年間最大1万台を想定する工場と新たな開発拠点
Agilityは、生産能力が事業拡大の足かせにはならないと考えている。オレゴン州セーラムにある約6503平方メートルの工場「RoboFab」は、最大で年間1万台のロボットを製造する想定で設計された。Digit 5を1台製造するのに必要な時間は公表していないが、ジョンソンは既存工場から新型機の生産に切り替えるための変更は多くないと説明する。「RoboFabでDigit 5を作り始めるために、大きな追加投資は必要ない。準備はできている」。
エヌビディア製の計算装置を採用、顧客支援体制も強化
Digit 5に搭載する計算処理装置は、エヌビディアの「IGX Thor」に統一する。Agilityはピッツバーグにも約4645平方メートルの新オフィスを整備し、ソフトウェア開発、AI、現場への導入、顧客サポートを担う体制を築いている。カリフォルニア州フリーモントには、ロボットのハードウェアと、AIを現実の機械の動作に活用するフィジカルAIを担当するチームがある。
四半期報告では導入実績と新市場への進出が問われる
株式を上場したAgilityは、事業の進捗を四半期ごとに報告することになる。ジョンソンによると、公表する指標は顧客数、ロボットの導入状況、新たな業種への広がりが中心だ。物流と製造業に続き、医薬品、部品製造、小売業への展開も視野に入れている。小売業では、まず店舗のバックヤードや、夜間の食料品店での作業から始める可能性がある。
小売店舗の裏方から売り場の商品補充へ、将来の構想
「Digitの安全性がさらに高まれば、いずれは小売店の売り場で棚に商品を補充する姿も考えられる」とジョンソンは語る。工業施設が中心だった従来の稼働場所とは大きく異なる展開だ。
資金力のある競合と競う2027年、Digit 5は実力を示せるか
Agilityは米国で人型ロボット専業企業として最初に株式市場へ進んだ。しかし、Figure、テスラ、1X、Apptronikといった競合も豊富な資金を持ち、開発を急いでいる。Digit 5は2027年、実際の顧客施設で安全柵の外でも働けることを証明しなければならない。
旧型のDigit 4には引退式が開かれるかもしれない。ジョンソンは「私たちはDigit 4が大好きだ。本当に多くの場所へ連れていった。引退する日が来たら、きっと寂しくなるだろう」と語った。


