中国は南シナ海をはじめとする重要な国際水域を、事実上支配下に置こうと画策している。その目的のために、同地域に複数の人工島軍事基地を建設し、他国、とりわけフィリピンの船舶に対して繰り返し嫌がらせをしている。
中国は台湾の支配を狙っており、できれば戦争ではなく、経済的・軍事的な圧力によってそれを実現したいと考えている。そのため、軍事演習を継続的かつ攻撃的に展開しながら、2028年の台湾総統選挙で親中派の候補が選出されれば事態は円満に収まるとほのめかしているのだ。
米国の海軍増強の取り組みは、依然として不十分だ。対策の1つとして、米国よりもはるかに高度な技術を持つ日本や韓国の造船所に、艦船の建造を依頼すべきだ。こうした動きは、米国は東アジア地域から撤退しないという意向を同盟国に示すことにもなる。
トランプ政権内の孤立主義者は欧州から手を引き、同地域の戦略的な運命をロシアのウラジーミル・プーチン大統領に委ねようとしている。だからこそ、貿易関係を通じてプーチン大統領を国際社会の良き一員にできるなどという幻想を抱き、欧州に再びロシア産天然ガスへの依存を強いるといった、奇妙で破壊的な提案が出てくるのだ。これは、1939年以前に英国の宥和(ゆうわ)主義者がドイツのアドルフ・ヒトラーに対して抱いていた考えと同じだ。プーチン大統領の野望は冷酷なまでに帝国主義的だ。
F16戦闘機をはじめとする兵器のほか、ロシア国内の標的を的確に攻撃するために米航空宇宙企業スペースXが運営する衛星インターネットサービス「スターリンク」への接続を確保するなど、ロシア政府に現実を直視させるために必要なものをウクライナに提供することは、永続的で民主的な平和を築くために不可欠だ。
北朝鮮の野望が拡大し、暗号資産(仮想通貨)の悪用に代表されるような挑発行為が深刻化していることを踏まえ、米国は北朝鮮の支配層がどこに資金を隠しているかを把握している事実を突きつけるべきだ。さらに、韓国と協力して戦術核兵器の配備を検討する可能性があることについても、北朝鮮側に示唆しておく必要がある。
われわれが現実を直視しなければ、将来の歴史家は、米国がロシアや中国、イランの本質を見抜けなかったことに驚愕(きょうがく)するだろう。その結果は破滅的なものになりかねない。トランプ大統領は重大な決断を迫られている。


