体験して感じた「持ち歩く道具」としての進化
筆者は2021年発売の第6世代iPad miniを長く使ってきた。新モデルを手にしてまず実感したのは、薄さと軽さである。
仕事柄、発表会やインタビューの場で、立ったままiPadとApple Pencilでメモを取ることが多い。机に置いたときには見過ごしがちな数十グラムの差も、片手で支え続ける場面では効いてくる。新モデルは、片手で持ったまま作業するためのツールとして扱いやすくなった。
有機ELディスプレイの画質はとても印象的だ。Apple TVの映像やiPhoneで撮影したHDRビデオを再生すると、明暗のコントラストが引き締まり、色彩も鮮やかに映える。
256GBと512GBモデルでは、映り込みを抑えるNano-textureガラスを選べる。屋外や強い照明下で利用する機会が多い方には検討する価値があると思う。
Apple PencilはProに加え、価格を抑えたUSB-Cモデルに対応する。USB-Cモデルはスクイーズやバレルロール、触覚フィードバックなどには対応せず、USBケーブルでペアリングと充電を行うが、メモや注釈、画面操作が中心なら十分に役立つ。
一方、本体色が従来の4色からミッドナイトとスターライトの2色に絞られたことは残念だ。落ち着いた外観が仕事の場になじむとしても、個人の持ち物として色を選ぶ楽しさは残してほしかった。なお、両色を試すと、背面の指紋が目立ちにくかったのはスターライトだった。
筆者としては、薄さと軽さを損なわないアップル純正のキーボード付きカバーも欲しいと思う。短い原稿やメールを書く際に、iPad miniを小さなノートPCのように使えたら、持ち出す機会はさらに増えるだろう。
iPad miniは誰のためのiPadなのか。その答えは1つの職業や用途には収まらない。ただ、多くのユーザーに共通するのは、自分に必要なiPadの機能をいつでも気軽に持ち歩きたいという期待だ。
今回の刷新から筆者が読み取るアップルの狙いは、iPad miniの多様な使い方を支える条件をさらに底上げすることにある。薄さと軽さ、見やすい画面、処理性能、そして防塵・耐水性能。小さな端末が活躍できる場所を広げることが、iPad miniの役割をより鮮明にしている。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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