主要な地方選挙でも家庭の光熱費や企業向けの電力補助金が大きな争点に浮上している。特にオハイオ州では有権者の71%がデータセンター建設の一時凍結に賛成し、ペンシルベニア州でも74%の住民が自分の地域にAIデータセンターが建設されることに反対すると回答している。
データセンターは地域の送電網にかつてないほどの負荷をかけている。発電容量の増強や送電網の改修には数十億ドル規模の投資が必要であり、電力会社はこうした費用を一般家庭の電気料金に転嫁する。ダラス連邦準備銀行の分析によると、データセンター需要の急増によって米国の卸売電力価格は6.9%押し上げられ、バージニア州北部や太平洋岸北西部といったテック企業の集積地では局地的な価格上昇が最大15%に達した。
また、米国最大の地域送電機関であり送電網の運営を担うPJM Interconnectionの分析でも、容量市場のオークション価格が過去最高水準に急騰した「最大の要因」はデータセンターにあると結論づけられた。この結果生じた数十億ドルにのぼる追加負担は契約者全体に広く転嫁されている。こうした容量価格の急騰により、一般家庭の平均的な電気料金はオハイオ州で月額約16ドル(約2600円)、メリーランド州西部で月額約18ドル(約2900円)上昇した。
PJMの独立市場監視機関であるMonitoring Analyticsによると、データセンターの影響で契約者が今年追加で負担する容量市場の料金は73億ドル(約1兆1700億円)にのぼり、来年もさらに65億ドル(約1兆400億円)の負担増が見込まれている。


