AI

2026.11.06 15:15

AIは「使う」から「任せる」へ タイで見えた企業経営の次のフェーズ

Techsauce Global Summit 2026のメインステージ。タイ・バンコクのクイーンシリキット国際会議場で開催された

Techsauce Global Summit 2026のメインステージ。タイ・バンコクのクイーンシリキット国際会議場で開催された

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日本企業でも生成AIの活用が広がっている。しかし、文章の作成や情報収集に利用することと、AIを企業経営に組み込むことは別の話だ。生成AIが急速に進化するなか、人手不足に直面する日本企業は、今後どのようにAIを活用していくべきなのか。そのヒントを探るべく、2026年夏にタイ・バンコクで開催されたテックソース・グローバル・サミット2026(Techsauce Global Summit 2026)に参加した。そこで見えてきたのは、AIを単に「使う」のではなく、仕事を「任せる」ことを前提とした、企業経営の新たなあり方だった。

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筆者とAIとの出合いは、2018年にさかのぼる。米国ネバダ州ラスベガスで開かれた、コンテンツ戦略へのテクノロジー活用をテーマにしたカンファレンスに参加したときのこと。コンテンツを細かく分けた「モジュール」ごとに意味付けを行い、情報を届ける相手に合わせて、自動でコンテンツを組み上げるというシステムが紹介された。

大掛かりなシステムであり、中小企業が導入することは現実的ではなかったが、AIに近い技術に触れ、大きな衝撃を受けた。将来的にはマーケティングの多くの業務が自動化されると確信し、AI分野の情報収集を始めた。

それから4年後の2022年、米OpenAIが発表したChatGPTは、さらなる衝撃であった。例えば、商品情報とペルソナ(典型的な顧客像を、架空の一人の人物として具体化したもの)を入力することで、その人物に向けたコンテンツを生成できるようになった。もっとも、当時は筆者が求める品質に達していないと感じることも多かった。しかし、その後のAI開発競争は激しく、今ではマーケティング戦略の立案やコンテンツ制作など、幅広い業務で実用に耐えうる品質のアウトプットを得られるようになっている。

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筆者はこれまで、米国テキサス州オースティンで開催される「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」のAI関連セッションを聴講したり、ラスベガスで開催されたAIカンファレンス「HumanX」に参加したりと、AIの最新動向を追いかけてきた。

一方、筆者がこれまで収集してきた情報は、大企業向けの内容や学術的な議論が多く、実際に中小企業の経営者がどう活用すればよいのかという視点が十分ではなかった。

その点、今回のテックソースは、中小企業を含めた幅広い事業者の実務に近い内容が多いように感じたことから、参加を決めた。

AIが「回答する」から「仕事をする」時代へ

会場に展示されていた四足歩行ロボット。カンファレンスでは、AIをはじめとする先端技術も展示された
会場に展示されていた四足歩行ロボット。カンファレンスでは、AIをはじめとする先端技術も展示された

テックソースは、アジアを代表するテクノロジー関連カンファレンスの一つである。今回の会場となったのは、バンコクのクイーンシリキット国際会議場。主催者の発表によると、世界60カ国から参加者が集まり、350人を超える登壇者が、AIや金融、ヘルスケアなど、さまざまな分野の未来について議論を交わした。

今回のテックソースで、特に印象に残ったのは、AIの役割が大きく変わりつつあることである。その変化を実感したのが、OpenAIが実施したワークショップだった。

講師は、同社の応用AIエンジニア、タイラー・リュウ氏である。リュウ氏は、従来のChatGPTと、新たなサービスであるChatGPT Workの違いについて説明した。

これまでのChatGPTは、人間が質問すると回答を生成する仕組みであった。例えば、メールの返信文を作成する場合、受信したメールをChatGPTに入力し、生成された文章をコピーして、メールソフトに貼り付ける必要があった。リュウ氏は、こうした作業について、AIを利用するためにかえって手間が増えてしまうこともあったと指摘する。

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文・写真=田中森士

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