推し活やアニメにも注目。日本市場の独自性
ピンタレストは2014年頃から日本で事業を開始して、ユーザー基盤の拡大を図ってきた。2022年6月には広告事業も日本で開始している。日本国内のみのユーザー数は非公表としているが、Z世代が占める割合が大きいことが特徴だ。
ブラウン氏は日本市場の特色について「グローバル戦略と共通する部分がある一方、独自のユニークな文化を持っている」と語る。
「自国の文化や風習に合ったローカルなコンテンツを求める傾向は他国のユーザーと一緒ですが、特に日本では、いわゆる『推し活』やアニメといった文化に関する関心が強く表れています」
文字による情報伝達が豊富な日本において、ビジュアルを起点とするピンタレストが受け入れられていることが興味深いと、ブラウン氏は語る。日本独自のコンテンツや文化への関心を、ピンタレストならではの「画像を通じた発見」の体験にどう結び付けるか。それが、日本市場におけるローカライゼーションを成功させるための重要な鍵になる。
ピンタレストは企業にとっても独特なマーケティングツールになる。一般的な検索広告も、ユーザーがほしい商品をある程度決めてから接点が生まれることが多い。一方、ピンタレストの場合はユーザーがブランドを選ぶ前の段階から自社の商品やサービスを提案できる。
「多くのユーザーは強い目的意識を持ってピンタレストに訪れますが、まだ言語化できていないニーズを発見するところから、最終的に欲しかったものを手に入れるところまでを支援できるのが私たちの強みです」
ブラウン氏によれば、日本と海外の広告主が求めるものには共通点がある。それは、ブランドの認知から比較検討、最終的な購入・コンバージョンまでを一貫して支援する「フルファネル」の広告効果だ。
さらにZ世代にリーチしやすいこと、ブランドが安心して広告を掲載できるポジティブな環境もピンタレストの優位性だと主張する。
AIが見つける「知らなかった自分の好み」
ピンタレストが今後の成長エンジンとして注目するのがAIだ。
「AIは今や、私たちが行うすべての活動の中心にあります。ピンタレストにおいてもビジュアル検索の改善、ショッピング体験の進化、広告主のパフォーマンス向上、そのすべてにAIが関わっています」
中核となるAIシステムの基盤が「Pinterest Intelligence(ピンタレスト・インテリジェンス)」だ。ユーザーの検索やピンの保存などから把握する、ユーザー独自の興味・関心や行動の意図(シグナル)、画像を理解する技術、そして専用のAIモデルを組み合わせている。
例えばユーザーが好む色や素材、デザインの傾向をAIが理解すれば、商品名を知らなくても好みに近いものが発見しやすくなる。単に過去の検索に似た結果を提示するのではなく、ユーザー自身も気付いていない好みを発見する。ユーザーごとの嗜好に合わせた検索結果により、アイデアを提示できるだけでなく、広告主にとってもブランド認知から購買に至るまでの広告効果が高められる。


