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2026.11.06 17:15

「戦わずして勝つ」人生の組み立て方 カギは環境予測とSWOT分析

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予測を戦略に変えるとき、私はSWOT分析(企業のStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を分析)を使います。ただし、一般的な使い方とは一点だけ違います。
 
通常のSWOT分析は「今の自分」を分析して終わります。しかしそれでは環境適応業の思考から抜け出せません。私が実践するのは「今のSWOT」と「10年後の外部環境変化を加味したSWOT」を並べ、その間のギャップを見ることです。
 
現在の強みが、10年後には弱みに変わっているケースは珍しくありません。今100人のシステムエンジニアを抱えていても、AIの進化が続く10年後、その100人は本当に強みであり続けるでしょうか。100人分の人件費が、競争力を奪う「脅威」に変わっている可能性はないでしょうか。現状と10年後。この2つのSWOT分析の間にあるギャップを埋めることが、今日の投資と意思決定の正しい指針になります。

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「今の正解」を常に疑え

このSWOT分析を個人の習慣として続けるために、私が毎年行っていることがあります。「10年前の自分が正しいと思っていたことで、今は違うと思っていることは何か」を書き出すことです。10年前の私は、長時間働くことが成果に直結すると信じていました。M&Aは大企業だけがするものだと考えていました。それらのほとんどが、今は違います。環境が変われば、正解も変わります。「今の正解」を疑い続ける習慣が、10年後のSWOTを今日の行動に変えます。
 
一つ、私の経営しているビジネスを例にとりましょう。

10年前のSWOT分析を振り返ると、外部環境の変化として明確に見えていたことがあります。世界的な和食ブームが続いていて、ミシュランの星を持つ和食レストランが世界中で増えていて、海外で和食レストランを開くためには、日本人職人の存在が不可欠。そして構造的な円安傾向は今後も続く可能性が高く、海外で働く和食職人にとって追い風になります。日本の若い職人たちに、海外という選択肢が現実的になってきている時期でした。
 
そしてマレーシアには、他の国にはない固有の強みがあります。それは、日英中の言語的な架け橋を担える人材が、集まっていることです。海外和食レストランのオーナーは、英語または中国語を話す方が95%以上です。一方、和食職人はもちろん日本語での対応が必要になります。英語・中国語・日本語を同時に扱える人材を採用できる、世界でも稀有な環境がここにあります。
 
この分析が、和食職人エージェント会社の創業という意思決定につながりました。変化が来る前に動いた結果、現在私のデータベースには海外就職を希望する和食職人が3000人以上登録されています。年間50人近くを各国のレストランに紹介しています。誰よりも早くこのポジションに立ったからこそ、誰も入り込めない経済基盤ができました。
 
もう一つ、私が定期的に行う思考実験があります。「もし今日この市場に新規参入するとしたら、どう攻めるか」。すでに自分が存在する市場について、あえて外から見る問いです。現職の経営者がこれを問うと、ほぼ必ず「今の自分のやり方には攻めやすい隙がある」ことに気づきます。自分のポジションを客観的に見るために、一度そのポジションを捨てたつもりで考えます。この思考実験が、無敵戦略の死角を消していきます。

そして私が今、最も力を注いで「予測」しているのは、ビジネスの話ではありません。自分の人生です。

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文=恵島良太郎 編集=露原直人

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