多くのCPU/GPUコアや大容量メモリーを必要とするプロ志向のユーザーに向けて提案していた。M6はメモリー最大32GB、M5 Proは最大64GBという違いもある。Mac StudioではM5 MaxとM5 Ultraがプロが求める重い処理のタスクを担う。特にMacにおいては数字の前後ではなく、必要な処理と構成で選ぶべき製品群が揃っているのだ。
タッチ操作がSiri AIの音声操作につながる
ディスプレイのタッチ操作に初めて対応したことについて、アップルのスタンスは明快だ。タッチは、キーボードとトラックパッド(またはマウス)による操作を補完するものとして導入された。必要な場面では画面に手を伸ばして、オブジェクトに直接タッチできる直感操作の選択肢を加えたのだ。
例えば写真やマップを拡大表示したり、グラフィック制作のアプリケーションもオブジェクトに触れながら直感的に「手作業によるモノヅクリ」ができるような感覚が楽しい。iPhoneミラーリングにより、MacBook Proの画面に表示されるiPhoneにタッチしても違和感なく操作できた。


