株から債権・不動産へ
──現在は大和PIパートナーズの債権・不動産投資部でアナリストを務めています。希望してこの部署を選んだのですか。
配属は債権・不動産投資部に希望を出したところ、運良く配属されました。就職活動中、金融系のインターンで不動産に触れて、面白いと思ったんです。不動産は形があり、自分が投資したものが物体として存在します。
しかも、オルタナティブ・アセット(上場株式や債券などの伝統的資産とは異なる投資対象)は流動性が低く、どこでも買えるわけではない。だからこそ、ソーシングの段階から自分で投資のリスクを設定できます。取得の条件やスキームといった入り口から、自分で手を加えてバリューアップし、出口までもっていく。最初から最後まで自分が関われる余地が大きいのが、株とは違う面白さです。
また、エクイティだけでなく、デットも見られる人材になりたいという思いもありました。といっても、株に飽きたわけではなくて、今も学生時代に見ていた銘柄を追っています。
──大会の経験は、今の仕事にどう生きていますか。
かなりコアなところで生きています。株の場合はEPS(1株当たり利益)やPER(株価収益率)が株価を形づくるので、将来の成長性を見ることが大事です。一方、デットではEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)、つまり事業が今どれだけキャッシュを生んでいるかを見て、ダウンサイドをしっかりヘッジします。考え方はかなり違いますが、業績を見ることはすべてのアセットクラスに共通しています。
私たちが投資する企業のライフステージは幅広く、企業再生の案件も多く検討します。金利も物価も上がり、苦戦している企業は少なくありません。赤字の会社に融資やエクイティを出すかを検討する場面では、業績を正確に予想できなければ、エクイティの価値がゼロになってしまうこともある。しかも、投資した後は何年も保有し続けるので、当初の予想とのずれは必ず生じます。責任をもって業績を予想し、バリュエーションを出さなければならないと、日々痛感しています。


