インドの宇宙産業は、世界市場の2倍のペースで成長する見通しだ。宇宙関連スタートアップが国家支援ファンドを活用し、ISRO(インド宇宙研究機関)と建設的なパートナーシップを構築することで、南アジアに世界的競争力のある宇宙エコシステムを形成しつつある。
宇宙分野の改革
2026年、インドのナレンドラ・モディ首相率いる政府が実施してきた一連の改革によって、宇宙関連スタートアップの数は2014年のわずか1社から400社以上へと増加した。10年前、宇宙技術は国家や一部の大企業のみが扱える領域だった。この構図が劇的に変わり始めたのは2020年、インド政府が宇宙バリューチェーンを民間企業に開放すると決定したときだ。続く2023年のインド宇宙政策では、民間部門の参画に関するより広範な枠組みが整備された。
インド国家宇宙促進認可センター(IN-SPACe)は、民間部門の宇宙活動を認可し、ISROの国有施設へのアクセスを簡素化する独立したワンストップ機関となった。スタートアップの資本アクセスを改善するため、インド政府はベンチャーキャピタルファンド、技術採用ファンド、IN-SPACeシードファンド制度を立ち上げた。IN-SPACeは昨年、インドの宇宙スタートアップに対して1億5000万ドル(約237億円)の投資を仲介した。2024年には、外国直接投資(FDI)規則も業界全体で自由化された。改正されたFDI政策の下、衛星製造では最大74%、打ち上げロケットおよび宇宙港では最大49%の外国投資が認められている。
これらの改革を受け、インド国内の宇宙技術分野には民間部門から大規模な資金が流入した。インドのベンチャーキャピタル「Arkam Ventures(アルカム・ベンチャーズ)」が発表したレポートによれば、現在130億ドル(約2兆500億円)と評価されるこの分野は、2030年までに3倍以上の400億ドル(約6兆3200億円)規模に拡大すると予測されている。
投資家が信頼する理由
長年にわたる累計民間投資額は6億ドル(約947億円)に達しており、2026年には宇宙技術スタートアップが約2億5600万ドル(約404億円)を調達した。そして今後5年間で、この分野には最大35億ドル(約5530億円)のベンチャーキャピタルおよびプライベートエクイティ投資が見込まれている。
「インドの宇宙スタートアップに資金が殺到しているのは、米国や欧州の数分の一の費用で高度な宇宙システムを構築できるからだ」と、宇宙・防衛スタートアップであるEON Space Labs(イオン・スペース・ラボ)の共同創業者サンジャイ・クマール氏は述べる。「他国と比べ、インドのエンジニアリング人材は層が厚く、製造コストも効率的だ」
インド政府は、スタートアップの成長を支援するアンカー顧客としての役割を果たしており、ISROは打ち上げに使用する機器の80%をインド企業から調達している。



