北米

2026.11.05 12:30

個人データで航空運賃を変える「監視型価格設定」、米民主党が2027年に追及へ

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航空会社は個人データによる価格の個別化を否定、AIの利用実態が焦点

航空会社は長年、需要などの市場環境に応じてアルゴリズムで運賃を変える「ダイナミックプライシング」を採用してきた。しかし、顧客の個人データを使い、その顧客が支払ってもよいと考える金額を技術的に推定して運賃を決めていることは、一貫して否定している。オーウェンズら消費者擁護派は、航空会社の説明を信じていない。

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「航空会社はAIで価格を設定する企業と提携し、従来のイールドマネジメントシステムを超える、さらに高度な価格設定アルゴリズムを構築している」とオーウェンズはForbesに語った。イールドマネジメントとは、需要などに応じて運賃や販売する座席数を調整し、収益の最大化を図る手法だ。

オーウェンズが調査で注目した企業には、イスラエルのAI価格設定企業Fetcherr(フェッチャー)がある。オーウェンズはFetcherrについて、デルタと提携し、2025年にデルタが批判を受けるきっかけとなった企業だと説明した。AIによる価格設定を手がけるFLYRについても、2026年4月にジェットブルーが問題を指摘されるきっかけになった企業として挙げた。

デルタの社長グレン・ホーエンスタインは2025年第2四半期の決算説明会で、国内線運賃の一部を決めるために生成AIを試していると投資家に説明した。デルタの路線網でAIを使った運賃設定の割合を3%から「2025年末までに約20%」へ引き上げる目標も示した。

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旅行情報サイトThrifty Travelerによると、Fetcherrは顧客の購入履歴や「生涯価値」を考慮する価格の「超個別化」を売りにしていた。生涯価値とは、取引が続く間に顧客が企業にもたらす利益のことだ。同サイトは、Fetcherrが後に「個別価格設定」への言及を削除したと報じた。さらに投稿の日付を過去にさかのぼらせ、内容に変更がなかったように見せたという。

ジェットブルーへの集団訴訟と、価格設定を問う議員の書簡

ジェットブルーでも、航空運賃の急な値上がりを訴えた顧客への対応が集団訴訟につながった。2026年4月、大切な人を亡くして悲しみに暮れていた顧客が、ジェットブルーの航空運賃が一晩で230ドル(約3万6400円)上がったと訴えた。同社のX(旧ツイッター)公式アカウントは、その顧客にブラウザーのキャッシュとCookieを消去するか、シークレットウィンドウを使うよう勧めた。ジェットブルーは後に助言の投稿を削除した。

同じ2026年4月、アリゾナ州選出の民主党上院議員ルーベン・ガイエゴと、テキサス州選出の民主党下院議員グレッグ・カサールは、ジェットブルーに書簡を送った。顧客データとAIを使い、消費者向けの価格をどのように設定しているか、情報の開示を求めた。

民主党議員の追及に、共和党のジェームズ・コマーが協力する可能性もある。コマーはケンタッキー州選出の下院議員で、下院監視委員会の委員長を務める。さまざまな企業がAIによる監視型価格設定を利用し、商品やサービスの価格を人為的に引き上げていないか調査している。

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