アジア

2026.11.04 09:00

「大きすぎてつぶせない」韓国のAIブーム

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ところが、サムスンとSKハイニックスは、にわかに現代史上最大の「金融ゴールドラッシュ」の中心に躍り出た。両社の株価は急騰し、年初来の上昇率は10月末時点でサムスンが75%、SKが109%に達している。まさに「適切な時期に適切な場所にいる」ことが功を奏するという教科書的な事例だ。

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数カ月のうちにAI関連技術は、長年にわたり韓国経済を特徴づけてきた自動車、造船、スマートフォン、さらにはK-POPをも凌駕する存在になった。AIはまた、李が大統領選で掲げた目玉公約のひとつを実現することにも寄与した。韓国総合株価指数(KOSPI)を当時の2倍の5000ポイント超に引き上げるという公約だ。

これを達成するのは容易ではないとみられていた。ソウル市場の株価を長年押し下げてきた「コリア・ディスカウント」を解消するには、立法面での成果が必要だったからだ。コリア・ディスカウントは、主要な株価指数を算出するMSCIが韓国を「先進国市場」に格上げしない一因にもなっている(編集注:MSCIは韓国の格上げを見送っている理由として主に外国人投資家の市場アクセスをめぐる問題を挙げている)。

だがAIのおかげで、KOSPIは李がほとんど何もしなくても、目標をあっさり越えた。6月には一時、9100ポイント超まで上昇した。その後は下げ、最近は5700ポイント前後で推移している。それでもAIトレードは、アジア4位の経済大国である韓国にとって究極の追い風になっている。

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韓国産業通商省の発表によると、韓国の10月の輸出額は前年同月比で93.7%増え、1974年1月以来の大幅な伸びを記録した。伸びは9月の83.7%増からさらに加速した。半導体は現在、韓国の輸出総額のほぼ半分を占めるまでになっている。10月には半導体輸出は259%、コンピューター輸出は497%急増した。ドナルド・トランプ米大統領による関税措置にもかかわらず、対米輸出額は186%増加し、対中輸出額も134%増えている。いずれも半導体などの輸出が好調だった。

これらは、韓国が「アジアの虎」の一角として急成長を遂げていた1970年代を彷彿させる数字だ。韓国のように、世界経済に影響力を持つ成熟した経済で、毎月のように2桁、3桁の伸び率が続くというのは、健全な状況とは言いがたい。

もちろん、AIブームが今後も続き、17カ月連続で伸びている輸出が引き続き好調に推移すれば、韓国経済はほかに類を見ないほど恵まれた立場を生かして繁栄できるだろう。しかし、ひとたび足元が崩れれば、韓国はAIトレードが破綻すれば経済がどうなるのかの最初の本格的な試金石になる。

より大きな問いは、もはやAIが経済を変革できるかどうかではない。経済がAIに過度に依存するようになったときに何が起こるかだ。韓国は近く、その答えを世界に示すことになるかもしれない。

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=江戸伸禎

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