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2026.11.06 13:30

気合と根性を土台に進化 movusが挑むインドネシアの新車サブスク事業

出路貴規(スパークス・アセット・マネジメント)写真左・酒井丈虎(movus technologies)同右

出路貴規(スパークス・アセット・マネジメント)写真左・酒井丈虎(movus technologies)同右

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酒井丈虎は2021年2月、movus technologiesを設立した。同社はインドネシアで、従来のローン審査に通らないライドシェアドライバーに対し、独自の与信システムを用いて新車のサブスクリプションサービスを提供。現在の提供台数は数千台にのぼり、2027年には1万台を視野に入れる。スパークス・アセット・マネジメントは、26年5月のmovusのシリーズBラウンドで、リード投資した。同社取締役の出路貴規が、出資を決めた理由とは。

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出路:酒井さんと2023年に初めてお会いしたとき、アンビシャスな経営者だと感じました。事業面では、確かに事業開始1年で強い需要を感じながら売上高も伸びていました。ただ、インドネシアで社員が定着するかもわからず、収益を裏づける詳細数字がまだ見えませんでした。そのためシリーズAは見送り、事業レバーが見えてきたらもう一度検討させてほしいと伝えました。

酒井:最初の面談で、大きな会社をつくる前提で、10年後の会社の姿や自分の役割まで踏み込んで聞かれたのが印象的でした。

初回は見送りでしたが、わざわざその理由を伝える場を設けてもらいました。私たちの事業は、ドライバーに車を貸し出し、毎月の支払いを管理するものです。当時から「競合優位性は気合と根性」と公言していて、現場のオペレーションも、大学野球部の同期である共同創業者の北口理人と2人で交代しながら24時間担っていました。今でもその根幹は変わりませんが、出路さんからは、目指す規模にたどり着くために何を変えるべきか、冷静な視点をもらえました。

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出路:我々がベンチャー投資でいちばん大事にしているのは、経営者です。ただ、期待だけでは投資できません。見送りは、起業家にとって決して気持ちのいいものではなかったはずです。それでも酒井さんは不都合な現実から目を背けず、やり方そのものを変えて、3年前の懸念を仕組み化でほぼすべて克服してきましたよね。

酒井:見送りのあと、力を注いだのは業務の仕組み化です。創業以来、自ら現場を担ってきた経験をもとに、業務を一つひとつ設計し直し、システムに組み込んでいきました。車にはIoT機器を載せ、料金の支払いが滞れば遠隔で停止します。回収までの手順もマニュアル化しています。体制が整い、7都市まで展開を広げました。社員は110人に増え、その9割が現地のメンバーです。

出路:その背景には、酒井さんの前職での経験もあったのだと思います。インドネシアなどでドライバー向けファイナンス事業に携わり、金融機関や自動車メーカー、ディーラーとの提携を手がけていました。車がドライバーの手にわたるまでの流れを、内側から見てきたわけです。そのうえで、夜中まで泥くさく現場に立っていました。その経験を仕組みに落とし込み、車両損失率や不良債権率を大きく引き下げています。難しい環境で、同業他社が成しえなかったことです。

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文=倉田憲多 写真=平岩 享

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