IonQは、膨らむ損失を、利益ではなく手元の資金で賄っている。2026年6月末の時点で、同社は21億1900万ドル(約3348億円)の現金と短期投資を保有していた。これに対して、有利子負債は5450万ドル(約86億円)にすぎない。
収益性については以上のとおりだ。では、ほかにリスクはあるのか。
IonQは株式の発行と企業の買収を続けている
IonQの株式数は、新株予約権などの分も含めた「希薄化後」の数で見て、2026年6月までの12カ月間に3億6800万株となり、1年前の2億5100万株から増えた。株式は、これからさらに増える。IonQは米国時間2026年10月12日、サイバーセキュリティ企業のElisityを最大13億ドル(約2054億円)で買収することで合意したと発表した。対価は現金ではなく、すべてIonQの株式で支払う。その2日後には、株式などを発行して20億ドル(約3160億円)を調達する計画について、発行価格を決めた。既存株主の1株当たり価値の希薄化は避けられない。
IonQには、統合を進めなければならない大型の買収案件もある。経営陣は米国時間2026年8月5日の決算説明会で、半導体の受託製造会社(ファウンドリー)であるSkyWater Technology(スカイウォーター・テクノロジー)を18億ドル(約2844億円)で買収する手続きを、その前の週に完了したと明らかにした。同じ説明会でIonQは、SkyWaterの分を含まない同社単体の2026年の売上高見通しを、2億8000万〜2億9000万ドル(約442億〜458億円)に引き上げた。その後、米国時間9月8日の投資家向け説明会(インベスター・デー)では、SkyWaterの統合を織り込んだ両社合計の通期の売上高見通しとして、4億5000万〜4億6000万ドル(約711億〜727億円)を示した。
IonQは米国時間2026年11月5日に次の決算を発表する予定だ。注目すべき指標は、SkyWaterを含めた会社全体の売上高である。


