プロサスは大規模な自社株買いでNAVディスカウントに対抗
2022年6月以降、プロサスは自社株を約10億株、浮動株の30%に相当する規模で買い戻しており、取得額は約350億ドル(約5兆5400億円)に上る。40%のディスカウントで自社株を買い戻すということは、1ドルで1.67ドル相当のNAVを買っていることを意味する。同社によれば、この自社株買いプログラムは開始以来、1株当たりNAVを18%押し上げた。
プロサスは現在、年間で自社株の約5〜6%を買い戻している。40%のディスカウントであれば、自社株買いだけで、テンセントやその他保有資産の価値成長を考慮する前に、1株当たりNAVに年率でおよそ2.5〜3%の上乗せ効果をもたらす。プロサスのファブリシオ・ブロイジ最高経営責任者(CEO)も自ら資金を投じている。昨年、現在を上回る価格で約2200万ドル(約34億8000万円)相当の株式を購入した。
テンセントも自社株を買い戻しており、その規模は2022年以降で約390億ドル(約6兆1700億円)に達する。株式報酬がそのおよそ40%を吸収した。それでも発行済み株式数は約5%減少している。
最大のリスクは国に関わる問題に偏る
テンセントの投資ポートフォリオとプロサスのNAVディスカウントに対する市場の評価は、解消しにくい問題である。両社が投資ポートフォリオを売却しない限り、投資家がその価値を完全に認めることはないかもしれない。テンセントはいくつかの持ち分をAIに再配分しているが、ポートフォリオを清算する兆しはない。プロサスも自社株買い計画の資金を賄うためにのみテンセント株を売却している。ただし、自社株買い計画は、持続的なNAVディスカウントを利点へと変えた。NAVディスカウントが広がるほど、1回ごとの自社株買いによる価値の積み増し効果は大きくなる。
中国の資本主義へのコミットメントも大きなリスクだ。同国では、社会主義と資本主義が混在する独自の経済ルールが、政府の意向一つでいつでも変更され得る。事実、2020年にはアント・グループの新規株式公開(IPO)が土壇場で停止され、2023年12月には突如として新たなオンラインゲーム規制案が浮上し、テンセント株が1日で最大16%急落する事態となった。直近の2025年に制定された「民営経済促進法」も、民間企業への平等な扱いをうたう一方で、共産党の指導堅持を強く求めている。


