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スタートアップ

2026.11.05 14:00

AIエージェントの暴走を防ぐ評価額947億円スタートアップの正体

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AIエージェントに自分の銀行口座の詳細情報を渡すとなれば、ほとんどの人がためらうだろう。何百万人もの顧客を抱える企業にとって、機密性の高いパスワードを渡すことなどあり得ない。

「エージェントは企業内で野放し状態になっています」と、InfisicalのCEO、ヴラド・マツィアコは語る。「これは情報漏えい対策において、極めて大きな意味を持ちます」

マツィアコが率いるInfisicalは、データベースのパスワードやクラウドアクセスキーのような非公開の認証情報を渡すことなく、企業がエージェントを利用できるようにすることで、この問題の解決を目指している。

Infisicalの解決策には、ユニークな仕組みがある。同社はAIエージェントに偽のAPIキー、つまりアプリケーション同士がやり取りするためのパスワードを与え、その後プロキシを通じて偽の認証情報を本物に置き換える。「エージェントは本物のAPIキーを持っていると思い込むが、それが本物ではないことを知ることは決してありません」とマツィアコは説明する。

2023年に創業し、サンフランシスコに拠点を置く同社は、エアバス、フォルクスワーゲン、OpenRouterなど1300社以上が機密情報を管理するのを支援している。認証情報の保管に加え、パスワードの更新や再発行、エンジニアへのシステムアクセスの付与、AIエージェントがツールやデータベースへのアクセスを要求した際に即座にパスワードを生成することもできる。数分で失効するワンタイムパスワードをエージェントに与えることで、企業はエージェントが暴走した場合やサイバー攻撃の一部となった場合にも、機密情報をより適切に保護できる。

「これにより、攻撃者にとって標的を絞るのが一段と難しくなります」とマツィアコは言う。「私たちはこれを『動的シークレット』と呼んでいます」

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