資産運用

2026.11.05 14:15

歯医者で販路を聞き込み予想1位、大和PIパートナーズ アナリスト・菅原康生の「足で稼ぐ」流儀

大和PIパートナーズ アナリスト 菅原康生

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歯医者で「どういうルートで仕入れを?」

──大会で一番印象に残っていることは何ですか。

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難易度です。瀧本ゼミでは中小型株のバリュー投資を扱っていましたが、Gyoseki大会の課題はグローバルに展開する大企業です。業績を左右するドライバーがとにかく多く、本当に苦戦しました。第4回の課題はライオン、江崎グリコ、ユニ・チャームの3社でした。

ライオンでいえば、まず単価の上昇率に注目しました。大会の主催者から、普段は手に入らないPOSデータを提供してもらえたのは大きかった。売上高を販売単価と数量に分解し、数量については、ある消費財の卸売会社のウェブサイトに、ライオンの下期の新商品数と、廃番になる商品数が載っているのを見つけました。新商品のほうが多いセグメントは業績がもっと伸びるし、会社側も数量の増加を強く見込むだろう、と考えたわけです。

苦労したのが、一次情報を集めることでした。ライオンは卸売のほかに、歯科医院向けにも高単価で付加価値の高い製品を展開しています。そのルートは私たちには追えないので、チームで手分けして、歯医者に行くついでに「どういうルートで仕入れているんですか」「営業の人は来るんですか」と聞いて回りました。歯医者さんからは「何でそんなことを聞くの?」という怪訝な顔をされましたが、調べ学習だと説明して教えてもらいました。そこで、ライオンともう1社、別の企業が強いことが分かったんです。

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業績予測は結局仮説なので、本当にそうなるかどうかは最後まで分かりません。でも、自分で取った情報には自信がもてる。数字の裏付けを取るのは大変でしたが、やってよかったと思っています。プロの機関投資家は忙しく、こうした情報を取りに行けないことも多いはずです。だからこそ、学生ならではの視点を最後の発表でぶつけたかった。

──大会ではどこが評価され、講評ではどんなフィードバックを受けましたか。

一番評価されたのは、業績予想の「正確性」です。この項目では、次の四半期決算の利益などをどれだけ正確に予想できたかで順位がつきます。私たちは決勝に進んだチームの中で1位でした。すごく自信になりましたし、うれしかったですね。 

一方、講評では伝え方を指摘されました。時間もオーバーしてしまった。「面白いことを調べているからこそ、情報を絞って、深掘りして発表すべきだ」と。悔しすぎて、それしか覚えていません。実は準備の途中で、翌年の業績予想まで出そうとしたんです。それよりも、手元の分析を整理して分かりやすく伝えるほうにかじを切るべきでした。リサーチだけでなく、審査員に説得力をもって伝えることがどれだけ大事か、痛感しました。

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文=中居広起 写真=植木紗織

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