北米

2026.11.05 12:30

個人データで航空運賃を変える「監視型価格設定」、米民主党が2027年に追及へ

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政権交代を歓迎した航空会社の経営陣、旅客保護策は後退

2024年の米大統領選から数週間後、退任を控えていたバイデン政権の運輸長官ピート・ブティジェッジは、航空会社の経営姿勢を指摘した。「航空会社の一部CEOは、次期政権が現政権ほど旅客寄りではなく、より企業寄りになることを期待している」。実際に、米航空各社の経営トップは政権交代を歓迎する発言を相次いで行った。

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デルタ航空CEOのエド・バスティアンは、バイデン政権の「行き過ぎた介入」の後だけに、ドナルド・トランプのホワイトハウス復帰は「新風になる」と述べた。サウスウエスト航空CEOのボブ・ジョーダンも、規制や規則づくりに関して「運輸省がもう少し積極姿勢を弱めることを期待している」と語った。

ユナイテッド航空CEOのスコット・カービーは選挙後、トランプと、後に副大統領となるJ.D.ヴァンスに祝意を示す書簡を送った。世界の航空業界団体、国際航空運送協会(IATA)で当時事務総長を務めていたウィリー・ウォルシュは、トランプを業界にとって「差し引きでプラス」と評した。

補償案の撤回と料金開示の廃止、家族の座席確保も未確定

2025年、元航空業界ロビイストのショーン・ダフィーが率いるトランプ政権の運輸省は、旅客補償の新規則を検討するとした事前告知を撤回した。検討対象は、航空会社自身に原因がある欠航や遅延などの運航障害で、旅客への補償を義務づける規則だった。国内線では最大300ドル(約4万7500円)、国際線では最大775ドル(約12万2600円)の現金補償を盛り込む可能性があった。無料の予約変更に加え、長時間の遅延時には食事、翌日まで運航障害が続く場合には宿泊施設の提供を義務づける想定だった。

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バイデン政権は2024年、航空券の検索時に、手荷物の預け入れや機内持ち込み、予約変更・キャンセルにかかる追加料金を運賃とともに表示するよう、航空会社や航空券販売業者に義務づける規則を設けた。しかし、連邦第5巡回区控訴裁判所が2026年2月に規則を無効とし、同年7月にはトランプ政権の運輸省が関連規定を削除した。追加料金の開示基準は、2011年の規則に戻った。

バイデン政権の運輸省は、13歳以下の子どもが同行する大人の隣に無料で座れるようにする規則も提案していた。隣り合う席に空きがある場合は、航空会社に無料での隣接席提供を義務づける内容だった。家族を隣同士に座らせられない場合には、無料の予約変更か払い戻しを求める案でもあった。トランプ政権の運輸省は規則をまだ確定しておらず、航空各社が家族の無料隣接席を一律に保証しているわけではない。

民主党が次期議会で復活を図る可能性がある旅客の権利

2027年に始まる次期議会では、民主党が提出済みの法案を成立させ、バイデン政権が提案した旅客保護策の全部または一部を復活させる可能性がある。

マサチューセッツ州選出の民主党上院議員エド・マーキーは、欠航や大幅遅延が直前に決まった場合に、旅客が現金で払い戻しを受ける権利を拡大する法案を提出した。航空会社が実際の費用に見合わない不合理な手数料を請求できないよう、運輸省に基準づくりを義務づける別の法案も提出している。

アリゾナ州選出の民主党上院議員マーク・ケリーは、大幅遅延が生じた場合に航空会社へ旅客補償を義務づけるため、規則策定手続きを再開する法案を提出した。

イランでの戦争による燃料高騰も航空業界の負担に

2026年6月にウォルシュが示した見通しによると、トランプによるイランでの戦争でジェット燃料価格が急騰した。2026年の世界の航空業界全体の燃料費は、1000億ドル(約15兆8250億円)増える見通しだ。

(forbes.com 原文)

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